読み込み中...おはようございます。日本銀行の金融政策決定会合が発表されました。何も動かないと思われていましたが、サプライズの金融緩和を少なくても20年春まで続けると発表しました。今回は、その解説を行いたいと思います。
この発表はサプライズ
まず、最初に申し上げておきたいのは、これは相当のサプライズになります。実際にドル円はいままで全く動かなかったのが111.6円程度まで円高が進行をしているのはその証左になります。
先ず、金融緩和を一部停止する話を具体的に言及したのは何年振りのことでしょうか？私も記憶がないくらいの間、この緩和継続を打ち出しているはずです。
一方で、日本のメディアは20年春まで、この金融緩和を継続する、という報道であり、緩和を継続しますよ、という報道がメインになりますが、おそらく海外は、20年の春までに一部解除する可能性あり、というサイドで報道をしているということです。
緩和の継続と緩和の一部の解除をする可能性がある、というかたちでとらえることは全く意味が違います。つまり継続ととらえると、マーケットは全く動かないととらえますが、緩和を一部解除する見込みととらえればマーケットは動くと判断をされます。
ご判断はみなさんに、お任せしますが、国内のメディアは少しおかしいのではないのかな、と思うのが私の判断です。
実際の動き
日本の金利が解除されるということになったのですから、日本の金利は多少、上向きになることが期待されます。もちろん、黒田総裁の会見が東証の引けた後に行われますので、債券、株式市場は影響を受けません。
ただし、世界3位の日本金利が上昇をする可能性が見えてきたのでアメリカ株などが不調だったのです。何度も言いますように、金利の上昇は株価に下押し圧力が加わります。
決して、アマゾンの決算が予想以下ということだけを反映をしたものではないと思います。では、ドル円に関してはどうなるか、といえば、分母である日本の金利が上昇するのですから絶対値である日本の値は、上昇します。
分母が大きくなればその解は自動的に値が小さくなる可能性のほうが大きいのですから円高ということになります。
そして、きょうのアメリカGDP第一四半期の速報値、コンセンサス2パーセントというのは私には高すぎるように思えますので分子であるアメリカの絶対値は小さくなりますので、これも円高という予測になります。
いままでドル円が動かなかったのは、アメリカ日本の絶対値が同じ方向に拡大したり、縮小をしたりしていたから動かなかったのです。
今回は、日本が拡大、アメリカが縮小という方向に動くと予想されますので、いままでの場付きのように値動きに乏しいような動きにならない可能性が高いということになります。
また、去年の値動きをみても、ゴールデンウィーク中は、円高が進行をしており、その明けは円安になっていることから、円高に行く可能性は高いと判断をします。
ユーロ危機が影で進行
イギリスやアメリカ、日本、中国などに注目ばかり言っていますが、ユーロの下落が止まりません。私はこの月初にユーロドルの安値を1.05くらいと数値は覚えていませんが、相当安くなるよ、と警告を出しているはずです。
これは、ユーロ経済の絶対的な弱さの証明であり、アメリカドルが強いから下がっているのではありません。ヨーロッパ経済が弱すぎるから下がっているのです。
世界的な景気回復期とかほざいていますが、このユーロの弱さをみれば、世界景気は二番底を目指したような動きになると思っています。つまり、ゴールデンウィーク中は、下値警戒のほうが強くなると言っているのです。
なお、このユーロの惨状は、材料面でも、私は弱いと言っており、中国は自国経済の軟弱さだけだけど、ユーロは自国経済の弱さに加え、ブレグジット、貿易戦争と悪い材料を抱えているのですから、そうなるのは当然の話になります。
ブレグジットの安心感からポンドは上がるのではなく、ヨーロッパが悪すぎるので、ポンドは引っ張られるということです。新興国はヨーロッパが悪ければ、引っ張られるのは当然の話になります。今、安値追いをしているというのはそういう意味です。
（この記事を書いた人：角野 實）
