おはようございます。きのうは、111円をようやく割ったと思ったら、引けには111円の回復。どうも締まらない相場付きですが、なぜ、動きだすのかの解説をしていきたいと思います。
ドルと円の実効為替レートから説明
下記はドルと円の実効為替レートになります。最新の2/25までのものが出ましたので解説をしていきます。青い線が円の実効為替レート(左軸)オレンジの線がドルの実効為替レート(右軸)になります。
この実行為替レートを比較すると、青い線とオレンジの線が離れていくとマーケットが動きだすのはわかると思います。
ただし、青い線とオレンジの線が同一方向に動き始めると膠着状態になり、反対方向にいくとマーケットが動くということを確認してほしいと思います。では、なぜそうなるか、というかの解説をしていきます。
まずドル円レートはドル÷円によって算出されるということは今まで何度も解説をした通りです。この計算式を分数にて表現すると以下のようになります。
というようになります。この場合、円が分母になり、ドルが分子になります。
この解の値を大きくするためには、すなわち円安にするためには、ドルの値が大きくなるか、円の値が小さくなれば、その解は大きくなります。逆に、円高になるためには円の値が大きくなり、ドルの値が小さくなれば円高になります。
2月の相場は、ドルも円も値がどんどん下がっていったのでマーケットが動かなかったのです。つまり同じ10パーセントづつ下がれば、この解の数字は変わらない訳であって、結果としてドル円相場は膠着状態になったのです。
では、この計算式がわかったのであれば、今後のドルと円の実効為替レートの将来がどうなるかをみればよいだけの話です。たとえば、アメリカのGDP発表、速報値と改定値の発表が本日ありますが、このコンセンサスは2.2になります。
前期は3.4だったのに対して、46パーセントも減少するのですから米ドル実効為替レートはさらに下がることが予想できる、と言えます。
逆に日本の実行為替レートは株価が上昇し、中国市場も春節明けからだんだんと拡大していく。加えて米ドルは、政治的な思惑によって安く誘導されているのですから、日本の輸出量も上昇する訳ですから円の実効レートも上昇する。
分母が上昇し、分子が減少する見込みであれば、その解は誰でもきちんと考えれば、その解は減少する、すなわち円高になる、ということはおわかりになると思います。
ですから、今後も株価は低金利によって上昇をするでしょうが、ドル円相場は、株価が上昇したら、円安になるのがセオリーと考えるのが普通だと思います。
しかし、今回の場合は、通常、日本の実行為替レートはアメリカの実行為替レートにひっついて上昇するのですが、今回の場合はアメリカの株価が上昇をしても、ドルの実行為替レートは政策によって下がり続け、逆に日本の実効為替レートは上昇するのですから円高になるのです。
通常の相場は、アメリカの実行為替レートは株価が上昇すれば、上昇し、そして日本はそれ以下の実行為替レートの上昇なので円安になるのです。しかも極めてわずかに、ということをロジカルに理解していると、自信をもって玉を仕込むことができます。
たとえば・・・
日本の経済指標で、良い数字が出た場合、アメリカの実行為替レートは、アメリカ時間がスタートするまでは平時では動かないのが通常ですから、日本の実行為替レートだけが大きくなるのです。
つまり、日本の経済指標で良いものが出た場合は、みなさんは円安と考えがちになりますが、実際は円高になっちゃった、というケースをよくみると思います。
つまり、日本の経済指標で良いものが出たら、ドル円レートはアメリカの実行為替レートが動かない場合には円高になるのが通常です。このように、ロジカルにドル円相場を考えていくと今までみえなかったものが必ず見えてくるようになります。
(この記事を書いた人:角野 實)