おはようございます。注目のFOMCが終了し、金利の据え置きが発表されました。今の時期に金利上げは考えられませんが、今の消費者の先行指数をみていると年半ばになれば、またアメリカ景気は拡大してくるとは思います。
つまり、FRBが恐れる金利の利上げが遅れる局面があるかもしれない、ということです。
NHKの7時のニュース
NHK7時のニュースのヘッドラインは、「FRBは今年、一度も利上げをするつもりがない」と、言っています。どこをどう読めば、こんなことが言えるのだろうか、と不思議に思います。たしかにNHKの報道は日経に比べれば「まとも」なことを言いますが、でもまったくのデタラメです。
FRBの言っていることは、データや数字をみて、利上げを慎重に忍耐強く判断をする、と言っているのにすぎないのであって、利上げの回数などには一切、触れていません。どこをどう読めばそういう解釈になるのであろう、と思います。
これは、以前にも解説をしましたが、FRBの各理事に経済の見通し、予測を聞き、それをグラフにしたものがFOMC後に公表されます。その中に、政策金利の予測が出るのですが、その中央値が変わっていないから、FRBは利上げをしない、と言っているのだろうと思います。
そもそもこのメジアンは各委員の予測の中央値を出したものであり、決してFRB全体の総意ということではないのです。各委員の意見の総計がある意味、FRBの総意と言えますが、パウエル議長はFOMC後の記者会見にて、そんなことは一切、言っていません。
なのに、なぜ、そんなことを言うのか、私にはよく意味がわかりません。そのほか、指摘をしておきますが、プレスを見る限り、パウエル議長はインフレや物価、金利の見通しの見方についてきちんと把握をしているのかな、というところに少し疑問が残ります。
つまり通貨の高安と、インフレの関係性を理解していればこのような発言にならないところが随所にあるということです。そこが、利上げの判断を再び見誤る可能性があるのではないか、ということです。
偉そうに言いますが、私は2014年の黒田総裁による日銀の追加緩和は、まったく出鱈目と指摘しています。根拠は、いろいろありますが、まるで日銀は原油価格の決定メカニズムを理解していないことを指摘しました。
追加緩和の判断は正しかったでしょうが、その後に起こるチャイナショックには何の効果もなく、マイナス金利を導入しました。そこから脱することができないのが日銀になります。
今回のパウエル議長の会見をみて思うことは、消費者の動向に関しては見解が一致しているのかな、と思います。2月の雇用統計に関してかなり悪い数字になったが、1年全体で俯瞰してみると決して悪い数字ではない、ということは私も以前に書いています。
つまり消費者部門に関しては、問題がない、という認識ですが、企業と政府の部門、そして消費者への波及効果に関してはかなりあやふやなことを言っているのではないか、と思います。つまり歯切れが悪すぎるということです。
今後の展開
ドル円やポンドは急落で予測通りの展開になります。トルコが、若干、下がり気味の傾向は外れていると思いますが、ドル円の円高に合わせて、下落しないということはこの通貨の目先はある程度強いということになると思います。
ただし、まだ、本格的な上昇になるためには材料不足で、個人的な意見としてはまだ下がる可能性が高いということです。ランドは今月、たぶん、一番強いよ、と書いていたと思います。
目途、と言われても、まだ計算をしていませんが、ここから追証や損切りを休み明けにこなしてから、つまり週明けに計算しても遅くはないと思っています。
(この記事を書いた人:角野 實)