読み込み中...最近、トルコの値動きが激しくなっており、何も質問はないのですがニーズは多いと思いますので、記していきたいと思います。
トルコ実行為替レート
上記はトルコの実行為替レート、2018/9/1～2019/3/25までになります。去年9月に私は底をうつよ、と6月くらいに宣言してその通りの結果になっています。
ただ、今年に入ってから1月の安値は買いではない、とずっと言い続けていましたが、全然、安値を探らず、実際の相場は高くなってきました。大きく曲がったわけで申し訳ないと思いますが、上記のトルコの単体、絶対値をみてどう思われますか？
私も自分のファンダメンタルズのグラフは公開できませんが、実行為替レートを引用しても、私が普段から言うように、トルコの経済はちっとも回復をしていないのはおわかりになると思います。
きのう、ご紹介をしましたがJPモルガンのトルコ弱気レポートにしても、なぜ、あのようなレポ―トが発表されたか、そしてそのレポートが正当であることは上記のグラフをみればおわかりになると思います。トルコの成長は実際には弱いのに、株価は上昇し、そして通貨は強含んだのです。
こういうのをバブルといい、バブルというのは表現が強いのでプチバブルということにしておきますが、マーケットが実態の経済を正しく反映をしていなかったのは事実です。当然、証券会社や欧米のトルコレポートは売り推奨になりますのに、トルコの当局は去年の夏のゴールドマンサックスのインチキなレポートに懲りて、これを検挙したのです。
ですから、このレポートの内容を私はみたことがないのでなんとも言えませんが、ま、おそらく表現が誇張した部分はあったでしょう。でも、現実に経済が弱含んでいるのだから売り推奨は仕方がない、という判断に当局が至らないところがトルコという国の不思議さです。
私たち、自由な言論が保証されている、国家では理解できない検挙になると思います。ですから、金融会社のレポートというのは、インチキなものもたくさんありますが、中には正確なものもあります。
ただし、正確といってもおそらく誇張的な表現は使われていると思います。では、上記のトルコの実行為替レートは弱含んでいるのは、わかった、でも私たちが取り組んでいるのは、トルコ円です。では、円の実効為替レートもみてみましょう。
円の実効為替レート
円の実効為替レートは日々のコラムでも紹介しているように底打ちするような気配というよりも、すでに底を打っているような気配です。ドル円は分母である円が大きくなっていくので、円高になるというロジックは大丈夫でしょうか？
ただし、これをほとんどの判断に用いてはいけない、去年のデータを基準に今後の相場を判断しなければいけないよ、と本日のコラムに書いています。
トルコ円の場合はトルコ÷円になりますので、トルコの絶対値という実行為替レートは減少気味で、円の実効為替レートは上昇気味になるのですから、分子は小さくなって、分母は大きくなる傾向があるのであれば、その答えは小さくなる可能性が高い、すなわちトルコ円は今後も下がるということになるだろう、という予測が成り立ちます。
私が適当に書いている予測は、本当に何も根拠がないということはなく、それなりの根拠はこういう科学的な方法で算出しているのですからあるのです。
そして、今朝、ドル円でも解説をしたように、本来なら円高にならないといけないのが円安になったのは去年のデータが影響をしているんだ、ということがおわかりになると思います。
去年のこの時期、トルコは下がり続けていたんだよね、ということがわかれば、トルコ円は、まだ下がる可能性が濃厚だよね、ということがわかると思います。じゃ、この反転はいつになるのか、といえば、少なくても、トルコの絶対値(実行為替レート)が上昇しなければ無理ですし、ないしは日本の実行為替レートが減少する見込みがないとダメだよね、ということになります。
日本の実行為替レートが減少する見込みはさまざまな指標をみていてその可能性は非常に低いと思います。それならば日本の成長以上にトルコが成長すればいいということになります。
それは難しいのではないか、と思う方も大勢いますが、現在の実行為替レートは日本が80台でトルコが30台です。これが同じ10パーセント成長というと日本は8、トルコは3なのです。
同じ10パーセントでも日本の成長の約1/3でトルコはいいのですからハードルはちっとも高くないのです。むしろ、その回復が軌道にのれば、トルコのような成長が始まったばかりの国と日本のように成長してかなり経過した国、どちらが成長しやすいか言うまでもありません。
トルコのほうが成長は持続するし、高成長になるのです。ですから、今は、我慢のときなのです。
（この記事を書いた人：角野 實）
