おはようございます。かなり為替の絶対値に関して多くの時間を割きましたので政治イシューについてかいつまんで話をしていきたいと思います。
アメリカについて
雇用統計は新規雇用が2万人という衝撃の数字が出ました。ただし、1月、12月の数字が上方修正されており、おそらく3月にこの2月の数字を修正してくる可能性があると思います。
まず、第一に年間の雇用者数でみた場合、去年の総雇用との絶対数を比較した場合、今年の雇用数は絶対的に増えているという厳然たる事実が存在します。
これは住宅にも言えることであって、住宅が悪い、悪いと騒ぐ方々がいらっしゃいますが、じゃ、去年と比べて住宅は売れていないのか、ということを問うと一様に答えにつまります。
つまり、去年より住宅は売れているのに、目先の数字が落ち込んでいるだけの話なのです。雇用もこの時期は毎年のように減り、住宅も北部は、今年は特にひどい寒さで豪雪なのですから目先減っても当然です。
個人的には、住宅が大きく減ることは大問題だと思いますが、それが春にも影響をしてくるような数字であったから心配でしたが、現状は春には影響がないだろう、という楽観的見通しになります。
さらにいえば、モーサテのキャスターが、住宅は遅行指標だ、と喝破をしていましたが、何を根拠に言うのか、唖然というよりも不確かなことをなぜ、平気で言うのであろう、と思います。
今回の株価を始めとする経済の調整はすべて住宅から始まっていることをみれば、住宅が先行指標であることは明らかなのに、何を間抜けなことを意識付けさせているのだろう、と思います。
消費者部門や企業部門は各種指標をみている限り、アメリカ経済は盤石です。みなさんはアメリカ経済が良いと洗脳をされているでしょうが、問題は政府なのです。
今回の景気の後退は、結局、金利の上昇で起こっているのです。本当に景気が良ければ、さらに金利が上昇しても、経済は低下しないはずなのに低下してしまった、世界的に、という厳然たる事実が存在します。
つまり政府部門はアメリカだけではなくアメリカを筆頭に中国、欧州、日本では大問題なのです。要するに、現在の問題は、消費者や企業に問題があるのではなく政府にある、ということをもっと認識を改めるべきです。金利が上昇して一番、困るのは政府です。
なぜなら、天文学的な借金の金利が増えるのだから、日経平均などは続落するはずなのに政府債務の減少見込みから上昇をしているだけの話です。ほかの国も同じです。
イギリスについて
私は最初から言っていますが、イギリスの選択肢など離脱延期しかないのです。メイ首相自身が辞任はしない、解散総選挙もしない、と言っているのに、間抜けな報道ばかりが目立ちすぎます。
国民投票もない、と言っているのです。だったら、選択肢は離脱延期しかない、と去年から言っているのです。今週、離脱をめぐるさまざまな法案がイギリス下院を通過することになるでしょう。
面倒なので解説をしませんが、3/14以降に明確に離脱延期になってくることでしょう。しかしその場合、ポンドはどうなるのか、という命題があります。ポンド円は、日本の絶対値が上昇してくる可能性が高く、そしてイギリスの絶対値は下降トレンドの確認中になります。
円の分母が大きくなり、分子であるイギリスが小さくなれば自動的にポンド円は下がります。ポンドドルも同様で、アメリカが好調でも分母であるドルの絶対値は上昇せず、分子であるイギリスは減少傾向の確認中になります。だったらどうなるのか、だけの話です。
トルコについて
では、トルコの絶対値というのは、間違いなく上昇をしてくることはみなさんおわかりでしょう。しかし、去年大きく落ち込んだ、4-5月と夏場、それを凌駕する勢いで経済がよくなるかといえばかなり疑問です。現在の成長では、去年を上回る成長が出ない可能性が大きいと思います。
なぜかといえば、トランプの注目が現在は中国や北朝鮮に向いていますが、今月の末や来月になれば中国や北朝鮮の問題はある程度、目鼻がつくことでしょう。
そうした場合、現在、アメリカ議会はイスラエル問題でヒートアップをしています。イスラエルと密接な関係があるのはイランであり、また本格的な春になればイラン問題が浮上することでしょう。
春に問題にならなくても、次期大統領選挙を控えるトランプにとってイラン問題、そしてユダヤ支持層は喫緊の問題ですから必ず今年中にやってくることでしょう。このイランとの問題は、トルコとアメリカの利益相反になり、かならずもめることでしょう。
この場合、サウジの動きが要になりますがMbSが広範な活動をするようになるのは早くても今年の後半でしょう。またシリアのクルド問題はアメリカとの対立を呼ぶイシューですし、トルコの大統領がエルドアンであったと本当に良かった、と思います。
ほかの指導者では、サウジ人ジャーナリスト問題でこれだけ上手に立ち回れなかったでしょう。エルドアンは極悪人だ、とかいっていた人は頭を丸めなさい、ということです。
つまりエルドアンの本能的な政治能力に頼ることが大きい国なのです。ですから、トルコでエルドアンの失脚など考えられないのが現状であり、そしてエルドアン次第で大きくトルコの運命は変わると思います。
ただ、やはり世界のほかの指導者同様、経済問題に対する反応は政治イシューとくらべ緩慢である、というのが私の心象になります。その点、トランプの経済問題に対する脊髄反応というのはさすがだね、としか思いません。
北朝鮮について
みなさんの関心が高いので少しだけ書いておきます。まず、この米朝会談で一方的に落胆しているのは北朝鮮と韓国です。北朝鮮の内情はよくわかりませんが、韓国の落胆ぶりはすざましいのはよくおわかりになると思います。
すぐさま、日本に対してさまざまなイチャモンといういやがらせを再開させています。要するに、米朝交渉によって北朝鮮が開国されることを大いに期待していたのですが、何も成果なし、だったのです。
これによってしばらくの間、経済の閉塞性が続くことになり、そのうっぷんは日本ではらされるだけの話です。ですから、また韓国の官僚、政治家が頭にくることを言うのは目に見えていることです。
彼らは、日本に何を言ってもいいだろう、という甘えの構造だけであり、では、日本と縁を切られたら、もう本当にデフォルトすることはわかっていますので、そこまで辛らつなことはやりません。
頭にきている人たちを横目に、どうせ、何もできないのだから、と冷めた目で見ることを推奨します。米朝に関しては、根本的に何も歩み寄ることがありませんので、現状が続く、解決する見通しがない、ということです。
交渉は継続すると言っていますが、現状では妥協点など何もみつかりません。となると、北朝鮮がミサイルの開発している可能性という報道がありますが、米国は北朝鮮が困っても、何も問題はありません。北朝鮮は人民が食えない、という喫緊の課題があります。
では、暴発の可能性が高いのではないか? と私が話したところ、専門家の答えはその可能性は少ない、というお答えでしたが、理由があいまいなのです。どっちにしろ、朝鮮半島の緊張は高まる可能性が高いと考えています。