原油価格の国際標準値は、ニューヨークのマーカンタイル取引所にある「原油先物取引価格」で決定されます。この標準品は「WTI」と呼ばれるアメリカで算出される原油になります。
標準品とは、商品相場は世界どこへ行っても同じもの、同じ価格という原理・原則がありますので1970年代にセブンシスターズに代表されるように、アメリカが世界の原油市場を牛耳っていたためにアメリカで上場されるWTIが標準品となった経緯があります。
原油価格の動向
原油価格の動向はさまざまなハウツー本にいろいろなことが書かれています。しかし、そのどれもが正解ではなく、実際は「IMF」や「世界銀行」が発表するWEOや世界成長予想の動向によって大きく左右されます。
そのほか、国連の機関、IEA、アメリカの石油省EIA等も予測をしていますが、基本的にはこの世界の経済がどうなるかによって決定されるケースが非常に多いです。現代は、都市化社会と言われています。この都市化社会に不可欠なものはエネルギーと食糧になります。今や、世界中がアメリカナイズドされてきたと言っても過言ではなく、電気や自動車がなければ文明的な生活を送れない状況です。
後進国といわれる東アジアやアフリカでも電気は必要不可欠なものになっています。現代の世界成長は、こういった発展途上の国々がいくら成長するかの問題になりますので、これらの国の成長が減速をすれば当たり前のように世界も減速をします。
ですから、原油価格は生活に密着をしていますので、成長率とは不可分な関係にあります。
今季の成長予測
昨年7月(2014年7月)くらいから原油価格が急落をしました。この原因は、いろいろ言われています。直接的な一番の原因は、IMFのWEOによる世界成長の減速がきっかけで原油価格が1バレル100ドルから一気に40ドル台まで沈みこみました。
成長が減速したことによってここまでは落ち込みませんが、このもっとな背景にはドル高があります。原油は世界中どこへ行ってもドル建てで仲値が表示をされますので、ドルが高くなると当然、原油価格も安くなります。
昨年の原油安は成長減速と、ドル高が原因だと個人的には思います。