本日は新元号の発表だそうです。正直、元号が変わったからと言って、日本経済や世界経済が一変する訳でもなく、盛り上がっているのはメディアに踊らされている人たちだけです。
日経には外国人が6割も投資しているそうですが、外国人に新元号など関係あるのかを冷静にかんがえましょう。同じ理由で新年や新年度を挟み相場が一変するのでしょうか?
これは、世間の都合であって、マーケットには関係ない、と認識すべきだと思います。
日銀短観と鉱工業PMI
本日、経済の先行指標、日本銀行の日銀短観が発表されました。 上記は上が日銀短観、大企業製造業指数、2016年からのもの、下が鉱工業生産PMI(日本)になります。きちんと対比できるように、日銀短観と鉱工業生産PMIを並べておきました。
この大企業製造業指数と鉱工業生産PMIの違いは、文字通り、日銀短観は大企業だけになりますが、鉱工業PMIは中小も零細をも含めた数字です。
日本の鉱業はきのう、夕張の鉄道路線が廃止をされたように、あるのにはあるのですが、ほとんど考察に値しませんので、こういうとかなり語弊を感じますが、数字にはほとんど含まれていません。
よって、違いは、中小、零細を含むか否かの数字の違いになるのですが、上記の2つのグラフはほぼ相関をしていると感じる方は多いと思います。
2つを合成すると、こういうような形になります。
青い線が鉱工業生産PMI、折れ線が日銀短観になります。これをみると明らかですが、鉱工業生産PMIはすでに底を打って反転をするような形になっていますが、日銀短観はまだ底値を確認できない、ということができると思います。
ただし、形は相似をしており、今回、鉱工業生産PMIが先行して上昇している、ということ仮説として用いるのであれば、次期の日銀短観は反転する可能性が高いということができます。
この仮説が仮に正しければ、私たちにとって、重要なのは日銀短観<鉱工業生産PMIであるということができると思います。
つまり、今月の上旬には発表される日経PMI(鉱工業生産PMI)が本当に上向いてくるのかが注目になります。ただし、中国の鉱工業PMIがこの週末に発表をされています。
中国の鉱工業PMIが底を打ったような感じになりますので、日本のPMIでもおそらく上昇をするのが通常になります。
ここで、少し、底値立ち上がりについて話をしておきます。たとえば、底値立ち上がりの線というのには明確な定義などはありません。
しかし、一回、底を打った相場というのは、大きく上昇をさせて底を確定させる場面があります。たとえば上記の中国の鉱工業PMIなどは、2月の数字よりも49.2から50.5と、2.6パーセントも上昇をしていますので、罫線で言う、底値立ち上がりと言ってもよいでしょう。
この場合、チャートに詳しい方はご存知だと思いますが、軽い調整が入るというのが経験則だと思います。もっと、さらに勉強をしているのは、かならず一瞬、ヒヤッとする場面、要するに売らせる場面があってから本格的な上昇になることも知っていると思います。
この後半部分の経験即などはデータ的に証明をされており、その下押しの場面も現在では計算できるくらいのデータはそろっています。このようにファンダメンタルズのチャートであっても、テクニカルを駆使すると、案外、今後の展開も読めてくるようなものになります。
すなわち、中国は3月の線によって底は確定したけど、どこかでヒヤッとする数字や事件が起こるよ、というのがわかると思います。日本の場合は、まだ、底値立ち上がりの線が出ていませんので、どこかで景気の良いニュースや事件が出るよ、ということです。
日銀短観も、鉱工業生産PMIも底値立ち上がりの線は出ていないと思います。具体的にいえば、2パーセント以上の上昇を1月でやってしまうくらいの線が出れば、安心して買えるということになります。
ただ、注意してほしいのはそういう事件やニュースが起こってから買おうと思うとたいていの場合、値段に問題があります。具体的にいえば、高すぎて、買えない、というのがほとんどです。
では、安値で自信をもって買うのには、こういうロジックを自分なりに組み立てていく必要がある、ということです。
ではドル円は?
ドル円はアメリカとの比較になりますので、日本単体の話ではない、ということは、みなさん、大丈夫ですよね。日本が強いから円安とか、いまだにほざいているテレビやメディアにいっぱいいますが、無知を晒しているようなものです。
アメリカの成長は前期3.4だったものが、今期2.2です。さらに、1-3月期は1パーセント以下になる可能性がある、という声も聞かれますが、現状では、1パーセント後半が固いところになると思います。
それに対して、円安になるには、日本はアメリカの成長以下になれば自動的に円安になります。アメリカの成長以上に日本が成長をしてしまったら、円高ということになります。ただ、その基本ベースは、去年の相場を参考に、というのは週末から言っている通りになります。
(この記事を書いた人:角野 實)