「あっ、やっぱりFXって怖いものなのか」と思いつつ、恐る恐るそのサイトを覗くとその悲惨な体験のあと、それを回避する方法や成功する心構えが書かれていてついつい読まされます。
なんとなく複雑な気分に浸りつつも、その後に続く「1万円が100万円になった」などの数々の成功例などを見ていくうちに「自分も小額からならやってみても面白そうだな」という流れになり、無意識の内に紹介されているFX会社の長短所など比較し始めて「何となくやれそうだ。」「でも難しいかな?」「儲かるという噂もよく耳にするな。」などと心が揺れるのです。
冒頭からFXで夢を実現しようとしている人に水を浴びせるようなことを書いてしまいました。この先も少しFXとは離れた話になりますが我慢して続きを読んでください。たぶんFXを違った視点で捉えることができると思います。それからです。
「勝てないFX」とあなたが真正面で向き合えるのか、数多ある「FX破産」の記事通りになってしまうのか、それとも、FXをお宝に変える第一歩を踏み出すことができるのか、ご理解いただけると思います。
FXは勝てない?いやとんでもない、絶対失敗しない方法がある
今までの話とは打って変わります。「絶対にFXで失敗しない方法。」まず、そんなものあるはずがないと皆が思うでしょう。しかし、確かにその方法は存在します。
「挑戦しなければいいのです。挑戦しなければ失敗しようがない。」
FXで失敗しない唯一の方法、挑戦しないこと、FXなんて怪物はあなたの世界に存在しないものとして無視するべきです。
さて、その一方でFX成功者たちに唯一共通している点を挙げます。
それは、「たくさんの失敗をしていること」です。何だそれ?真逆じゃないかと思われるかもしれませんが、これも事実です。「勝てないFX」に挑戦するわけですから、山ほど失敗するのも当然の話です。ただ彼らは失敗した原因の検証を怠りません。失敗は「未来への寄付、あるいは自己投資」くらいの感覚なのです。
こんな話もあります、「3億円宝くじが当たったら、あなたはどうしますか?」とのアンケートに対し大方の人は「遊んで暮らす、豪邸を建てる」などの回答だったのですが、すでに成功を収めている起業家数人の答えは「当然、次の事業に投資する、当たり前だろ」だったそうです。
つまり「成功するためには挑戦のみ」、「失敗を恐れるなら挑戦しない」この二者択一。このエピソードをFXに改めて当てはめてみると、
① 【成功したい】 → 【FXは勝てそうにない】 → 【挑戦しなければ失敗もない】 → 【そもそもFXと関わらなければいいのだ】止める。
② 【金持ちになりたい、FXで成功したい】 → 【でもFXで失敗はいやだ。破産なんてもってのほかだ】 → 【でも気になるな。ひとまずFXの世界を覗いてみよう。】
③ 【成功したい】 → 【FXは勝てそうにない】 → 【でも挑戦しないと先に進めない、成功者たちもたくさん失敗しているらしい】 → 【多少の失敗はやむをえない、やってみよう、ただ成功につながる失敗の質を見極めてよく理解しよう】 → 【検証をやってみよう、勉強しよう。それしかない。】
ということになります。「勝てないFX」だが「それでも挑戦するしかない」やっとそんな流れに入りました。つまり、①以外は見込み充分です。ここでFXについてもう一度、考察してみます。
FXは勝てないというが、コインの表裏で50%の勝率?
