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絶対値で円、ドル、ユーロを見る

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おはようございます。意味不明なまま円安が進行をして、周囲には楽観の嵐になっています。
今回は、絶対値で円、ドル、ユーロをみていただき、今回の円安がいかに不思議なものなのかを観察してみましょう。

円の絶対値(実行為替レート)

何度も申し上げますが、我々がみているドル円レートというのは米ドルと比較した相対値になります。もっといえば、米ドルと比較して円はいくらなのか、というレートであり、絶対値は、円そのものの値段です。上記は、去年の9月から2/11までのレートになります。

これをみると、円の絶対値は年初に急騰をしており、その後、急落をしています。これは毎年みられる兆候であり、年初に円が急落するのは毎年のことです。覚えておきましょう。
つまり、今年の年初の急落というのは、円の絶対値が急騰したことによって、みんなで一斉に円を売るから急落をするのです。この理由は、判然としませんが、ともかく毎年、年初に円を売っておけば儲かるというのは事実になります。
きちんと検証をすればわかると思います。さて、現在は、年初から緩やかに円高(相対値)になっていることがおわかりになると思います。
現在、止まっている水準というのは年末の水準ということがおわかりになると思います。去年の日本経済は7-9月に多くの自然災害が発生し、停滞をしました。その結果、その次期、10-12月に回復するのは目に見えていましたので10月の頭から円は急騰をしています。
しかし、数日後にアメリカ株が金利の急騰によって崩落をしていますので相対値であるドル円レートは円高になったようにみえました。この10-12月に関しては、GDPが回復するのが目に見えていましたので、急騰を10月の頭から急騰をしました。
10-12月期の成長は、自然災害などの影響が薄れて伸びるのは妥当なところです。しかし、一方で、中国やアメリカの減速が露わになったこととの綱引きになるのです。
さて、本日は日本のGDPの発表になります。コンセンサスは前期比0.3、前年同月比1.2の成長になりますが、まぁまぁ、妥当な数字になります。前年同期比は、若干高いコンセンサスかなとも思います。
つまり、コンセンサスよりも悪ければ、絶対値の円は、12月の水準をサポートするか、ブレークするかの判断になるのです。いま、発表されて前期比0.3、前年比1.4で何とも言えない数字になります。 
まだ、去年の10-12月の数字は挿入されていませんが、2017/10-12月期が2.4に対して今回、1.4というのは完全に成長が減速をしているのですから、売られると思うのですけどね。
楽観が支配しているマーケットでは、なかなか素直には反応しませんね。ともかく、個人的な感想を書けば、これを書く前にドル円、叩いております(笑)。
参考までに、日本の18/7-9月期の「0」は、正確には0.09です。マイナス成長にならないために、総務省あたりが一生懸命、数字をいじくったというのがよくわかります(笑)。
0.1にしたかったのだろうけど、そこまでのインチキはできないと判断したのでしょう(笑)。

米ドル実効為替レート

こちらも以前から説明をしてい通り、アメリカの政府閉鎖から、1/25の解除まで急落をしています。

そして解除後に、ドルは続伸をしています。でも、その戻りは、12月初旬の水準に戻るのは、なんだか、だれがみても難しいような感じです。では、日本と同じく、GDPをみてみましょう。 
この発表はガバメントシャットダウンの影響で本来、アメリカのGDP速報値は1/31に発表される予定だったのですが、延期されて2/28の改定値と一緒に発表される予定になっています。
今のところコンセンサスは2.3となっており、経済減速は明らかなのに、ドルは強い、強いとか言っている連中をみると何を根拠に言っているのか皆目わかりません。
その理由は上記のドル絶対値をみれば明らかであり、そして、金やパラジウムの値段をみれば、ドルは明らかに弱いのはわかると思います。
ともかく、コンセンサスが前期の3.0を超えることがないような数字なのに、なぜ、ドルが強いと言い切るのか摩訶不思議な話です。

ユーロ実行為替レート

もう、これに関しては何も言うことはありません。ドル、円と同様、GDPもみておきましょう。 

これをみていると、経済回復など無理なのに、なぜ、QEを停止したのか不思議に思います。2018/1-3月期2.4ということは、今期も減速が続くことが決定的になります。
ユーロの苦悩は続くことでしょう。ただ、ユーロドルに関してはよく考えてください。アメリカは経済のピークからの鈍化ですが、ユーロは、底近辺からの立ちあがりです。
つまり常識的に考えて、アメリカの減速のほうが、ユーロの成長よりも大きいので、ユーロドルは相対的には上昇するはずなのです。だから、ユーロドルは買いになる筈なのですが、現在のところ、下向き方向は一切訂正されていません(笑)。
なぜ、訂正されないかといえば、トランプが政府閉鎖なんかやって意図的にGDP発表を遅らせているという、推測の上に推測を重ねても仕方のないことですが、結果、2/28まで発表されないことになっている訳です。ここまでアメリカが減速しているなんて確認ができない訳です。
(この記事を書いた人:角野 實
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