おはようございます。注目のフィラデルフィア連銀指数がコンセンサス8.0の予測が実際は、16.5と大きな数字になりました。今回はその数字の解説を行いたいと思います。
フィラデルフィア連銀指数
上記のようにフィラデルフィア連銀指数は、昨年の5月に30台を叩きだしピークを迎えています。これは経営者へのアンケート調査であり、去年の数字をベースにした指数ではないということです。
つまり、経済指標にありがちな、去年よりも、先月よりも景気が良いとか悪いという数字ではなく、その景気への評価そのものになる訳です。以下の解説は、個人的にはあまり自信はありませんが、実際にその通りになってしまっているので不思議です。
今回、4月が8.5、で今月は16.5だった訳ですから、51パーセント増えたわけです。しかもコンセンサスが8.0だった訳ですからこちらも同様に50パーセント以上の増加だった訳です。
50パーセント以上増えている訳ですから、市場に対するインパクトは甚大になる訳で、株価やドルの価値を押し上げるのは予期できることです。しかし、実際に株やドルを50パーセント引き上げるのかといえば、そんなことはあり得ない訳です。
去年が32で今年は、16.5ですから、こちらは48パーセント減になります。つまり、前年と先月を総合的に判断した場合、フィラデルフィアの総合的な評価というのは変わらないということになります。
その差が1パーセントなのですから、NYダウの本日の上げ幅、214ドルは約1パーセントになりますのでほぼ一致します。一方のドル円はきのうよりも0.25パーセントの上昇です。
ドルが約1パーセント上昇したのであれば、円の上昇は、0.25パーセントの下落をしたことになります。実際に円インデックスをみると0.26パーセントの下落となっています。
このように、経済指標をきちんと分析をすれば、マーケットの評価というのは自然とできてくるものなのです。しかし、フィラデルフィアが前年比較で、前年が32、今年が16.5という場合、通常の経済指標であれば、去年よりも今年は上昇をしないということになりますが、実際の値段は、去年よりも上昇をしているということになります。
この意味は、アメリカ経済は去年よりも成長しているのだから、去年よりも株価が高くなるのは当然のことです。つまり去年の株価よりも、50パーセント株価は高くなるよ、という意味になりますが、さすがに50パーセント高くなることはないので、前回でもフィラデルフィアを解説したように、5パーセントと仮定すればいいだけの話です。
去年のNYダウ5月末の数字は24400ドルですのでこれに1.05を掛け合わせると25620ドルになります。本日の引けが25860ドルですので、もう、目標値を抜いてしまっていることになります。
これをどう評価するかの問題になります。テクニカル的にみれば、ダウは戻りいっぱいのように見えるのが普通の感覚です。です、と言いきりましたが、私の感覚では、という意味です。
この見方が本当に正しいのかどうかはわかりませんが、要するにきちんと分析をすれば、マーケットはファンダメンタルズ分析の通りにしか動かない、ということです。たとえばイギリスなどは前回、4/25からの実効為替レート指数が連休中、一番上昇をしていました。そして二番目は日本だった訳です。
この通貨ペアは上位1位2位のポンド円になる訳ですから、どちらも同じ上昇率だった場合は、ポンド円は動かなくなる。
それどころか、少し下がり気味なのはポンドの実効為替レートの上昇率が、日本に追い越されたからこのような状態になっていると想像ができます。
この場合、FTSEをもっている場合は、パッチするか、利食いをするかの問題に直面をするということです。このまま続落するようであれば、買い玉に対して何等かの対処をしなければいけません。
トルコ円は日本が2位の上昇で、トルコは上昇率はビリだったので上がって当然のことになります。
これをみてみなさんはどう思われるのか、ということです。この場合、トルコの上昇は円の実効為替レートの上昇が焦点であり、トルコは下落したままだから、トルコ円は上昇をしたのです。
つまり本来ならトルコそのものが上昇をしたのであれば喜んで買えるわけですが、実際は下落している訳ですよね。じゃ、この上昇は本物なのか、ということだけですよね。
(この記事を書いた人:角野 實)