為替相場はどんな動きをするのでしょうか?「上がる、下がる、レンジ」実はこれだけです。
ただレンジでも上下に微動しています。たとえばその日のドル円を上がるか、下がるか、をコインの表裏で決めて毎回同額、エントリー時間、決済時間を定めてやれば、確率的に50%の勝率はキープできるのではないか?これは誰もが思う素朴な疑問です。50%の勝率であれば中々のものですよね。
試しに私がやってみるとデモ口座では「約43%の勝率」、リアル口座では「38%の勝率」でした。不思議だと思いませんか?実はこの方法にはある反省点があり、リアル口座の場合、つい途中から「ストップを設定」してしまったのです。
もともと丁か半の博打みたいなやり方ですから、1つ1つのトレードに対して不安が付きまとい、夜中寝つきが悪く起きたタイミングで大幅な損失になっていた時など思わすストップを追加し、結果さらに負けを大きくしてしまいました。実験なのにも関わらず反則です。でもやってしまったのです。
もし損切りを設定していなければ、損失はもう少し抑えられた気がします。
ただその反面、こういう解釈もできます。コインの表裏だけで判断して「43%の勝率」、これにテクニカルやファンダメンタルズ分析、有益な情報を加えさらにチャート検証までこなしたとしたら、本当に「FXは勝てない投資なのか?」と改めて思ったのです。
FXで勝てない理由。ノーベル賞経済学者らが作った投資組織でも倒産した
こんな見出しの記事を読み所詮FXは勝てないものだと暗澹としたことがありました。
それでもFXを始め、関心を持ちつつ有名な経済アナリストたちの相場予想など(たとえば英国選挙、米国大統領選予想と相場変動)を観察し、あれっ?と首を捻った記憶があります。つまり専門家ですら間違う世界だから、もしやチャンスがあるのでは?全く逆転の発想です。
最近AIを利用した投資もあるようですが、成果を出しているという話は聞いていません。だからこそFXは面白い、そんな風に思い始めてから徐々に勝てるようになりました。FXは勝てないもの、負けがつきものそこに気づいて始めてスタートできたのです。
【LTCM】
ちなみに、例にあげた投資組織は略称LTCMといい、このノーベル賞学者を擁した金融機関の破綻は社会的に大きな問題になり、世界中に衝撃を与えました。
原因はロシアで発生した国際の債権不履行でした。経営陣に名を連ねたマートンとショールズは、ノーベル賞で一躍有名になってからほんの1年足らずで今度は衝撃的な倒産劇で悪名を轟かせたわけです。
リスク管理に携わる金融市場関係者はこの苦い経験から、数学モデルより常識と過去データに頼る歴史検証などを重視するようになったそうです。。
FXで勝てない人は木の枝を見て森を見ない
チャートには時間足があり、それぞれはそれぞれの集合体なのにまったく違った様相を呈しています。
一つのトレード手法として5分足、30分足、2時間足、4時間足の平均足を同時に表示し、ボリンジャーバンドと平均足の色の揃いでエントリーする方法で、そこそこ利益を出したことがあります。
つまりトレンドの流れを大きな時間足のつまり「森」を見て、5分の足(木の枝」でエントリーするやり方です。そのとき何気なく日足、月足まで表示して数日眺めていてふと感じたことがあります。
「今更なんだ?」と思われるかもしれませんが、チャートつまり相場は波のようなものなんだなあと妙に感心したのです。
ここ一年に注目してみますと、平成28年12月頃、トランプ景気でドル円は118.60辺りまで値をつけ、その後、上は115.50~114.50、下は108.20の間で波の大きさに多少の差こそあれこの近辺を揺れているという事実。
もし資金的に余裕があれば108台の下辺りで「買い」あるいは114上近辺で「売り」でエントリーしておけば、よっぽどの有事やリーマンショックのような極端な出来事でも無ければいずれはFXで勝てるものじゃないのか?
単純にそう思いました。ただこの考え方にも一つポイントがあり、それを許容できるだけの「心の余裕」と長期ポジションを続けられる「忍耐力と資金力」が必要なのは言うまでもありません。
また、この手法は様々な指南書で必ず指摘されている「損切り」を置かない方法ですので、かなりの覚悟は必要ですし危険極まりないことに違いはありません。
ただ凪が続いてもいつか波は必ず上下しますし、月足、週足、日足と視点をずらしていくとその振れ幅は徐々に狭まり上下の売買ポイントは確実性を増していくように思います。
FXで勝てない人は、都合よく金銭勘定する
友人に自称パチプロがいました。かなりの確率で勝ち、結構優雅な生活を送っていたように思います。
彼は勝つたびに勝利金を遊興費や生活費にあてて残金をすべて定期貯金にしていたようですが、ある日まとまった金が必要になり改めて通帳を眺めてみると、自分が思っていた半分しか残金がなくて驚いたと言ってました。
つまり「勝ったときの印象は自分に都合よく映り、負けたときの不都合な記憶の印象は薄くなり」どんぶり勘定だった彼に厳しい現実を突きつけたのです。
その後、反省した彼は勝負を表に記入し帳簿をつけ始めたそうですが、ずっと勝率85%以上と思っていたはずが実は70%にも満たっていなかったことに気づいたそうです。資金管理の点で言えばFXも全く同じ錯覚を起こしがちになるのです。
FXで勝つためには心の備えが必要
もし100万円の資金があり、その半分の50万円でエントリーするとします。
その結果、トレンドに乗って10万円(エントリーした金額の20%の率で勝敗が決まると仮定。負けたらマイナス10万円)勝ったとします。資金は110万円になり調子に乗って、また半分の55万円でエントリー、このやり方で5割の勝率が続いたとします。その結果は果たしてどうなるでしょうか?
