おはようございます。景気後退期末期になるとテロや事件などが多くなるということは今までの経緯をみていると明らかです。スリランカやNZでのテロは今までの主戦場ではない、ことが意外でしたが予想し得たことだと思います。
大学時代の恩師がこれからはボーダレスの時代ではなくボーダフルの時代だ、と何度もおっしゃっていたことが思い出されます。90年代のあの頃は、国際化が叫ばれた社会でしたが、その次にくるのは民族主義やナショナリスト、であったことは予想し得たことだと思います。
実際の皆さんの認識はこれからも地球は小さくなるという認識でしょうが、実際は個人の主張がSNSで拡散される時代になり、玉石混合のような状態です。インターネットが普及する前は考えられないことでした。
つまり「全体」の時代を経過し、こんどは「個」の時代に突入しようとしています。トランプの乱暴な主張は「個」の時代を象徴するものであり、決して時代錯誤の主張ではないように思います。
このことに関してはまだまだ言いたいことがありますが、要するに、時代は確実に変化をしている、ということです。経験に基づけば、トランプの主張は悪というのが世間のコンセンサスのように感じますが、決して時代に逆行をした流れでもないということに留意をしてほしいと思います。
いつまでもグローバリスト気どりだと、時代に取り残されるよ、と言いたいのです。そしてデータと経験であれば、喜んでデータを重視しなければいけない。
自分の個人的な経験なんてなんの役にも立たない、ということを、相場を通じて学ぶことです。冒頭のテロの話は景気末期に出てくる、というのはデータに基づく話です。
イランの原油制裁
イランの原油制裁に関しては、確か、180日間更新のはずであって、180日ごと、つまり半年ごとに更新されるものです。これは大統領令によってできることであって、議会の承認を得る必要はない、ということです。
故に、いまさらメディアは騒いでいますが、この4月末にまたトランプがしでかすかはわかっていたことです。では、日本や韓国、中国、インドなどはこの決定に不服を述べないかといえば、11月はこれからの原油需要期になり、この需要に対処できないからアメリカに反対をしたのです。
冬場は夏場よりも原油需要が1割増えるのが常識です。ところが完全に需要期が終わり、とくにイラン産原油で日本などが欲しい原油は重油になるのですが、その重油の調達先に重油は中東しかなく、サウジにはその生産はほとんどなくイランなどに重点が置かれるということになります。
ほかにベネゼェラも主な重油生産になりますが、ご覧のような状態です。これが為替世界、金融世界に与える影響は、東西の冷戦の勃発、そして、混乱が待っているということになりますので、重要なことになります。ここにトルコも入る、ということを覚えておいてください。
イラン、カタール、トルコ連合の孤立が予想されます。この問題は複雑怪奇ですので一度、どこかで取り上げなくてはいけないと思います。イランなんて為替に関係ない、と思っている方が過半でしょうが、大いに関係があることを覚えておいてください。逆に北朝鮮の問題よりも深刻な影響を与えます。
ようやくドル円の話
今週の注目の指標は週末のGDPになります。各連銀の予想数字をみていると、だいたい2パーセント前後に帰結するような感じになります。個人的には2パーセントもあるかな、というのが感想になります。
家計は好調ですが、住宅関連の数字をみると、なんだか2パーセントもあるような感じがしません。企業業績は相変わらず弱く、そしてその結果、政府の税収も減ります。
それで2パーセントは高いと思っています。さて、ドル円の予測をするときの基本ベースは去年の数字になります。去年の4/23日、24日、暦年は実際に違いますが、大幅に円安になっているということに注意です。
経済指標の発表は、これといって重要とおもえるものはないのですが、ドル円が去年ベースで相場が成り立っていることを勘案すれば、日経平均が引けたあと、5時くらいから前回のアメリカGDP速報値、改定値発表でなっています。
冬時間と夏時間が違うことに注意してください。こう考えると、何も材料がなくてもきょう、明日とドル円は要注意になるのはお分かりになると思います。
(この記事を書いた人:角野 實)