おはようございます。モーサテをみていると、しきりに世界経済やアメリカ経済は悪いということを強調していました。
一方で、パウエルさんはアメリカ経済が好調と強調していることに対して、その考えは先走りすぎだ、とたしなめている方がいらっしゃいましたが、なぜ、このようなことを言うのか理解できません。
何を言うのも自由だと思いますが、FRB議長の現状経済の見方に対して肯定的にみているのに、それを否定的に言うのは私からみれば頭がおかしいと思います。
なぜなら、FRB議長の言う通りにマーケットは動きますし、それを否定してしまっては市場参加しても意味がないからです。見解が異なるのは将来の見通しに関してです。
なぜなら、FRB議長といえども見通しを間違えると思いますし、だれも、何が正解なのか、わからない。だからそのことに関して異を唱えるのは問題ないと思いますが、なぜ、現状の見解まで否定的なことを言うのか理解できません。本日は日米経済の現状と、今後の展開についてお話しをしていきます。
フィラデルフィア連銀指数
Econodayより
いつものISMの先行指数であるフィラデルフィア連銀指数になりますが、コンセンサスよりも強い状態になります。もう一方のメトロポリタン指数(NY連銀指数)は対照的に悪かったことを覚えておいてほしいと思います。
これを受けて、ドルインデックスはどうなったのかの観察になります。
前日までドルインデックスは順調に下がっていましたが、きのうのフィラデルフィアが強烈な数字になったので、買いに変わっています、その結果、ドル高なのですから、円安に戻ったというだけの話になります。
なお、ドルインデックスの欠点に関しては今までも何度も記していますが、もう一度、書いておきます。ドルインデックスの致命的な欠点はユーロの比率が多すぎることです。つまり現在、ユーロ圏経済が低迷していますのでユーロ安、その結果、ドルインデックスは高めに出てしまうのです。
しかし、実行為替レートでみた、ドル相場はドルインテックスと比べ低迷しているということです。アナリスト連中はドル高だ、と叫びますが、実際のドルは相当な低迷をしているということです。
この理由も何度も説明していますが、まず、アメリカの政権がドル安を現在、標榜していること、そして、ムニューシン長官と中国政府の間で合意されるであろう、人民元相場の安定、人民元安を批判しているのであれば、当然、人民元は安くならずに高くなるか、横ばいになるということが想定されますので、結果的にドル安ということになります。
つまり、今迄はトランプ政権がドル安を想定しましたが、その取引割合の大きいユーロはドル安以上のスピードで悪いのですから、ドル高になっているように見えているだけの話です。
でも、トランプ政権の想定以上に世間のドル安認識が遅れているので人民元を高くすることによって、ドル安を加速させるという認識でいいと思います。
注意してほしいのは人民元の安定合意はまだなされていなく、今後、行われる見通しが高い、ということです。ムニューシン長官がこの合意を先走って発表した理由をもっと真剣に考えるべきです。
背景にはドル安の流れを確実にしたいという思惑が存在すると思います。
これをうけてのドル円相場
何度も言いますが、ドル円は「ドル÷円」によって算出されます。いままで、ドル円が動かない理由は、ドルと円の絶対値が同じ割合(この言葉が間違いであることを本当に理解している人は理解できるはずです)で下がっているのであれば、ドル円相場は膠着状態になります。
たとえば、ドルの絶対値、円の絶対値が同じ10パーセント下落で下がっていればそのドル÷円によって求められる解の値は変わらないということです。今までは、ドルの絶対値、円の絶対値の方向性は同じ下方向で進行をしましたが、この3月から別方向に進み始めているのです。
すなわち、ドルは政権の政策などによって下方向に向かうことはほぼ間違いないでしょうし、日本は、去年8月の自然災害の多発、そして秋から冬にかけての中国経済不振が一巡して回復に向かい始めているのですから↑方向ということが言えると思います。
すなわち、アメリカは下方向、日本は上方向になるのですから、方向性が違うのでしからドル÷円で出される買いは、同時方向に進む場合、同じパーセンテージで下落する場合は解は変わらないということになりますが、違う方向になれば、毎日、代わり映えのない数字になることはない、ということです。
そして、分母の日本が大きくなり、分子のアメリカが小さくなるのであれば、求める解は小さくなるのは自明であり、解の答えが小さくなるということは円高だから、私は円高になるよ、と言っているだけです。
(この記事を書いた人:角野 實)