実はこの流れの通りであっても資金は徐々に減っていくのです。普通に50%でもそうなるのですが、これに「FXで勝てない」原因となる強力な負け要素が加わります。
それが「メンタル」です。勝てば人は気分がよくなります。つい気が大きくなり、エントリーの金額を大きくしてしまいがちです。
逆の場合、資金が少なくなったわけですからエントリーする金額を少なくして慎重に売買しなければならないはずなのに、負けを取り戻そうとついレバレッジを上げたりエントリーの額を嵩上げしてしまうのです。
FXで勝てないのは、思った反対に動くものだから
ある有名なFXトレーダーがFXを始めた頃に満を持してエントリーした途端、相場が急変した結果大負けし、その後もエントリーした反対方向ばかり相場が動き、その方は疑心暗鬼になり「自分の部屋に盗聴器や盗撮カメラが仕込まれていて巨大なFX集団が自分を嵌めようとしていると思った」と書いた記事を読んで実のところ笑えませんでした。
誰しも同じような経験があるはずだからです。私も例外でなく、上記の経験をしてからは、しばらくトレードをやめて指南書などで勉強し直しました。
そして「相場は思ったようにならない、相場は投機筋と実需筋の微妙なバランスと世界中の投資家たちの心(欲望、政策、戦略)の動きなのだ。チャートの裏に潜む勝ち組だけが知っているタイミングや素人が損切りする心理を彼らは冷徹かつ巧妙に狙っている」いう疑念が沸き、同時にそんなFX猛者が相手なんだ、やっぱり「FXは勝てない」と愕然としました。
その一方で副業から始めて、FXで充分稼いでいる人も間違いなく存在すると思い直しました。改めて彼らの経験談を読み、皆がやはり多くの失敗を繰り返していることを知りました。
彼らが口をそろえるキーワード、結局、初心者向けの指南書に必ずある「検証、メンタル、資金管理」そこに辿り着いたのです。ただ痛みも喜びも経験した後でしたので実にしっくりと納得できました。
改めてこれは生半可じゃダメだ、準備し、自分のFXスタイルを検証しないといけない、まずその心構えが必要だと思いました。
ただし皆同じチャートを見ているのですから、すべてのお宝のヒントは間違いなく目の前にある、そう考え直すとあんなに裏切ってばかりいたチャートすらも身近に感じられたのです。
FX勝てない人が自然とやっている行為8つ
ここで、FXで勝てない人の特徴や癖を並べてみます。
ポジポジドカン病にかかっている。
トレードしたい気持ちが勝り無駄にポジションを持ち過ぎてつい負けが込み、一発逆転を狙い危険を省みなかった結果、貯めた資金を一度でドカンと失う病気のこと。
初心者は大体かかりますが早期治療か必要です。この病気がさらに悪化した人をトレード中毒と呼びます。負けるためにFXする重症患者です。
こんな人に限って負けた理由を実に理路整然と解説します。大概が言い訳です。まず反省と敗因検証が大切なのに。
エントリーチャンスを待てない。
トレンドの7割はレンジ、これはチャートの検証をすれば一目瞭然です。相場が動くゴールデンタイムしかチャンスはありません。ただ個人トレーダーはその点ある意味恵まれています。機関投資家や政府系の投資機関など会社の営業成績のようにノルマがあります。
「今月あといくら足りない」となるためレンジが続く場面でも「無理な売買をするしかない」わけです。
そのぶん、個人でFX売買している人は好きなタイミングでエントリーでき、ここ一番の”大きな波”を待つことも可能です。ところが中々それができない。
FXに関わっているすべての時間を「パートの時間給のように稼ぎに変えたい」との心理が働くからでしょう。ただ負けたら時間給どころでは無くなるはずです。FXの極意は辛抱強く待つ。迷ったら手を出さない、これにつきます。
ルールを持たない。
「勝つための絶対手法があります、それを継続して下さい。間違いなく勝ち続けられます。」
この文章は3箇所間違ってます。まず絶対手法はないこと、仮にあったとしてもその相場は常に変化していて手法に修正を加える必要があること、そもそも勝ち続けるなんてあり得ないこと。かといって勘違いも困ります。
「そうか、絶対勝つ方法はないんだ。それならいっそ俺流の気分トレードで挑もう。なんせ俺は勘がいいしルールに縛られることが大嫌いな性質だから」
この発言者、「負けるための絶対手法」を手に入れたも同然。つまりルールも検証も備えも持たないFX参入は私服でエベレスト登頂をめざすようなものです。
根拠も実績もないのに自信がある。
気分でFXをはじめ、ビギナーズラックで大勝した人ほど早期FX脱退者になっている気がします。パチプロの例でも分かるように偶然大勝した体験は人を勘違いさせます。
「自分は運がいいからFXしようかな?」と、もし友人から相談を受けたら、
