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ようやく消費部門が減退

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おはようございます。以前から、アメリカの消費部門は好調と記してまいりましたが、消費者信用残高、指数などをみると下がるのは時間の問題とずっと書いてきました。
今回は小売売上の解説と、今後の動向について書いていきたいと思います。

アメリカ小売売上

こちらは全米小売売上の「前月比」になりますので大して悪くはないと思う方は多いと思います。ただ、クリスマスシーズンの大繁盛が期待されるなかで12月の売り上げは11月よりも悪いというのは想像以上の悪さです。

例年ですと、12月が売れ過ぎたので1月が大幅なマイナスになるのが通常なのですが、12月に悪いのは過去5年で初めて。しかも、マイナス幅は5年間で最大です。これで、良いという人はいないでしょう。 
こちらは全米小売売上の「前年同月比」になります。毎年、12月の売り上げは過去最高になった訳ですが、2018年は1年間で最低の上昇率になる訳です。
反対の2018年の5-9月の売り上げは最高になるのですから、2019年5-9月の売り上げは間違いなくあがらないでしょう。
少し考えていただければ、去年、1-4月までドル安だったのですから、この5-9月はドル安の恩恵を受けたものであり、これをみているトランプさんがドル高に誘導などするわけがないでしょう(笑)。
という訳で、最悪な小売売上だったのに、まだ、押し目買い、とシャウトしても「バカ」と私に言われるだけなのです。空売りの買い戻しでそれほど下がらない、とかほざいている方がいましたが、空売り筋はこの小売売上を待っている訳で、売り増しするという観点が抜けています。

消費者の実態

では、なぜ、これだけ小売売上が減ったのかの分析をしてまいりましょう。小売の売り上げが減るのは、消費者のお給料が減った可能性が一番に考えられます。

こちらは、お給料の上昇率になりますが、去年の11月の時点で前年比で4.2パーセント上伸しています。そして雇用統計の時間給統計は、12月が3.2パーセント増、1月も3.2パーセント増になっており、消費者のお給料は減っていません。
すなわち、お給料が下がったから小売が減ったのではないのです。では、次に考えられるのは物価が上昇をしたから、購買意欲が減退した、と考えられる訳です。
こちらは、コア消費者物価指数、通称、インフレ指数になりますが、12月に特段、物価が上昇したような感じはありません。いつものように、淡々と上昇をしているだけで、特に物価の高騰があった訳ではありません。
これをパーセンテージでみていくと、 トランプがアホなことをするので、まだ発表されていません(笑)単純にコア指数の12月÷11月をすると、0.18パーセント物価が上昇をしています。
お給料が0.1パーセント以上増えて、物価は0.1しか増えていないのですから、物価上昇から小売りが冷え込んだとはとてもではないのですが、思えません。
では、犯人は何か、といえば、非常にかんたんな問題で、将来に不安があるから、消費を控えた、としか結論するほかないと私は思います。だから、消費者信用残高、指数の期待指数が大きく減少をするのです。

今後の展開

まず、何度も言いますが、アメリカは個人消費がGDPの7割を占有します。結果として、小売が細ってくれば、景気後退になるのは必然のことです。しかし、以前から何度も話をしていますが、この個人消費が冷え込んだときに、企業が設備投資をするか否かが景況感の分かれ目になるのです。

つまり例年の冬ですと、2月の中旬くらいから春に向けて企業の設備投資が盛んになり、景気循環、サイクルが新しい波動に入るのです。つまり今後は、耐久財受注や設備投資などの企業部門の金額や指数が上昇してくるかがカギです。
もちろん、上昇してこなかったから「トランプ相場の終焉」を意味します(笑)。ただ、設備投資が上昇してくることを見込んで政府閉鎖を2/15に再閉鎖の可能性があるとほざいているだけだとは私は思います。
一つだけ言っておけば、私は、政府の再閉鎖などない、と政府閉鎖解除後に言っていることをお忘れなく。なのに、メディアは再閉鎖の可能性について言っていること。英語もまともに読めない私がないと断言していて、メディアは可能性があると吹聴する、バカではないか、と思うのが普通だと思います。
要するにメディアやインテリ層というのが英語はおろか、日本語さえもまともに操ることができないのです。よく調べれば、再閉鎖なんかある訳ないでしょうが。ここから個人的な予測としては、おそらく企業の先行投資は例年通り回復するでしょう。
しかし、直近は、小売売上の悪さをうけて下値を探る段階にあります。つまり買いの芽は個人的にはない、と思っています。これが買いになるのは、企業の設備投資や政府予算の投入の発表などがありますが、今の米政府にこれは期待できることではありません。
当面は株も為替も、あがり過ぎた訂正を行うのでしょう。1週間程度では調整は終わらないと思います。しかし、この小売の落ち込みをみると、本当にアメリカは好景気循環を維持するのか、疑問に思います。
(この記事を書いた人:角野 實
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