中央銀行とはその国の金融システムの中核をなす国の銀行といえます。
日本では日本銀行、米国では米連邦準備理事会「FRB」を中心とする連邦準備制度、英国ではイングランド銀行、ユーロ圏では欧州中央銀行「ECB」がこの責務を果たしている存在です。
もともと各国の中央銀行には紙幣の発券業務、銀行の銀行としての民間銀行統制業務、政府のための銀行業務という三つの大きな機能がありますが、最近では政策金利とコントロールし、市中に流通させる資金のコントロールにより景気を安定、成長へと導いていくことがその大きな責務となってきているのです。
したがって先進各国がほぼ毎月開催している中央銀行としての政策決定会合後の発表内容が、非常に金融マーケットに大きな影響を与えるものとなっており、発表そのものと同時にその後の総裁や議長の記者会見、ならびに数週間後に公表される議事録の内容に至るまで中央銀行の動きが、金融市場に多大なインパクトを与えるようになってきているのです。
FXの視点でみますとこうした先進各国の中央銀行による政策金利の発表を軸とした方針発表はもっとも通貨が動くチャンスともなっており、大きなイベントになってきていると言えます。
MIT人脈による金融政策
最近市場でささやかれているのは「MIT閥」が金融政策面で違いにコンセンサスを形成しているということです。
今年から「FRB」の副議長になった「スタンレー・フィッシャー」はMITの教授として教鞭をとっており、先の「FRB議長」であった「バーナンキ」も「ECB議長」の「ドラギ」もMIT時代の教え子という極めて近い関係にあります。
また「FRB議長」候補になりながら結局就任しなかった「ローレンス・サマーズ」も「フィッシャー」の教え子であり、この首脳陣がすべて「ローレンスサマーズ」の唱える「長期停滞論」を支持する立場でコンセンサスを得ているのではないかという憶測も飛び交っており、少なくとも「FRB」と「ECB」はその挙動を、かなりシンクロナイズさせようとしている気配が漂っています。
こうした「MIT人脈」に端を発する中央銀行間の政策連係も今後の金融市場では見逃せないポイントとなっているのです。