「君は確かに運がいいから、始める前に1月間でいいから優れたFXサイトや指南書をじっくり眺めてみろよ、きっと君の運のよさをさらに輝かせるお宝テクニカル手法や情報、検証方法にたどり着くはずだ。なんせ君は運がいいのだから」と答えます。
この言葉を聞き入れられる相手なら本当に運がいいです。単なる自信だけで勝てるほどFXは甘くありません。
負け分を取り戻したい。
負けた実感は人を反省させる前に焦らせます。焦った状態で突き進むとさらに焦ることになります。負けたらひとまずトレードを止め、冷静になりまずその原因の検証です。
前の章でも書きましたが、たくさんの失敗をした人はその数倍、失敗原因を検証しています。資金口座の20パーセントを失ったらその月は一旦トレードを中止すると取り決めしている有名トレーダーもいます。
FX馬鹿になっている。
「FXに人生を賭けるぞ」いいと思います。私も勢い込んでFXを始めた頃テレビの天気予報の温度変化表や新聞紙に出ていた秋刀魚の漁獲高推移表など見て、チャートと二重写しになったことがよくありました。その頃の成績といえばあまり褒められらものでなかったです。
何事ものめり込むと前かがみになり視野が狭まります。もう少しFXを広い視点で眺めることが大切です。「森と木」の話にも通じます。
損切り移動、ナンピン、両建てについて実はよく知らない。
多くの指南書やFXサイトでも「FX破産、FX勝てない、FX失敗」などの記事に必ず出てくるやってはいけない手法の筆頭です。
ただその手法が反則でも違法でもない(FX会社によってはできないケースもあります)のでいまだ存続しているわけで、中には稀にその手法で難を逃れたなんて例も紹介されています。
もちろん、
「失敗は成功のもと」だからどんどん試して下さいとは言いませんが、そのリスク、メリットもひとまず検証する必要はあると思います。指南書だけの情報を咀嚼しないまま鵜呑みするのは、FXそのものを知らないことと同じです。
勝って調子に乗る。
また丁か半かの例えです。50万円で始めた手持ち資金が運よく100万円になりました。よし今度は一発勝負100万円で200万円を目指そう。あっ、400万円になった。運がいい。また800万円を目指そう。
ここまで読んですでに馬鹿なやつだなと思われたでしょうが、実は内容の如何は別にしてFXでも似たようなことがよくあります。
資金が増えるとつい気が大きくなり、比例して大きな利益を追うようになります。ただこの例の結末は確実に0円になります。思い込みは厳禁ですし引き際も肝心です。
「FXで勝てない人」から脱却する為には気づくこと。勝てる確率を上げる方法を見つけること
「FXは挑戦する価値のあるもの」ですが、最後は「自分」で考え「自ら」検証をこなし手法を研究し「自分」のスタイルにあったトレード方法をあなた「自身」が試みるしか手はありません。まずこの文章のまま「自分」が大切なキーワードです。
さらにまとめますと、
1.チャートの長い足から短い足の繰り返しの検証、木も林も森も見る広い視野を持つこと
2.失敗も糧にするぐらいの余裕あるトレード方法と資金管理が必要
3.自分に都合のいい思い込みは厳禁。大体「都合」は逆になります。そもそも相場は期待を裏切るもの、負けがつきものだと心得ること
本記事の冒頭で指摘した最重要なキーワードの前に、今までの記事の要所に必ず出てくる言葉を並べますと、「複雑な気分、心が揺れる、心理的な絶望、不安、心の余裕、忍耐力、疑心暗鬼、焦り、辛抱、思い込み、冷静」などなど。
つまりメンタルの問題に行き着くのです。冒頭で指摘した理由の答えはまさにこれらを左右する「メンタル」です。テクニカルやファンダメンタルズ分析も大切ですが、まず「メンタルの強化」が重要です。
そもそも「FXは勝てない、だからこそあなたがやるべき」こんな無責任な記事のタイトルに目をつけ読もうと思ったあなたのそのメンタル(ある意味楽天性)こそ重要です。
もし負けが混んだり、疑心暗鬼な人でしたら「FXは勝てない」この冒頭の文字を見ただけで「もう嫌」とまずスルーするでしょうし、「あなたがやるべき」の文字に「僕なんかに出来るはずない」と尻込みし、後に続かなかったでしょうから。
実はこの記事の中には「マイナス」と「プラス」の心理が混在となっています。「プラス」の記事を前向きに捉え「マイナス」の内容を自分の反省や検証のための材料と捉えられたらしめたものです。
そして、「FXで勝てない人が自然とやっている行為」の中で一つでも思い当たること、気づくことがありましたら幸いです。皆もたくさん失敗している、だからといって一息付くのではなく、自らの失敗の反省から検証し、勝てる方法を色々試す価値は充分あります。
検証すれば必ずFXの勝率は上がります。同時に何度も出てきた「FXには負けがつきもの」この言葉の意味を理解でき、上手な負け方のコツが分かります。そしてその先に必ずFXのお宝が眠っています。
いや、もう発見しているかもしれません。繰り返しますがまず挑戦しなければお宝に手は届きません。