連日、多忙の中、アウトラインしか解説ができなく申し訳なく思います。ただ、これを理解すれば、ある程度の相場観を組み立てることができますので、個人的にはみなさんには理解をしてほしいと思います。
前回はPMIからマーケットのアウトラインを組み立てる方法でしたが、今回は、GDPになります。PMIは一番、発表の早い経済指標になりますが、逆にGDPは一番遅い経済指標になります。
しかし、その正確性は十分にあり、経済面での政治の動きなどはすべてこのGDPを基準に動いているので、この数字に逆らうということはあり得ません。
つまり、政治はGDPを中心に動いており、政治の動向次第で経済が動き始める、ということになります。GDPの特徴は正確性、PMIは、速報性ということを覚えてほしいと思います。
18年、世界で一番成長しているのは?
ナイジェリアという国で、私もこの国の発展要因はよくわかりません。アフリカの国で石油が生産国です。中国との結びつきも強い国になります。
注目はベトナムで、バングラディッシュに次ぎ、世界3位の成長率、6.88パーセントです。アメリカの3.0、日本の1パーセント台、中国の6.4と比べれば、異常に高い数字になることはお分かりになると思います。
最近の米朝交渉で、次回の会談がベトナムのハノイになることが決定をされたのですが、このベトナムが社会主義国で最も成功した国、と形容されるのはこのGDP成長率のためです。
こういう数字を把握をしておけば、ニュースでもっとも成功した国と形容される場合は、たいていの場合、GDPを指している、ということがわかります。
つまり成功した国、という言葉自体は誰でもわかると思いますが、その根拠となる数字がニュースには必ずあり、何気ない言葉であっても必ず言葉の裏の意味があるのです。
底の浅い、アナリストや専門家にはこの裏の意味が全くなく、言葉通りの表現しかできないものですから、パッチもんというのはすぐにわかるのです。
逆に、言葉の裏の意味を多発する専門家というのはよく調査、研究をしていますので、私は話を聞けば、この人がよく勉強しているかすぐ、わかるものです。
なぜなら、そういう人たちの発する言葉というものは論理に矛盾がないのです。不勉強な人が発言すると、何も考えていないので、発する言葉すべてが矛盾に満ちたものになるのです。
よく勉強されている方は、その矛盾が出るところを熟知していますので、その矛盾をきちんと調べているものです。ですから言っていることに筋が通っている訳で、聞いていて安心ができるものです。もちろん、予測の正確さというのは別問題になりますけど。
ともかくこういうことは自身で研究、調査をしていないとわからないことで、勉強している人ほど、そういうものには間違いなく敏感なものです。
要するに、なぜ、米朝会談の場所がベトナムになったのかといえば、社会主義で一番成功していること、前回の会談はシンガポールで、資本主義で成功した場所ということで調和がとれるようになっているのです。
この会談場所から、アメリカは北朝鮮の共産主義を認めている、という側面も発見できますし、なぜ、ベトナムが選ばれたかの理由というのもGDPを知っていればそれなりに理解できるものなのです。
GDP比較 前年同月比(2017/7-9期との比較)
・アメリカ:3.0
・中国:6.4
・豪:2.8
・メキシコ:1.8
・トルコ:1.6
・英:1.5
・ユーロ:1.2
・南ア:1.1
・日本:0
GDP比較 前期比(2018/4-6期との比較)
・アメリカ:3.4
・南ア:2.4
・中国:1.5
・ユーロ:1.2
・英:0.6
・豪:0.3
・メキシコ:0.3
・日本:▼0.6
・トルコ:▼1.1
まとめ
今回は、数字だけを列記しておきます。この解説は明日、致します。わかることは、日本が下位にいて、なんで円安と連呼するのか、まったく非合理的なロジックを連呼するアホが大勢いるということです。
このように数字を根拠に考えていくと、日本が円安になる、一時的にはあるかもしれませんが、長い目、5年、10年のスパンで考えていくとあり得る訳がない、というのはおわかりになると思います。(日本が年3パーセントも成長する「奇跡」の可能性はほぼゼロ、です、現時点で)
そして大事なことは、為替は相対値であって、ドル円であるのであれば、ドル÷円によってその数字が出るということです。ユーロドルならユーロ÷ドルです。これを何度も口すっぱく言っているのに、円だけをみて円高か、なんて言っている方は学習能力があるのか?と疑問を感じます。
私の言っていることはすべて過去の積み重ねであり、過去のことを理解していないと、おそらく言っていることは理解できないと思います。
ここに書いてあることは、為替の基本中のキホンであり、専門家やプロでも理解していないアホが多すぎるのです。そういった意味では、本当のキホンが書いてあると自負しています。
(この記事を書いた人:角野 實)