ドイツ銀行とは、ドイツ最大規模の銀行です。ただし、中央銀行ではなく、あくまでも民間の金融機関です。
健全とされていた経営状態に疑問符が
ドイツ銀行は、ドイツ最大の銀行として経営が安定しているとみられていました。ところが、2016年初頭にドイツ銀行の経営に不安要素があることが明らかになりました。
世界経済全体が原油安などの影響で減速懸念を強める中、ドイツ銀行の経営不安説は市場の不安を増幅する形となりました。ドイツ銀行の経営が問題視されている背景にはいくつかの要因があります。
その中でも不確定要素が大きい要因として、デリバティヴ取引における損失が挙げられます。デリバティヴ取引では取引する商品のリスクが隠れていることがあります。
そのため、一気に思わぬ損失が発生し、経営状態が悪化する可能性が否定できません。実際、ドイツ銀行の株価は2016年に入って経営危機のニュースが広まると、大きく下落しました。
このことから、投資家がドイツ銀行に対する信頼を失いつつあることが読み取れます。
ヨーロッパ経済などに大きな影響
ドイツ銀行の経営状態が悪化し、万が一にも破たんに至れば、ドイツ経済はもとより、ヨーロッパ全体の経済に大きな悪影響が及びます。
また、ドイツ銀行の破たんに伴って連鎖的に破たんする金融機関が登場すれば、ヨーロッパ発の金融危機が発生する可能性があります。
また、日本でもドイツ銀行が発行する外債などが販売された実績があります。そのため、ドイツ銀行が破たんすればこうした外債を保有している日本人にとっても無視できない影響が出るといえます。