アメリカの雇用状況を表す指標のひとつです。アメリカの給与計算代行サービス、ADP社によって発表されています。特別な場合を除けば、アメリカの雇用統計の2日前に発表されることから、特に非農業者部門雇用者数(NFPとも呼ばれる)の先行指標として注目されています。
雇用統計の先行指標
アメリカの雇用統計は、月に一度の市場の大イベントであり、内容次第で株、為替などが大きく変動します。この変動を取引に利用するトレーダーも多く、各種雇用関係指標を元に公表されるアナリストの予想は大きな注目を集めます。このADP雇用統計はそのひとつであり、各社アナリストの予想を平均した数値との差によっては、これ自体が相場を動かす力をもっています。ADP雇用統計の他には、週間新規失業保険申請件数や、チャレンジャー人員削減などが雇用統計の先行指標として知られています。
雇用統計はアナリスト泣かせ
ただし、アナリストの知識を総動員しても、アメリカの雇用統計を正確に予測するのは困難です。ADP雇用統計と雇用統計が逆の方向性を示すこともよくあり、かえって相場の変動幅を大きくしてしまうことがあります。ADP雇用統計自体が2006年開始と新しく、集計方法が何度か変更になっているということもあります。しかしそれだけではなく、発表された雇用統計の数字が、翌月、翌々月に大幅修正されることも珍しくないため、予測を一層難しくしているのです。