おはようございます。きのうは日曜日で編集がお休みなのを忘れていました。
本日は、先日、ご紹介をしましたGDPからマーケットを読む方法を記したいと思います。これを読めば、経済指標がわかっていない人が相場がわかる訳がない、というのがよくおわかりになると思います。
日米のGDP
アメリカGDP 7-9月 前年比 3.0パーセント
前年同月比 3.4パーセント
日本GDP 7-9月 前年比 0.0パーセント
前年同月比 ▼0.6パーセント
のようになっています。
GDPの発表日を知っている方は、10-12月の発表がアメリカはすでに1月末に発表があったのでは? と思うかもしれませんが、政府閉鎖によって、第二次速報に収れんすることになりました。よって速報値、改定値ともに2/28発表になります。
日本のGDPは1か月半遅れになりますので今週、発表になるでしょう。これは大一次速報と呼ばれるもので、第二次速報が昔の確報値になります。
アメリカの10-12月の確報値は3月末になります。さて、ここから計算方法になります。
まず前年比の計算です。アメリカは3.0で日本は変わらずの計算になります。
アメリカ103.0÷日本100.0=1.03
つまり去年(2017年)と比較して3パーセント上昇をしたことになります。
2017/9/29の引け値は、112.46になります。そこから3パーセントの円安になりますので、
「112.46×1.03=115.83円」
が本来、適正な水準になります。
2018/9/28の実際の引け値は113.69円になります。しかし、実際には114.55円までの高値を出していることからほぼ適正な水準まで円安になったことになります。
本来は115円まで円安にならなければいけないものが、113~114円までしか円安にならなければファンドは自動的に損切りをしますので10月から相場が急落をしたのです。
では、一方で前期比で考えてみましょう。
アメリカ 7-9月 前期比 3.4パーセント
日本 7-9月 前期比 ▼0.6パーセント
「アメリカ103.4÷日本99.4=1.04」
4パーセントほどの円安が進行しなければなりません。
では、2018/6/末の数字はいくらか、ということになります。110.72円になります。
110.70×1.04=115.12円になります。
これは、前年比の数字が115.83の理論値になりますので、ほぼ、一緒になる、だから、9月の数字が115円くらいまでいくであろう、と私は言っていたのですが、実際にはいかなかったから急落したのです。
その原因というのは7-9月に起こった日本の自然災害の多発です。これによって日本の理論値が上記のように99.4となりましたが本来は101程度で割らなければいけなかったのです。
これを計算すると、
「アメリカ103.4÷日本101=1.023…」
「110.7(6月末の数字)×1.023=108.21…」
この数字をみれば、日本に自然災害がなく、成長していれば本来は円高になっていたということがわかります。
一方でGDPが確定することによって、10-12月の相場を決定する側面もある訳です。たとえば、日本は7-9月で自然災害があったのですから、10月にそれを取り戻す可能性は誰でも少し考えればわかることだと思います。
つまり7-9月に日本の事件、災害によって余計に円安に行った分を、10-12月が円高で訂正するはずだということを考えれば、12月の引け値は円高になるはず、と考えることができます。だから、私は年末は円高、と予測していたのですが、円安になるなんて言ってご迷惑をおかけしました。
これを計算すると、
113.69(2018/9/末の数字)÷99.6(前期は4パーセントの上伸をしたので、4パーセントの減価と単純に計算)=103.27
1/3の安値104円と近似をするということです。
これが、GDPからの予測方法になります。
では、これからのことを考える
アメリカの成長は前年比で2~2.7パーセント程度の成長と言われています。日本は災害からの立ち直りと、中国経済の減速が相殺する形で0.5~1.2くらいでしょう。
(2~2.7)÷(0.5~1.2)=4~2.25になります。これに年末の引け値、109.6を掛け合わします。
109.6×(1.04~1.0225)=113.98~112.06が今年の3月末の引け値予想になります。
実際にやってみれば、おわかりになると思いますが、どの数字を計算しても、この数字と近似した数字しか出てきません。ただし、この計算をやるのには、GDPに対する深い理解がなければできません。
(この記事を書いた人:角野 實)