ASEANとは、東南アジアの10か国で構成される東南アジア諸国連合のことです。
当初は5か国で発足
ASEANは、現在は10か国で構成されていますが、1967年の発足当時は5か国で構成されていました。
当初の加盟国は、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピンでした。その後、石油の産出量が多いブルネイや、ベトナム戦争が終わり落ち着きを見せたベトナム、民主化が進むカンボジア、ラオス、ミャンマーが加盟して現在に至ります。
ASEAN域内でも経済発展の度合いには大きな差があるものの、工業化が進むタイで自動車の組み立てを行うのと合わせて、周辺のマレーシアやインドネシアなどで部品を生産する分業体制をとるなどの取り組みが行いやすくなっています。
1つの国だけではそれほど大きな経済規模ではない分、ASEAN各国が連携して産業の育成を図ることで、域内全体の成長につなげることが求められています。
日本や韓国、中国との連携も
ASEANは、域内の統合を推進するだけではなく、ASEANの近くに位置する日本や韓国、中国との交流を活発化させる取り組みも行っています。
具体的な取り組みとしては、ASEANに日本、韓国、中国を加えたASEAN+3として会合を開催するなどして、双方のコミュニケーションの機会を設けています。
日本としても、アジアの東端に位置する国として、中国や韓国のみならず、ASEAN諸国との貿易を活発化させることは国益につながります。東日本大震災時に日本に迅速な支援を実施したタイなど、親日国が多くある東南アジア地域との結びつきの強化が今後も期待されます。