角野は、新年であっても今年は通常運転です。さて、早々に、トランプ、習会談が行われました。これも、想定外のことでもなく、昨年、中国からアメリカ国債売却の話をここでも散々に取り上げたことを思い出してほしいと思います。
トランプさんの行動というのは、去年の復習か、直近の経済指標から読むことができます。
つまり、今回の行動は、去年、中国からアメリカ国債売却のリークが出た時点で、今年はそんなリークが出ないように事前対策を打つことはある意味、想定内のことでした。
一番考えなければいけないこと
まず、昨年からトランプさんはFRBに対して「利上げをするな」とさんざんに文句を言っています。どうせ、いつもの、文句たれ、と考えてはいけません。
去年から何度も指摘をしていますが、この金利を上げるな、と騒いでいるのでは、結局、マーケットに対してドル安にしろ、と言っているのと同じです。
すなわち、物価はドル高なので、これ以上金利は上昇しない、そしてFRBがドルが利上げをすればドル高になるのですから、トランプさんは、実質的に、FRBとの喧嘩を装って、ドル安にするぞ、と声高に宣言をしていたのです。
しかし、いつも言うように為替というのは相対値であって、その比較する通貨が高くならなければ、ドルは安くならない。ドルに対して、最も相対的な通貨というのはユーロなのですから、ユーロが高くならなければドルは安くなりません。
ユーロはQEの停止を今年から行うのですから、きのう、きょうから、ユーロ高になるのです。ユーロ高なら、ドル安、引いては円高になるということです。去年からドル高だと言いつつも、年初の経済指標などから円高の注意は発していたつもりだったのですが、いかがでしょうか?
レッドブック
年初、一発目の指標はレッドブックと言いました。この予測値、コンセンサスは、民間企業の発表なので出ていませんが、去年の年末の数字よりは悪くなっていることは市場も織り込んでいると思います。
なぜなら、すでに年末商戦は終了をしており、新年あけの相場になるからです。今回の発表は少しだけ年末も含まれているでしょうから、多少、その影響も受けて高くは出るかもしれません。
つまり前期比マイナスは確実なのですが、問題は前年同月比になるのです。2018年の年初は2.5程度の数字でしたから、前年同月比でも、おそらく、プラスで入ってくると思います。
なぜなら、従業員のお給料は3パーセント程度増えているのですから、売り上げは増えて当然です。ただ、年末の相場はこのレッドブックの前期比、前週比の通りに動いていましたので、これは見なきゃいけません。
ISM製造業
私から見ると、これが年初の米国経済の第一関門で、フィラデルフィアやメトロポリタンの数字を見ると、コンセンサスが「57.9」なんてどうみても、大きい数字のようにしか見えない。
また、例によってAIなどもこのISMの数字はカテゴリー別けすると絶対値の数字なんだけど、人間の数字を絶対値として評価する時点でセンスが全くないけど、金融に詳しくないプログラマーがAIを組むとこれも相対値にしてしまう。
何が言いたいかといえば、去年の1月は59台だったのふぁ、今年は57の予想になるわけです。何パーセントマイナスなのかは各自で計算してほしいのだけど。
このISM製造業に該当するマーケットは言うまでもなくダウ工業株になるわけです。つまりこの発表がマイナスなら株価もマイナスになる可能性が高いということです。
でも、実際問題、去年よりも今年のほうが悪いなんてあり得る訳がないのであって、でもマーケットは出た数字を信用する訳でしょ。実態とあっていない数字でも。これはテクニカル分析も一緒のことでしょ。
でも、ファンダメンタルズは去年より良くて当たり前なんだよね。だから、いつも言うように、テクニカルなんか信用しすぎるとロクな目に合わないということです。
(この記事を書いた人:角野 實)