円安・円高を理解するには、実際のレートを照らし合わせると分かりやすいです。
2011年3月11に起きた、東日本大震災の直後1ドルは史上最高の75円にまでなりましたが、直近(2014年9月現在)では1ドル105円台にまで回復しています。
75円が105円になった状態を円が高くなったように感じる方もいますが、実は75円の状態が「円高」というものです。米ドル1ドルを75円の日本円と交換することができるわけですから、少ない円でドルを手に入れられることができ、かなり円が強いのがこの状況です。外国人からみれば日本に来て両替をしても1ドル75円にしかならないことになります。
つまりドルから見て円が高い状態が円高と呼ばれるのです。
円高・円安になる要因とは?
円高になったり円安になったりする局面はどのような時に起きるのでしょうか。
これは、輸出額が大きく、外貨を沢山稼ぐ国は通貨高になりやすいと言われています。過去の日本がこれに該当しますし、輸出貿易額の大きなドイツをかかえるユーロは全体としてユーロ高になりやすい状況となっており、通貨高はその国の力を示すものとなっています。
また、こうした高い通貨には世界的なリスクが発生した時にほかの通貨から緊急的に逃避しやすい側面もあり、リスクオフの相場状況では円が買われて円高になりやすいのです。
実需と投機によって相場は動いている
ただ、これだけでは理解し辛い動きも為替には起こることがあります。
2011年の東日本大震災後は日本自体がリスクに見舞われたにも係わらず円が急激に上昇し、75円の円高となりました。本来リスク面から考えれば円安になってもおかしくないところです。
しかし、海外のヘッジファンドは別の見方をしておりました。日本企業が災害後多くの日本円を必要として海外から資産を売って日本円に換えて自国に戻す、いわゆる「レパトリエーション」が起きるのではないかと見て、ヘッジファンドが大幅に円買いを仕掛けたことが、円高の1つの原因となっています。
このように実需の影響を受けるとともに、投機によっても相場は動くことになります。