基本的にFXを含むCFDでは相場が大きく動くときにそのトレンドに乗って利益を得る。
実際にトレンドが出たかどうか、そのトレンドは短期的なものなのか、中期的なものなのか、長期的なものなのかは厳密には事前には分からないため、トレンドが発生したと思ったときに発生した方向へ向けてポジションを仕掛ける。
このような場合は基本的に「利食いは厚く、損切り浅く」の損小利大の姿勢で臨むことになる。
しかしFX相場の8割がレンジ相場ともいわれる中、その8割にあたるレンジ相場をどう見なすかは非常に難しい問題でもある。8割のレンジ相場をうまく生かすことが出来るのであれば、それはそれで収益チャンスをつかむことになるのではないだろうか。
FX相場には様々な性格がある。「短期」「中期」「長期」それぞれにおける「ボラティリティ」「トレンド」などがそれにあたる。
FXのレンジ手法の概要
手法名 | FXのレンジ相場での取引手法 | ||
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開発者 | しゅうすけ さん | ||
勝てる? | 勝てる | ||
取引スタイル | デイトレード、スイングトレード | ||
時間足 | 15分足、30分足、1時間足、4時間足、日足 | ||
通貨ペア | 豪ドル円、NZドル円 | ||
分析手法 | RSI、トレンドライン、ファンダメンタルズ、ATR | ||
その他選択項目 | 低レバレッジ、逆張り | ||
取引市場 | オセアニア市場、東京市場、欧州市場、NY市場 | ポジション保有時間 | 12時間 |
FX業者 | -DMM.com証券 | 月間取引頻度 | 20回 |
エントリー注文 | 指値 | 決済注文 | 指値、逆指値 |
勝率 | 70% | 損益レシオ | R-1 |
平均利益 | +200pips | 平均損失 | -200pips |
相場のボラティリティと価格の推移
FX相場には、規則性が高い低いといった根本的な問題もある。規則性の全くない状態が仮にあったとすると、そこではどのようなFX手法を用いても利益を得る余地はないということになる。
もしそのような規則性のないFX相場があるとすれば、そこには見慣れたチャートのようなものは恐らく見つけ出せず、どのような動き方もあり得るような不思議なチャートになるだろう。
下の図に示したのは、いわゆるホワイトノイズの波形である。
最もFXXでも株価でも、年単位で相場を見るとこのホワイトノイズのように見えることはある。
下に示した図は日経平均株価の変動率(ボラティリティ)を縦軸に、時間を横軸に取ったものである。
変動率の移り変わり自体に規則性はなく、いつ突発的にボラティリティが上がったとしても不思議ではないし、高いボラティリティが急に下がることもある。
ただこれは、ボラティリティに関することで日経平均株価そのものについてのグラフではない。
下に1991年から2004年までの12年間の日経平均株価の推移を示す。
これを見てどう思うかは人それぞれだろう。ただ重要なのは株価が上がっていないとか下がっているということではない。
FXを含むCFD(差額決済取引:実際の現物の受け渡しを伴わない、差額のみでの取引)を手がける側としてはこの先上がるか下がるか、どの程度上がり下がりするのか、といったことだろう。
もっともこのような年単位での気長なトレードが出来る人は最初からFXに興味は持たないだろう。彼らは単体で持っていて長期で上がりそうな資産に投資をすると考えるのが自然である。
FXを含むCFDをする人間として関心があるのは、もう少し短い間隔の、週足、日足、時間足、30分、15分足といった細かなチャートから、その先どのように動くのかということを予測することだ。
価格が動く2つの要素
FXでいうと主に、以下2つの要素で動く。
- 1.需給から来る要因
- 2.2つの国の間の富の差を表すような指標が発表されたときなど
前者は「テクニカル分析」後者は「ファンダメンタルズ分析」などとも呼ばれる。
この2つは、決して相反するものではなく、短期的にはテクニカルよりに、長期的にはファンダメンタルズよりに動く。もっとも、短期にファンダメンタルズで動くこともあり、一概には言えない。
先ほどの日経平均株価でいうと、変動率に規則性がなく、急に突発的に変動率が上がることもあれば、急に下がることもあるといったのは、結局市場を大きく揺さぶるような事件やニュース(指標発表を含む)があるからであり、それらを事前に予知することは人間には無理である。
その上で、今後レンジ相場がしばらく続くと仮定して、そのレンジ相場の中で収益を得ようとした場合どうしたらいいか、以下にその概要をまとめる。
FXのレンジ相場での取引手法
- 1.オシレーター計の指標を複数組み合わせて、売られすぎ買われすぎを判断しここ数日間の値幅を測り、これから数日間どの程度の値幅で動くかの予想を立てる。
- 2.この予想を元にエントリーポイント、エクジットポイントを設定する。値幅からして十分に到達しうるエントリーポイントとエグジットポイントを置くべきである。
- 3.FXのレンジ相場内では利大損小は実現できない。それでもレンジ相場で収益を上げることを考えるならば、利食いと損切りの比率は1:1までとする。
- 4.FXののレンジ相場内での収益は、利大損小ではなく勝率を上げることにある。ただ前述のようにリスク管理は徹底するべきだ。一回一回の収益は少なくても、勝率と回数を多くすることで収益を得られるだろう。
- 5.レンジ相場からトレンド相場へ移行したか否かの判断については非常に注意深くなくてはならない。特にFXのレンジ相場では得られる収益が少ないため過剰なレバレッジをかけてしまい、トレンド相場への移行期にその収益の全てを失ってしまうという失敗が往々にして見られる。
- 6.リスクヘッジとしてトレンドフォロー型のFX手法も組み合わせることも役に立つかも知れない。このさい、一時期両建てになり、トレンド相場へ移行したと判断した際にレンジフォローで立てたポジションを損切りする事になるがトレンド相場に伴う損切りに十分絶えられる程度のレバレッジでなくてはいけない。
デイトレードの取引例
AUD/JPY15分足で、RSI(14)のオシレーターを見て、基準値を下抜けた際と上抜けた際にそれぞれ売り買いを仕掛け、ストップロスを65pips、利食いを90pips。反対シグナルが出た場合は決済の上、逆の注文を仕掛ける。
以上、レンジ相場を収益チャンスと見なす際の注意事項を書いた。なお、ボラティリティが下がってレンジ相場になっていることは日足のATRオシレーターで確認する。
※豪ドル円15分足 取引イメージ
※レンジ相場の確認は、日足ATRを使う
このFX手法のまとめ
FX相場というものは元来どのようなものでも、適正な価格(フェアバリュー)からかけ離れたものを売り買いし、その後のフェアバリューへの収斂(しゅうれん)を収益機会ととらえるものであるので、トレンドフォローでもレンジフォローでも大局的な見方をすれば同じものであるということも出来よう。
ただこの際に、ボラティリティの大小によってレバレッジをあまり変えすぎるのはよくない。
世の中往々にして思っていた方向とは逆の方向へ行くものだ。いくら稼いでもその利益を一瞬で吹き飛ばすことのないよう十分用心したい。