おはようございます。なんだか、寒いし、マーケットの動きも薄商いの影響で訳がわからない動きです。言えることは世界の景気は後退気味なのですが、決して、不景気ではないということです。
メディアは不景気入りするのではないか、と騒いでいますが、毎年、冬になると騒ぎ立てる恒例の行事です。アメリカは例年通り悪くなるけど、どうみてもそれが景気後退になると思えない。
そして、その報道を受けてアメリカの金利が低下してきており、リスク回避状態です。そのリスク回避の先頭にあるブレグジットの解説をしてまいりましょう。
ここまで解説しているメディアはないと思う。
具体的にブレグジットの工程表を表にしておきましょう。
1.イギリス内閣でブレグジット案を決定(11/16)
事象:この政府ブレグジット案に反対した閣僚4人が辞任。そして兼任を命じられた閣僚が辞任し、議会にメイ内閣の内閣不信任案を議会に提出→規定人数に達せず未提出。
2.イギリス政府はEU委員会に政府ブレグジット案を提出し、EU委員会は前回一致で可決(11/26)
事象:トランプ大統領「EUにとっては最高の提案だが、米英貿易にはかなりの禍根となるだろう」
3.イギリス下院での審議(12/5~12/10)
事象:審議初日
法務長官のコメント公開を求め、議会は紛糾。政府は法務文書の公開を拒否したために、議会は議会侮辱罪を提出、可決11日の採決でブレグジット案が否決された場合、議会が政府案に対して修正案を出せることを可決。
審議2日目、3日目
政府は一転して、法務文書を全公開。そのなかで北アイルランドとのバックストップ問題をめぐり、再び紛糾。
4.この週末にメイ首相が11日の採決を延期することを検討していることが報道される。
以上がブレグジットをめぐる動きになります。
ポイント
どちらにしてもこの政府ブレグジット案がイギリス議会下院で可決される可能性は非常に小さく、焦点は、この政府案が大差で否決されるか、小差で否決されるかの問題になると思います。
この意見は私見になります。つまり、否決を前提にイギリス政府、そして議会下院も行動しているということです。否決の場合は審議初日に決定したように議会が政府案に修正案を提出することが可決しているということを前提に動いているということです。
この否決が小差の場合は大幅な修正は政府としても飲めませんが、大差の場合は大幅に譲歩しなければいけないのです。
この週末にメイ首相が11日の採決を延期するか否かを10日、つまり本日に決定すると言明をしていますが、大差での否決の可能性があるので延期をすると言っているのだと推測されます。
今後の見通し
このブレグジットのEU委員会との合意のタイムリミットはおそらく年内になると思います。この場合、キリスト教国であるイギリスの場合はクリスマス前には決定したいというのが政府、議会の本音でしょう。
クリスマス以降は本格的なウインターバケーションであり、議会は休日出勤をするほどの熱意があるか疑問になります。はっきりいえば、私もどうなるか、さっぱりわからない、というのが本音です。
急転直下、合意する可能性も高いと思いますが、現状は、かなり厳しいかな、つまりポンドに上がり目はあまりないかな、という意見に傾きつつあります。どちらにしても現状の相場は動いていませんので、玉を傾けるのは動いてからでも、という思いもあります。
フランス暴動
ドイツもフランスもイギリスもめちゃくちゃでスペインの地方選挙は与党が負けるし、ま、もうめちゃくちゃな状況です。あ、イタリーもそうですね。メルケルの党首選はメルケル子飼いの人が勝ちました。
これで、一応、メルケルは21年までは首相を務めることができる可能性が出てきましたが、政権を維持できれば、という前提条件つき。今後の選挙は地方選を含めて惨敗をする可能性が高いと思います。フランスの暴動は、これは誰がやっているのかさっぱりわかりません。
少なくてもフランス人ではないと思います。これは中間選挙前にアメリカメキシコ国境に職を求めて、難民が行列を作っていましたが、あのニュースも映像の一部を切り取っただけの可能性のほうが高いと思います。
今回のフランスの場合、暴動はかなりの広範囲で行われていると思いますが、実際にフランス人がやっているとは到底思えません。こういう事実の推測はどうでもいいのですが、マクロン大統領の支持率が20パーセント程度で政権がもつのか、という事態に今後、発展していくことが問題なのですね。
ユーロも、イギリスもボロボロ状態というのが、現状なのです。相対的にドルが高くなるのに、アメリカはチャイナショックで株価が急落。ロジカルには説明できません。
(この記事を書いた人:角野 實)