今朝の外電をみて思ったことは、なんでこんなに株価が下がるのか?という疑問です。
もちろん、ドル円やポンド円は予想以上に下がっていてうれしいのですが、その代わりランドやリラは想定以上に下がっている訳です。本日は、外電の特殊性について考えていきたいと思います。
マークイット社のPMI鉱工業指数
■フランス
■ドイツ
ヨーロッパ各国のPMIなどは、指標をみていてもよくなる訳がなく、アメリカと好対照です。しかし、ドイツのPMI44台など大不況のレベルです。これ以上は悪化するとは思いませんが、ひどい数字です。
■アメリカ
アメリカはメトロポリタンが弱い数字、フィラデルフィアが強い数字でしたので想像ができませんでしたが上記2か国の数字をみれば、落ち込んでも仕方のないレベルです。まず、ヨーロッパの主要国、フランス、ドイツ、そして世界トップのアメリカは世界経済でどのような位置を占めているかを考えます。
現在、GDPは1位アメリカ、2位中国というみなさんは認識だと思いますが、これは国別の数字であって、ユーロ圏は経済圏なのでこれに含まれていません。本当の順位は1位アメリカ2位ユーロ圏3位中国4位日本となります。
このことをわざわざ書くのは、通貨の世界ではこの順位になるからです。要するに中国経済は、拡大の一途ですが、ユーロ圏のGDPはまだ中国など相手にしていなく、アメリカと競っている状態なのです。
現在は、ユーロの落ち込みが激しいので1位と2位の格差は年々、開いていますが、通常は1位と2位はユーロとアメリカが競っている状態です。中国は、この争いに加わるためには、まだお呼びではない状態です。ユーロ圏の主要国はフランスとドイツになりますので、この二か国が落ち込むと自動的にユーロ圏も落ち込むのです。
となると世界の主要なGDP、両国で世界経済GDPの7割を占有しますから、この2つの国家と経済圏が落ち込めば、株価は落ち込むよ、ということです。
ユーロはダメだが、アメリカは?
上記はいつものようにアメリカ国債10年物金利になります。きのう、2018年の年初の水準まで金利が落ち込みました。では、2018年の年末年始は何を騒いでいたのかといえば、金利が低すぎるので株価が高騰していたのです。
しかし、ご存知のように、この長期金利が高騰したために、株価が崩落したのです。
■中古住宅セールス
これもきのう出た数字になりますが、激増になっています。この住宅関連の数字はいつも言うように、消費者関連の先行指標になりますので、この数字をみた企業は先行投資、設備投資に意欲をもちます。
その原資である借金の金利は1年前と同じ安い水準なのです。売れる見込みがあって、借金を回収できる確率が高いのですから、みな競って、借金をするでしょう。
となると、ヨーロッパの株は買えませんが、アメリカの株なんて、私からみればおいしい値段、金融関係者の言葉でいえば「絶好の押し目」ということができるのです。テクニカル的には急速に戻らないと、なんだか売りっぽくなりますのでなんとも言えません。
では、為替はどうなるのか?
アメリカはファンダメンタルズは強いのですが、要するに世界経済の先行きは暗い見通しになりますが、国内は強い訳です。世界経済が減速して一番、影響を受けるのはアメリカですから強いのですが横ばいから下向き傾向になります。
もっともこれだけ金利が下がれば、ドル安になるでしょう。日本は、3/21に第一回は統一地方選挙の公示日で支持率の下がった安倍さんは必死でしょうね。
沖縄問題のからみで下がったようです。3/26の権利確定日後に押し目を形成するでしょうが、日本は今までが低すぎるので強い傾向、すなわち、円が強くなる傾向があるでしょう。
そうなると分母が強くなって、分子が弱くなるのですから、円高ですね。ランドなどは一時的にしか下がるとしか思っていません。リラはしばらくしたら戻るでしょう。
(この記事を書いた人:角野 實)