おはようございます。私事によってだいぶ多忙を極めておりご迷惑をおかけしています。今朝は遅くなりましたが、毎月行う予定のPMIからの為替分析になります。
1月の鉱工業PMI
12月 1月
アメリカ 53.7 → 54.9 △2.2パーセント
ユーロ 51.5 → 50.5 ▼1.9パーセント
中国 49.7 → 48.3 ▼2.8パーセント
日本 52.6 → 50.3 ▼4.5パーセント
英国 54.6 → 52.8 ▼3.4パーセント
豪州 50.0 → 52.5 △5.0パーセント
トルコ 44.2 → 44.2 ±0.0パーセント
メキシコ 49.7 → 50.9 △2.4パーセント
南ア 50.7 → 49.9 ▼1.6パーセント
PMIに関しては今更解説をする必要はないと思いますが、50が好不況の境目であり、50以上で好景気、50以下で不景気というのが判断基準になります。
最近、どこのメディアでもいうことですが、中国が不景気である、というのはこのPMIが50以下であるということが条件です。さらにイタリーがリセッション入りというのはGDPからみたものでこれは二期連続(6か月)でマイナスですとリセッション入りというコンセンサスによってイタリーはリセッション入りといっています。
ともかく、中国やトルコが不景気である、というのは反論の余地がないことになります。そのほか、先月、オーストラリアが50ちょうどであったのが、今月、2.5パーセント回復しています。南アは逆に50割れという状態です。
これをいつものように順番に
アメリカ:54.9>英国:52.8>豪州:52.5>メキシコ:50.9>ユーロ:50.5>日本:50.3>南ア:49.9>トルコ:44.2というような為替相場の力関係になります。
さらに先月比で比較をしていきます。
豪州:5.0>メキシコ:2.4>米国:2.2>トルコ:0>南ア:▼1.6>ユーロ:▼1.9>中国:▼2.8>英国:▼3.4>日本:▼4.5になります。
まず、絶対値である上記の不等式の説明をしていきます。絶対値では断トツにアメリカの景気が良い、訳なのですが、トランプ大統領が去年から言うようにアメリカの金利を上げるな、と騒いでいるのです。
要するに、アメリカドルが一番強いのに、トランプさんはドルを強くするな、と言っているのに等しいことです。ですから、最強通貨といっても、強くなれない原因がありますので、ドルを素直に買えばよいという訳ではないと考えています。
次に、イギリスになりますが、ご存知のように混乱の最中になります。ですから、絶対値では強いですが、2番目の相対値でみると、日本に次いで二番目の下落率になりますので買えません。
そうなると上位3つの国に絶対値も相対値も入っているのは豪州、すなわちオーストラリアになりますので2月はオージーの買いになります。
しかし、クロス円になる、日本は相対値(二番目の不等式)では最悪の値になりますので、円高になります。つまり豪円相場というのは、豪が買いになり、円が円高になりますので豪円は日本の悪さが目立つことになりますので、今後、若干売られる傾向になるということになります。
となると豪州と一番良いペアは何になるかと考える訳です。絶対値では南アやトルコが候補に挙げられますが、これは、あまり商いがない(薄商い)になりますので対象外になり、選べるのはユーロオージーということになります。
相対値の下位グループを見ると、ユーロ、イギリス、日本になります。日本は円高になりますので豪高、円高になりますが方向性が違うので、さきほど言った通り、豪円は対象外です。
となるとユーロ、ポンドオージーペアが一番、今回は動くということになります。実際にチャートをみてみると、それほど大きくは上昇をしていません。この理由は、マーケットというのは絶対値で動くものであり、オージーの絶対値は52.5です。この数字が良いか、悪いかでいえば、普通の数字であり、むしろそれほど良い数字でもない、ということです。
アメリカの54.9にしても、去年まで60とかをみていると、すごい数字ではない、ということです。つまり、比較すると(相対値)、アメリカは良い数字に見えますが実態はそれほどよくない、ということなんですが、アメリカ株は上昇している訳です。
こういう数字をみると、私などはアメリカ株がフロックであろう、と言ってしまう訳です。つまり世界各国の株などは実力以上に買っている、プチバブル状態だろうね、と思うのです。
こんなものを買いたくはない訳です。話を元に戻すと、買うのであればオージー、売る、つまり円高になるのが日本円になるということです。
でも、実際、マーケットはその通りになっていないじゃないか、ということになりますが、おそらく今月の円は円高になるだろう、と考えています。
きょうのポイント
ようやくトランプ大統領の一般教書演説が本日、日本時間に行われます。
ここで何を言い出すのかがマーケットの最大の関心事になると思います。個人的にはきょうがピークだろうな、とは思っています。
(この記事を書いた人:角野 實)