おはようございます。米朝会談はモノ別れに終わり、予想外の結果となりました。ただ、考えてほしいのは、もし仮に米朝会談が上手くいき、その結果、北朝鮮の経済制裁が解除されたとっしても経済が何パーセント向上するのでしょうか?
全世界の0.1パーセントの資金、資本が北朝鮮に向かったとして、その影響はFX相場に何の影響があるのか、ということのみです。だから、実質は関係がない、と言っても過言ではないのです。
しかし、その0.1パーセントが10年後には全世界の1パーセントの資金に単純計算の複利計算でなる訳ですから、大きな影響があるのです。短期的にはFX相場には関係がありませんが、長期的にみれば大きな影響がある、ということです。
では米朝会談を無視して今回は、きのうのドル円に関して説明をしていきたいと思います。
日本の経済指標
上記は日本の鉱工業生産前月比になりますが、非常に悪い数字というのは一瞥しておわかりになると思います。まず、鉱工業生産の定義は、工場などの生産活動の金額になります。
日本ではほとんど鉱業は生産をしていませんので、工場などで生産する商品やサービスのことと思っていただいてよいと思います。これが12月と比べ大きく減少をしているということは、景気が悪いということになります。
また、日本経済は中国やアメリカ経済の外需頼みのものもあり、海外も悪いと判断をすることができます。この外需が弱いということは、円の為替実効レートも悪いということになります。
なぜなら、実行為替レートを参考に決定をしていますので、その結果、円のインデックスも下がるということになります。その円インデックスは下記の通りです。
これは日足になりますが、実質、円の実効為替レートとほぼ同じということがわかります。
朝方まで円の実効為替レートは高かったのですが、この鉱工業生産が発表されてから円の実効レートは下落しています。きのうは、ここが重要なところでマイナスの0.5パーセントでした。
アメリカの指標
上記はきのう発表された、アメリカのGDP前期比のグラフになります。コンセンサスが2.2に対して予想を上回る2.6でしたので、その結果、ドルインデクスは買われました。
こちらは、ドルインデックス日足になりますが、きのうのドルンデックスの上昇は0.7パーセント上昇しています。
これらを受けて
日本の円インデックスはマイナスの0.5パーセントで、アメリカのドルインデックスは0.7パーセントの上昇になるのです。ドル円のレートというのは、ドル÷円によって算出されるのですから、計算式は1.07(ドルインデックス上昇率)÷0.995(円インデックス下落率)によって算出をされます。
この計算結果というのは、1.07になります。つまり、ドル円はきのう、0.7パーセントの上昇にならなければいけないことになります。きのうのドル円のスタート値を110.96円とするとそこに1.007を掛け合わせるとそれが引け値になるはずなのですが、その答えは111.73になります。
引け値は111.43になりますが、その誤差0.3円は何になるかといえば、金利が絡んでいるだけの話です。これがドル円の正しい計算の仕方になるのです。
つまり、日本の経済指標が悪いとみなさんは円高になるというイメージですが、円という分母が小さくなるので、円安になるのが本来の姿になるのです。つまり鉱工業生産発表直後は、ドル円も株式も押し目を形成するのですが、実際、時間が経過すれば、円安になるのが必然のことなのです。
要するに、日本の悪い統計が出れば、本来ならば、円安になるのに、円高になると勘違いしている連中が大勢いる訳で、そこは株の寄り前8:50の経済指標は、絶好のねらい目になる訳です。
つまり、経済指標で良いものがでれば、本来は円高なのに、円安にいきますし、また悪いものが出れば本来は円安なのに円高になってしまうのです。つまり絶好の仕込み場になるということです。
その後、アメリカ時間に行き、GDPは予想以上に良かったのですから、ドルの絶対値、インデックスは上昇するのが当然です。ドルはドル÷円の計算式では分子になるのですからこの数字が大きくなればなるほど円安になる訳ですから、円安が加速する訳です。
ここで金利の解説をしておけば、アメリカは金利の上昇が加速する訳です。なぜなら、景気が今後もよいと判断すれば、融資の申し込みが増えますので、その結果、需給がタイトになり、金利は上昇するのです。
しかし、日本は鉱工業生産が低調なのですから、資金需要の需給はルーズになるのですから金利は低下をするということです。つまり本来は1.007を掛け合わせた数字が正解の数字になるのですが、金利分で相殺されて111.43円の引けになったということです。
かなり詳細に解説をしましたし、この文章もかなりサービスしているつもりです。儲けられるポイントを解説したつもりです。こうやってロジカルに考えていけばその日のドル円の動向はわかると思います。
(この記事を書いた人:角野 實)