おはようございます。絶対値の概念はそろそろおわかりになったでしょうか? 今回は絶対値の解説をトルコ円で行っていきます。
トルコと円の絶対値の比較
オレンジの線がトルコリラの実行為替レート、青い線が日本円の実効為替レートになります。これをみるとトルコリラは8月近辺に底を打ってから順調に伸びているのがわかると思います。
何度も繰り返しますが、これはトルコリラの絶対値であり、相対値ではありません。かんたんにいえば、経済指標が悪くても、トルコの通貨の価値は伸びているのです。
つまり最悪期はすでに脱しているということになります。一方で青い線(右軸)の日本をみていればお分かりになると思いますが、結局、日本円は9月から低迷をしており、年末から年初にかけてよくなったのに、それ以降、ずっと低迷状態になります。
この実行為替レートをトルコ÷円でやった場合、おそらく、現状の為替レートの基準値になってくるのでしょう。
下の折れ線グラフは実際のトルコ円の動きになります。ほぼ一緒の形になることは明白なことです。ほかの通貨も同じことです。
トルコ円の問題はどこにあるのか?
実際の為替レートはドル円ならドル÷円、ユーロドルならユーロ÷ドル、トルコ円ならトルコ÷円で算出されることがわかったと思います。
では、この○÷○の答えの数値が大きくなる場合には、実際のFXでは買いになる訳です。逆に○÷○の値が小さくなっていく場合には売りということになります。
では、トルコ円のどこに問題があるのか、ということを考えていきましょう。
赤い線はトルコの実行為替レート、オレンジの線は円の実効為替レートになります。
それを2018年9月3日で同じ値にして、その推移を見てみました。ご覧になれば明らかですが、明らかに日本円に問題があるのです。
つまり、今後のトルコの動向というのは、日本円次第ということになります。なぜなら、トルコ÷円の答えの数字を大きくするためには、分母である日本円は小さく、分子であるトルコリラは大きくしなければいけない、からです。
ともかく、分子であるトルコは9月から11月~12月上旬まで大きくなっているのですが、日本円は横ばいから若干の下向きになるのです。この傾向と実際の値段の傾向を較べれば一目瞭然になります。
実際、日本の実行為替レートが大きくなったアメリカ政府閉鎖の12/20以降、分子である日本実行為替レートが大きくなったら、トルコ円は下がり、日本の実行為替レートが上昇したときには、トルコ円は下がってしまうのです。
このほか、トルコ円が暴騰する要件としては、トルコの実行為替レートが、日本の実行為替レートよりも大きく上昇すればよい、ということになります。この場合、日本の実行為替レートは少しの上昇、ないしは、横ばい、であればトルコ円は上昇するということになります。
そうとう、為替の動きの根本のことを言っているのですが大丈夫でしょうか?
いま、書いていることは為替の動きの根本のことを書いているのです。ひとつだけ言いたいのは、ここまで、きちんと根本的な動きを解説している本や文章は間違いなく世の中に出ていません。
誰一人としてこんなことを語る人間はいない、ということです。すなわち、書いてあることは小難しいと感じるでしょうが、これを理解していれば、為替相場という値動きの根本がわかるということです。
とても、とても、今回、書いてあることは大事なことを書いているのです。
この結果から未来を読む
未来を読むためには、現状を知らなければいけません。まず、トルコは出てくる経済指標、すべて悪い状態になります。しかし、一方で、実行為替レートは本来なら下がらなくてはいけないのに、横ばい~上昇になっている訳です。
ですから、問題はないということになります。なぜなら、今後、相当に深刻な悪い数字が出てきたとしても実行為替レートは悪くならないからです。つまり下方向のリスクというのはほとんどない、ということになります。
一方で日本円は、まず、国力がアメリカ、中国の景気減速で、実行為替レートは下方向で推移をしています。なぜなら実行為替レートというのは、貿易量から推測したレートであり、その結果、日本の貿易相手国1位、2位の相手国が弱くなっているのですから、実行為替レートは下がって当然のことになります。
しかし、一方で、株価は意味不明な上昇を始めており、貿易が拡大をしていないのに、株価は上昇する訳がないのですから、私が言っているように、この日経平均は蜃気楼なのに、強い、強いと騒いでいる人をみると、しらけるというのが本音です。
これがバブル、ということに気づいたときに株価はどうなるか、言うまでもないことです。そのときに信用収縮が起きますので実行為替レートも下がるということになります。
そのときの世界への影響はトルコよりも格段に影響は日本経済は世界3位の経済力になるのですから、ある訳です。
日本の株価が下がって、アメリカ、欧州、中国株や経済が無傷である訳がない訳です。そうなるとトルコの実行為替レートも下がる、そのときに、日本の下げ幅よりもトルコの下げ幅のほうが少ないということが焦点になります。
そうすれば、実際のトルコ円は上昇ということになります。でも実際の動きは、この問題を詳細に考えていくと、おわかりになると思いますが、日本の下げ幅よりもトルコの下げ幅のほうが大きくになりますので、実際は下がる、ということになるのです。
要するに日本経済のプチバブルのほうがトルコよりもよほど大きな問題だということが、きちんと考えればわかるのです。
ま、何がなんだかよくわからない解説に99パーセントの方にはなったと思いますが、結局、これが本当の為替の動きなんだ、ここから計算式で為替の未来を読むのは不可能なことではない、ということがおわかりになると思います。
言っておきますけど、方法論はお教えしましたが、これをマスターするのには10年はかかるでしょうね。計算式やエクセルが得意な方でも1年以上はかかると思います。
言っていることは、小学生でもできることなのです。要するに、これを理解できない、ということは、やる気がないだけの話なのです(笑)
嫌味でもなんでもなく、面倒くさいことをやる根気の問題で、スマホやインターネットになれた人にはとても面倒くさいことになるので、99パーセントの人はやらないだろう、と言っているのです。ゆえに、スマホやインターネットは人間をダメにする側面もあるといっているのです。
(この記事を書いた人:角野 實)