おはようございます。きのうドル円は111円台をつけましたが予測通り、反落し始めました。このような動きは予測できるものです。今回は、その予測について考えていきましょう。
何をみて動くと考えるのか?
今回、111円を前回の高値を上回って反落をしています。ダウ理論信奉者にとっては、これは円安の傾向のサインと平気で言ってしまう神経を疑います。
たしかに、ダウ理論は内部要因を知っている人にとって有効なロジックである、ということができるでしょう。このことについては数字的な立証方法がなく、結局、経験則でしかモノが言えないのですが、感覚的にそうなるだろう、と思います。
内部要因的には前回高値を上回れば、円安方向になるということはある意味正解です。しかし、今回の場合は、ファンダメンタルズ、そして内部要因からは円高に流れる可能性のほうが高いと個人的には思います。
要するに、円高に流れるというのはあくまでも予測にすぎない、ということは確認しておきます。まず、だいぶ前になりますが、このドル円が動きだすのは、ユーロドルをよくみておくのがよいでしょう、と記しました。
ユーロドルのチャートをみると、レンジ取引の下限に達したから↑へ行くだろう、という予測は誰でもできると思います。しかし、この低ボラタリティーの中、この予測をするのには大きな勇気が要ります。
そのうえに1か月ほど低ボラタリティーがつづけば、人間は目の前の事象に影響をされますので、今後も、その低ボラが続くという意識になるのが必然です。
この意味は、きのうあたりに東北、北海道で今後10年以内に大きな地震が起こる予測は90パーセント以上なんてクソ出鱈目な予測が発表された意味と同じです。
要するに自然災害は忘れたころに起こる、という古の言い伝えを言いたいだけの予測です。そもそも、あの予測はサイクル論で予測というよりも予想ですが、サイクル論で地震が起こるなど、もうとうの昔に否定をされているのです。
つまり、サイクル、周期なんかで地震は起こらない、というのが国際的な流れです。その、まったく当たらないサイクル論での地震予測など大々的に発表するのは、地震があるかもしれない、という意識を常にもてば災害の被害は少なく済むからああいうことを言っているだけだと思います。
サイクル論での地震周期説のデタラメさは南海トラフ大地震など1970年代から言っているのに50年経った現在でも起こっていません。
そういうものに年間に億単位のお金を注ぎ込むなんでバカバカしくてお話しになりません。当たりもしないのに、ちっとも進歩がないのに、そういう大金を得られる某帝大のセンセー方はある意味詐欺師、と言っても過言ではないでしょう(笑)。
ほかの科学者に補助金を回してやれ、と言いたくなります。北海道、東北、関東で地震が起こるというのは、警戒を解くな、という意味合いでああいった予測を出しているのであって、そういう警戒というのは、自然災害やマーケットでも同じことです。
つまり人間は自然災害やマーケットでも今、動かなければ、未来も動かないと思い込んでしまう動物なのです。その意識付けというのは自分自身で行うほかありません。
今回、ユーロが動くというのは、チャートやダウ理論からではありません。私はほかの銘柄をみて動くと考えているのです。おそらく2月を終え、3月になると、中国もアメリカも動き始めるでしょう。
これは米中貿易交渉のことを言っているのではなく、経済が冬場、動かなかったものが動きだすと言っているのです。その意味で、現在、ベトナムで行われている米朝会談や、3/1期限の米中交渉をこの時期に設定したトランプ大統領は策士であろう、と私は考えています。
私がみているのは、最近、商品相場へのコメントが多いのは「金」をみているからです。金の値運びは私の予測通りに運んでいるからです。為替は、何を基準に動いているのかさっぱり理解ができませんが、金をみていれば、ドルの動きはわかります。
その金が週末近辺に大急落をしました。最近ではブラジルレアルが急落をしてコーヒー価格が急落したのもドルの動きによるものです。この金が急落するということは、ドルが強くなった、ということです。
そして金が急騰したというのは、ドルが弱い、という意味になります。ドルは絶対値ではずっと12月から急落基調になっています。それに対して金が急落したということは、大きなドルの戻り、つまり急騰をしたということになります。
つまり、金の急落というのは、ドルの急騰、ドルのチャートでいえば強烈な戻りが入ったという意味になります。これは下げ相場の特徴で、ちんたらちんたら下げてくると、大きな急騰、これを戻りといいますが、あったという事実があるのです。
その大きな戻りがあったときに、トレーダーや投資家はずっと下がり続けていたのですから、戻りがない、だから大きな戻りがあると一斉に金を買い、ドルをひっぱたくのです。
その結果が、111円台に乗せたドル円がすぐに110円台に押し戻される理由です。そして上記の説明を読めば、ドルが大きく戻ったのですから、売りやすくなる訳です。
通常の下げ相場では、大きな戻りがあったあとの下げは前回の下げよりもより加速度的に下げることになります。なぜなら、今まで売りを手控えてきた連中が、大きく戻ったのですから集中砲火で新規売りや損切り売りを浴びせるからです。
この損切りの売りが多い場合はより、加速度的に売られ、新規の売りの場合は損切りのスピードよりは速くなりません。その代わり、損切りの場合は、相場は投げたら終い、踏んだら終いのように、投げたのでしから、戻りがあるということです。
今回の場合、ダウ理論によって、新規買いがやたらと増え、その結果、110.8辺りでみなストップロスでぶん投げたからその損切りが加速したような感じであり、112-114円の買いのひかされ玉はまだ残っているような感じにしか見えません。
マーケットは弱い立場のものを守らないのは鉄則ですので、ひかされ玉を保有するな、というのはそういう意味です。つまり104円と114円どちらの売り玉、買い玉、多いかの問題であり、どうみても114円の時間帯のほうが多いのですから114円のほうが引かされ玉が多いということになります。
つまり内部要因的にも、ドル円は円高方向だと言えるのです。要するに、話がだいぶ脱線をしましたが、金をみていれば、今年はドル円相場やほかのFXもわかるようになる、というのが現在までの私の感想です。だから、原油だのパラジウムの話が多いのです。
米朝会談や米中交渉など
会議の中身など終わってみなければ予測など全くできない、というのが正直な感想です。特に米朝会談など共同声明が出るでしょうから、それをみてからの判断にしかなりません。
ただ、トランプさんがここに意図的に春先にこの会談や交渉をもってきたとすれば、経済が動きだす時期ですのでかなり意図的なものになるでしょう。つまり策士でしょう。
ではこの会談や協議が終わったあとに、トランプさんはマーケットに対してポジティブなことしか言う訳がありません。そして米中交渉も3月の中旬にトップ会談を設定したのも、意味があることだと思います。トランプさんとして本音は選挙を意識しているので、会談の中身などどうでもよく、アメリカの景気や株がポジティブに反応してくれればよいだけでしょう。
ただし、ドルに関しては、株価が上昇しているから円安ではなく、去年から金利を下げろ、といっていることイコールの関係としてドルを下げろ、と言っているのに等しいことです。つまりドル安なら円高になるだろう、というのが私の見解です。
(この記事を書いた人:角野 實)