ドル円8年サイクルとは、円安ドル高の相場がおよそ8年ごとに到来することを意味しています。
景気循環が影響
為替レートは、各国の景気に左右されます。というのも、景気が過熱してきた国では金利が引き上げられ、結果として通貨高になる傾向があるからです。
景気循環では災害などさまざまな要因でペースがずれることはあるものの、周期的に好況と不況が繰り返されます。したがって、景気循環と関連するドル円相場も、日本やアメリカの景気の浮き沈みや中央銀行の金利政策に合わせる形で変動するといえます。
また、8年サイクルでドル高がやってくるという意識がトレーダーに浸透すれば、ドル高から8年程度が経過した段階でドルの下落を予想し、ドル売り円買いをするトレーダーが増加する可能性があります。
このように、サイクルがトレーダーの心中に定着すれば、サイクルが訪れることを前提とした取引が増加し、サイクルが成立しやすくなります。
2015年ごろのドル高は当たりか
ドル円8年サイクルに基づけば、2015年ごろにドル高のピークを迎えることとされていました。
実際の為替レートを見てみると、アベノミクス効果による円安が進んだことや、FRBによる利上げ観測があったことなどから、2015年には1ドル=125円程度のドル高円安水準の為替レートが実現しました。
その後、2016年に入ると中国をはじめとする新興国経済の減速などもあってリスク回避の動きが強まり、リスクに強いとされる日本円が買われる動きが見られました。結果として円高ドル安水準に為替レートが推移しました。したがって、2015年ごろにドル高のピークがやってくるとするドル円8年サイクルは、おおむね当てはまっていたことがわかります。