チャイナリスクとは、中国の株式市場や不動産市場が混乱し、世界各国の投資家が巨額の損失をこうむるリスクのことです。
当初は中国の政治体制や文化が原因のリスク
チャイナリスクは従来、企業が中国に進出する際に、政治体制や文化の違いが障壁となって、スムーズにビジネスを展開できないリスクを指していました。
具体的には、政府による規制が厳しすぎて商品の販売や広告宣伝が十分に行えないことや、中国企業に発注した製品が、当初計画とは全く異なる品質であったことなどが問題として浮かび上がりました。
これらの点は今なおチャイナリスクとして残ってはいるものの、経済成長に伴って先進国の状況が把握できるにつれて、問題は緩和されつつあるといえます。
2015年の株価急落が新たなチャイナリスクとして登場
2015年に、中国の上海株は急落しました。この急落によって、上海株に多額の投資をしていた投資家は大きな損失を被りました。
中国政府は株価の急落を抑えようと、相場急変時に取引を停止するサーキットブレーカーの導入などの対策を講じましたが、株価が大幅に下落する事態を止めることはできませんでした。
また、政府が対策をとることによってかえって投資家の心理状態が不安定化し、相場下落に拍車をかけたとの見方もあります。そのため、中国に投資をする際には、株式、不動産など資産の種類に関わらず、予想外の相場急落がありえると考える必要があります。
その結果、中国への投資には、中国特有の「チャイナリスク」があると考える投資家が増加しました。