おはようございます。ドル円を中心に動意がなくイライラしている方も多いと思います。これも、相場であって眺めているほかありません。
きのうもご説明した通り、今回の同意のなさはアメリカの「ドル安」から発生しているものであり、このドル安は動かしようがない、ということになります。
何が動けば同意づくのか?
では、何が動けばよいか、といえばユーロが去年の年末にユーロ高を決定したように、ユーロが高くなれば私の思惑通りの動きになりますが、さらに安くなると私の思惑とは逆にいくと思います。
ここ数日、絶対値と相対値の違いを説明していますが、この考えをマスターすれば、だいたい動きがわかるようになると思います。
この絶対値、すべての通貨が弱い場合には、通貨の代替である、金を筆頭に上昇をする訳です。そのほか商品相場も下がる訳がありません。そして株は通貨が弱くなっているのですから、インフレ懸念が起きますので上昇という構図になります。
ただし、株価に関してはインフレということは通貨の信認が揺らぐことになりますので下がるときは一気、ということになります。債券に関しては、そもそも通貨の価値が下落をしていれば本来は金利上昇にならなければいけないのですが、横ばい、というのも、政治的な思惑になります。
経済原理にそぐわない状況ですのでFRBが相当なコントロールを利かせている、と想像することができます。
なぜドル安は7月までなのか
私が、6月まで、物価は上昇しないなんて言っていると皆さん、右へ倣えで6月から利上げとかほざいています。勘違いかもしれませんが、何を根拠に言っているのか、なぜ、6月なのか、の根拠を言え、と言っておきます。
私が6月と言っていた根拠は、消費者物価がドル高によって今後、下がる可能性が高いからです。それは6か月遅れで反映をされる、ということが根拠になります。
では、今回、7月と言った理由は非常に単純な話で、6月の経済指標、特に物価などの発表は7月に発表されるからです。苦しい言い訳だと感じた方、正解です。本当はもっと別なところに根拠があります。
ともかく物価が上昇する可能性が低いのに、その上、ドルは政治的に下方向に誘導をされていますので、ドルの上値は重いということになります。
よって利上げは6月のFOMCに経済指標は間に合わないので9月になる、というのが一般的な見方であり、6月とかほざいている方は私からみればアホとしかみえません。
インフレ懸念について
株価はドル安ですから上昇をしている訳です。その上に低金利、という去年と同じ条件で推移をしているのです。つまり、この株価が崩れる条件というのは、ドル高と高金利が株価が崩れる原因になります。では、この条件、ドル高、高金利が達成する条件について考えたいと思います。
ドル高が達成される条件については、要するにトランプさんとパウエルさんがその方向性を決定しているのですから、彼らが、ドル高に転換すると発言しなければ、ドル高にはならないでしょう。
そのほかの可能性としては、世界的な危機が起こることによって、ドル高が示現する可能性が高いのですが、現時点でその可能性は20パーセント以下です。
要するにドル安トレンドに楔を打ち込む可能性は少ない、ということです。低金利も政治によって決定されていますので、その傾向は変わらない可能性が高いということになります。つまり、上記の条件には、株価が崩れる可能性というのが少ないのです。
しかし、本日、アメリカのCPI発表になりますが、この数字はコンセンサスも下がりますし、上記で説明したように6月発表まで下がり続けるでしょう。
つまり、インフレ懸念などはマーケットには存在をしないのに、存在すると騒いでいるのがアナリストやメディアなのです。こいつらがインフレ懸念、と騒いでいて、値段が上昇しているうちは、大丈夫でしょうが、ひとたび、逆回転をすれば崩れる可能性があります。
そのときにドルは下げ加速ですから、ユーロ高にいき、相対的に円高に行く訳です。今回は、これが起点となって、円高になるのではないのかな、と考えています。
(この記事を書いた人:角野 實)