おはようございます。年末年始もなんのその、角野は平常運転で行きますが、世の中が浮かれていると流されそうな自分も怖いものです。
いくらクリスマスだのハロウィンと騒いでも、年末年始のうかれっぷり、日本は違うよね、と思います。今朝は、だいぶ前に質問をいただいた日本とアメリカの経済格差は約4倍あるということについてお話しをします。
そして、計算問題も増やしてくれ、ということですので、それも書いていこうと思います。今回の概念は基本中のキホンですので理解したほうがいいと思います。
日米GDP比較方法
日本とアメリカの経済格差を図るものはファンダメンタルズで計算をします。つまり経済指標、ファンダメンタルズの王さまはGDPであり、その比較はドル建てで行うのは世界の常識です。
安倍さんが「GDPを600兆円にする!」とほざいたようですが、日本が成長しなくても為替を円安にすれば、ドル建GDPが少なければ意味がありません。
政権後半に円安にしようと必死になるかもしれない、ともこれから念頭に置かなければいけません。参考までにドル建てGDPを名目GDP、円建て、ないしは自国通貨建てGDPを実質GDPといいます。
あくまでも為替で使うのはドル建てである名目GDPです。為替の世界で実質GDPは何の意味も持ちません。
具体的な計算方法
それでは、実際にやってみましょう。最新の日本とアメリカの名目GDPは、
・アメリカ:19391兆ドル
・日本:4872兆ドル です。
ドル円なのですから、ドル/円でその解はもめられます。「19391÷4872=3.980….」
故に「1ドルは3.98円」くらいが適正レートとなるのです。前回、約4倍だよ、と言ったのはこのためです。
未来比較
非常にかんたんですが、アメリカは今後も人口が増え、そして経済成長をするのですから、アメリカのGDPは拡大して、日本は少子高齢化をして人口は横ばいですから生産活動は停滞する訳です。
今後の経済活動は、現状でもそうですが、「アメリカ>日本」になるのです。この場合、GDPをドル円で考えた場合、ドル円レートはどうなるか、自分でお考えになってください。
なぜ、円高になるのかを理解するのにたぶん、1年以上かかります。それを真剣に考えれば、間違いなくわかります。でも、みんな、真面目に考えないでしょ。どうせ、自分にはわからない、と思って。
とりあえず日本の経済成長が減って、アメリカが増える計算をしてみなさいよ。そうすると、角野の言っていることが間違いじゃねーか、というのがよくわかりますが、間違えているのはあんたなのです。
なぜ、そうなるかを考えるのには1年かかることをここで説明せよ、と言っても無理です。
考えるヒント
たとえば円ドルレートというものも存在します。
私たちが普段見るのは、ドル円レート。その計算式は「ドルGDP÷日本GDP」になるのです。これはそれを逆にしただけですから、「日本÷アメリカ」にすれば円ドルレートが算出されるのですね。
では、実際にやってみましょう。「日本4872÷アメリカ19391」この答えは、「0.2512」くらいです。
でも、実際のレートは「0.0091」くらいです。さて、なんで、こんな乖離が生まれるのか?ドル円も実際は3.98くらいなのに、110円台ですよね。
ユーロドルを参考に
ユーロは2000年に登場した通貨なので比較的、歴史が浅いので、ロジカルな動きをするという特徴があります。では、上記と同じような計算をしてみましょう。
・ドル:19391
・ユーロ:12590
ユーロドルですから、「12590÷19931=0.63167…」実際のレートは「1.14」ですよね。
本来は0.63なのに、実際は1.14です。実に45パーセントも割安なのです。日本は70パーセントくらい割安、中国に至っては200パーセントくらい割安なのです。
つまりドルが高すぎるからトランプさんが文句を言うということがおわかりだと思います。参考までにカテゴリーが違いますが、どんなに基準値から離れても3割という法則があります。
つまりユーロは、本来なら、0.63の3割増しくらいが適正レートになるのです。「0.63×1.3=0.819」「1-0.819=0.181」今回のドル高でのユーロ安の極限が、11/13の「1.122」です。私は安値を1.2くらいとみていましたので、この値段は楽勝で拾えるということになります。
(1+0.819=1.819が安値になるだろうとみていたのです)
さて、ちっともロジカルな説明ではないのですが、これを理解するのに10年くらいかかるだろうね、ということです。参考までに2015年くらいでユーロドルの適正値と、実際のレートの乖離は1割くらいです。
この3年くらいで45パーセントも乖離をしてしまったのは、ユーロの地盤沈下のためです。だから、ユーロなんか、ダメだというのにユーロは買い、買いとテレビで言っていると私は頭にくるのです。
で、このレートが実際の値と比べて大幅に乖離をしているのですから、トランプさんはプラザ合意のようにドルの引き下げを提言しても全然、おかしくない、ということです。
少し、現在の相場を
ドル円は二番底のような感じです。セオリーは大事だね、と、改めて思います。マーケットは二番、三番で底を固めてから、立ち上がるセオリーということです。しかしドル安なのにユーロドルは上昇していませんよね。変わりに金が上昇している。
これをロジカルに説明しなさい、と言って私はできません。その上、債券は新高値ですね。債券高なのだから、本来はドル高にならなければいけないのですが、実際、ドル円はドル安です。
おそらくファンドが消費税増税で日本から資金をにげさせているだけの話でしょう。消費増税でどんなに対策を打っても落ち込むのは変わりがありません。新年でまた間抜けな顔をしたアナリストが今年も日経が高いと叫ぶのしょう。あり得る訳がないでしょうに・・・
でもファンドは最近、何の銘柄でもひん曲がっているので一概には否定できません。来週からは米国市場は商いが戻ってくると思いますので、そこまでは意味不明相場なので
しょう。
しょう。
(この記事を書いた人:角野 實)