FXは少額で、元出の何倍もの取引が可能です。
しかし、FX会社に預けている、証拠金(自己資金)以上の損失を受ける事はあるのでしょうか。
例えば、100万の資金で取引を始めて、何らかの原因で100万円以上の損失をすることがあるのか?
ここでは、FXの影の部分にスポットを当ててみたいと思います。
マージンコールとは
FXには「レバレッジ」というものが存在し、国内のFX口座では、実際に預け入れた証拠金の最大25倍までの取引を行う事が出来ます。
レバレッジを高く設定して取引が成功した時には大きな利益が見込めるのですが、その反面リスクも非常に大きくなります。そこで、取引会社は「マージンコール」というシステムを導入し、証拠金より大きな損失が出ないようにしているのです。
例えば、100万円をFX会社に預けている状態で、70万円の含み損になった時に、
FX会社からメールで、「このままでは資金がなくなってしまいますよ」という旨の連絡が入ります。これがマージンコールです。
マージンコールが掛かる基準はFX取引業者によって違ってきます。
強制ロスカットの恐怖
強制ロスカットというのは、FX会社の口座に預け入れてある証拠金残高が一定の割合を下回ってしまった際に、証拠金以上の損失を出さないように強制的に売り、もしくは買いといった決済をする事を指します。本来行われてほしくはない強制ロスカットですが、損失による傷跡を大きくしない為には必要であるといえます。
不確実性下における意思決定モデルの一つで、プロスペクト理論というものがあります。
人間というのは「損切りが出来ない脳」になっていると言われております。
例えば、100万円の資金で取引を始め、50万円の含み損になった。この段階で50万円の損切りを出来る人はなかなかいません。「必ずレートは元に戻る」という自分勝手な思い込みが、50万円を失うどころか、最終的には全ての資金を失うことにつながります。
FX会社では、この人間の典型的な行動を制御するために、「強制ロスカット」のルールを適用しているのです。強制ロスカットは、レバレッジを低く設定して取引をする事で防ぐ事が可能となります。また、資金の50%の含み損になる前に、損切りを素早く行い、それを徹底するのが重要です。
突発的な値動きにより、借金を背負ってしまった人も
FX取引において、突発的な値下がりなどは決して起こりえない事ではありません。
証拠金以上の損失を被らないよう安全装置の役割をするロスカットですが、時にシステム障害であったり、指標発表による突発的な値動きにより、本来ロスカットするべきところをロスカットされ無いという事もあります。
こうした際には時に大きな借金を抱えてしまう事もあるので注意が必要です。また、土日は取引時間外なので、その間に重要なニュースがあり、月曜日に大きな値動きをした際にロスカットが発動せず、気が付けば大きな借金を背負ってしまった、という話も現実にあります。
どちらも、レバレッジを低く設定する、もしくはレバレッジを掛けない、または損切りを徹底する、週のポジション跨ぎをしないなど、対処をする事が可能です。
早めに損切りすれば、マージンコールも強制ロスカットも食らう事はない
マージンコールや強制ロスカットはFXトレーダーにとって非常に怖い事です。しかし、マージンコールも強制ロスカットも、先にお伝えしている通り、早めに損切りをしていく事で対処できます。
損切りをするタイミングは人によって違うと思いますが、基本的には予想と反対に相場が動いた時には、出来るだけ早く損切りをしたほうが良いでしょう。「まだいける。」と淡い希望を抱きたくなるのは分かります。それが、人間の感情です。
しかし、そのままどんどん相場が下がって、最終的にマージンコール、強制ロスカットとなれば目も当てられません。そこは我慢して、機械的にストップロス注文するようにしましょう。それが、相場で生き残っていく為の賢い方法です。