通貨の上昇や下落に大きな影響を与えるのが、その国の長期金利の利率です。
先進国である米国、欧州、日本の各国は米国の量的金融緩和に端を発する金余り状況を背景に国債が買われる状況となっており、各国ともに長期金利は軒並み低下傾向を続けています。
日本では未曾有の量的金融緩和で殆どの国債は日銀が購入しているため、市中には出回らず最低金利を維持したままの状況となっています。
米国の金利引き上げのタイミングに注目が集まる
ただ、ここへ来て各国の状況には変化が生じてきています。
欧州は今後デフレを回避するためにより一層の金融緩和を継続する方向にある一方で、米国はすでに2014年の年初からテーパリングを実施しQEの縮小を始めており、今後は利上げのタイミングが大きくクローズアップされているのです。日本は引き続き量的禁輸緩和は継続の見込みで金利の上昇は当面想定されていません。
したがって各国の中央銀行の政策によって今後長期金利の動きにもそれぞれに変化が現れることになりそうです。
株価と債権の関係性が変わりつつある
これまで金融市場では株価が上がると債券は売られ長期金利は上昇するため為替も上昇するという相関関係が形成されていました。
しかし、最近では株価が上昇しても同時に債券も買われるために、長期金利が上がらない状況が継続しております。
一時は「ソブリンリスク」が騒がれた南欧のスペインなどの債券の利回りまで、米国債と変わらないといった、かなり特異な状況が起きているほど長期金利は低下傾向にあり、今後の各国の中央銀行の具体的な政策変更とその履行タイミングに、さらに注目が集まりそうな状況となってきています。