デノミネーションとは、自国通貨の単位を切り下げることです。デノミと略されることもあります。
物価などをよりわかりやすく表示できる
デノミネーションが行われると、物価表示などがわかりやすくなるメリットがあります。基本的に、物価は緩やかに上昇していきます。物価上昇が続けば、かつて100通貨単位で買えた品物が、1000通貨単位という値段になっていきます。
日本円を例にとって考えると、100円ショップが1万円ショップになってしまうわけです。こうなると、ゼロの数が多くなり、生活に不便が生じてしまいます。この不便を解消するためにデノミネーションが行われます。
とはいえ、現在の日本やアメリカなどでは物価上昇率がそれほど高くありません。物価が下落しているときすらあるくらいです。
そのため、デノミネーションが行われやすいのは、急激なインフレ(ハイパーインフレ)を経験した発展途上国が中心です。ハイパーインフレでは短期間で物価が100倍以上になることもあり、デノミネーションを行わないと生活に大きな不便が生じます。
2009年に北朝鮮が実施
実際にデノミネーションが実施された例としては、2009年の北朝鮮が挙げられます。
ただし、北朝鮮が実施したデノミネーションでは、一定額を超える旧通貨は北朝鮮政府に没収されるという内容でした。デノミネーションは国民生活における不便を解消する意味合いがあります。
しかし、北朝鮮でのデノミネーションは国民の財産を実質的に一部没収する内容であったことから、国民からの反発が生じました。