おはようございます。きょうは雇用統計になります。コンセンサスは、18万人になります。この数字が大きいか少ないのかはわかりません。ただ、先日も指摘したように問題は賃金になると思います。
先月は前年比で3.2、今月のコンセンサスは3.3になります。この数字の多寡がポイントになると思います。
アメリカの実行為替レート
4月の中旬から大きくドルの絶対値が上昇をしています。これは、4月の中旬にかなり良い経済指標がアメリカから発表をされたからではありません。
この根拠は去年の数字が良かったので、そのまま上昇をしただけの話です。特段、アメリカは企業や個人などで良い数字が出たわけではないのですが、去年をベースとして実行為替レートは決定されますので上昇しただけの話です。
チャートでは、なんだかアメリカドルは、かなり良いように思えますが、特段、何の材料もない、ということです。現実的に、GDPが予想以上に悪いということで月末には売られています。
ほかのアメリカの同盟国、経済の結びつきの強い国
アメリカが上昇したら、日本も上昇というかたちをとっています。これではドル÷円の計算式に於いてはドル円が動きようもないということが確認できます。現時点では、アメリカの成長が日本よりも良いということが確認できます。
FXにはほとんど関係がないのですが、サウジの実行為替レートは、アメリカの同盟国になりますので、大きく、アメリカと同時期に上昇をしています。
サウジは、ご存知のように去年の年末にトルコでジャーナリストのカショギ氏殺害事件を起こしたことから、世界各国から経済制裁を受けました。しかし、アメリカの上昇に伴い、一気に上昇をしています。これで、サウジ発のニュースが最近、増えたことに説明がつきます。
おそらく4月末からアメリカの同盟国に対してのイラン制裁の発動がカギになっているのだと思います。イラン制裁が実行をされた場合、サウジの重油に需要が向くことが、その理由になると思われます。
ただし、サウジが本当に世界の投資家の言うようにこれから将来が展望できるのか、と言われると私は非常に懐疑的な立場にいます。
今回の世界経済調整の主犯と思われる中国になります。年初から絶対値は上昇しており、4月末まで上昇をしています。注目すべきは、アメリカが大きく上昇したときに中国も上昇をしているということです。
ここの材料は、中国の貿易収支が大きくプラスになったことに起因をしていると思います。
実行為替レートは貿易量によって決定されますのでその関係性が深い、日本、アメリカの実行為替レートが大きく上昇をするという意味がわかると思います。つまり、貿易においての中国の存在感はすごい、ということになります。
これが中国の貿易収支になりますが、4/12に発表された貿易収支が大幅に黒字に回復したことが大きかったようです。
ダメダメな国々
上記をみれば明らかですが、ドイツとユーロの実行為替レートは極めて相似になっていることがわかると思います。中国の貿易収支が大幅に改善したときにはアメリカ同様に、大きく上伸していることが確認できますが、トレンドの転換を確認するほどではありません。
ともかく、ドイツやユーロの底打ち確認はテクニカル的には確認できないことになります。
トルコは、2月からずっと下がってきましたが、ここにきてその下げ足が鈍ってきていると考えてもよいでしょう。ここからは去年、エルドアン大統領が不規則発言をした季節に入っていきます。
去年のこの時期から9月までトルコは危機的状況に追い込まれました。その前年比に対してナンボ、良くなるかの問題です。私の個人分析の結果は、大してよくならないな、という感想です。
となると、もう一段安を警戒しなければいけません。対立しているサウジが好調なのと対照的です。
オセアニア経済も中国経済に対しての依存割合が大きいのですが、中国の貿易収支が改善をしても、まったく反応をしていません。
つまり、構造的な問題が存在するということができ、テロなどの不幸な事件もありますが、かなり警戒が必要ということができます。
大きくみていくと
世界総合PMIは先月に比べわずかな値ですが減少をしています。ただし、50は維持をしていますので、好景気は好景気なのでしょう(発表は50.3になります)。こうやってみていくと世界経済の二極化が進行をしているのが確認をできます。
中国経済とつながりの強いアメリカ、日本が回復過程に入っているのとは対照的にユーロ、ドイツ、オセアニア、トルコなどはまるでダメな状態です。クロスで考えると好調な国と、調子のよろしくない通貨ペアが儲かるのは鉄則になると思います。
(この記事を書いた人:角野 實)