アービトラージとは、日本語では「裁定取引」と呼ばれるものです。
これは同じ相場の商品の価格が市場の歪みから別の場所で二つの価格で売買されることが生じ、安いところで買い、高いところで売ればその差をリスクなく利益として享受できるというもので、金融の世界ではよく起こる取引といえます。
ただし、アービトラージが起きる大体の金融商品はその利益が非常に少ないため、大量の売買を伴わなければまとまった利益を得ることができないことがひとつのネックとなります。
FXでのアービトラージ
FXの世界でもこうしたアービトラージは起きていますが、個人投資家が売買してアービトラージを享受するためにはかなりの条件が揃わなければならず、いわゆる相対取引の店頭業者を二社使って差分を売買で得るのは、スプレッドの幅も異なりますし、業者自身のマージンも上乗せされることになるため、思うようには利益確保できないことが殆どです。
話題に上るわりには株の裁定取引のように確実性の保証されている売買システムにはなっていない為、簡単には利用ができない状況です。
ただ、最近の「NDD方式」による店頭FX売買ではインターバンクから提供される「スプレッド」が瞬間的にマイナスになったりゼロスプレッドになったりする業者が登場しており、スプレッド上にこうしたアービトラージ的現象を取り込んでいるケースもみられるようになってきています。
物理的にはこうした現象を捉えれば利益がでるということはできます。一般的にこれまで人類の歴史はアービトラージの歴史であったといえる程、1物2価の時代が続きましたが、インターネットの普及とネットワークで、こうした事が急激に減少傾向にあることだけは間違いない状況となっています。
FXの世界でもインターバンクが提示する価格に瞬間的に差がでることが確認されていますが、それをまとめて利益にする売買を実現するのは人間の目視の力では難しくなってきているともいえ、よりアルゴリズムに依存するものになりつつあります。