おはようございます。イギリスのブレグジット交渉がEUとの間で合意をしたことでポンドが急騰。つられてユーロも同時に上昇。はっきりいえばよくわかりません。
ブレグジットの国民投票後の混乱の二の舞を避けるために今夜の閣議は了承されるでしょうし、欧州委員会も承認するのでしょう。25日に正式合意になるらしいです。
問題は議会で、1/7に採決を取るらしいです。本日は、先日、先進国の鉱工業生産と為替を比較しましたが、今回は、新興国と為替を検証していきたいと思います。
トルコの分析
非常にみにくいのですが、中段がドルリラ相場です。このドルリラはドル円と同様に、下にいけばリラ高、上にいけばリラ安になります。日付も2016/1/1から8/31までで合わせておりますが、鉱工業生産と為替の関係においては非常に関係が薄いと感じます。
最近は動きすぎて、むしろ、私が普段から言うようにトルコリラの場合、金利と大きく相関をしています。要するに、トルコは金利が急騰しすぎたので、この金利が少なくても低下をするまでは、金利と為替、FXが相関をすることになると思います。
注意をしたい点は、FXのリラは割安すぎるということです。つまり、強い材料、たとえば金利安には極端に反応をし、そして弱い材料には薄い反応しか示さないということです。
この理由は割安だから、という一言に尽きると思います。要するに対米関係でも片付いたとかいう専門家もたくさんいますが、イランの問題が片付けば、再び、トルコとアメリカの関係は悪化するはずであり、対米関係は改善する訳がない、というリスクがあるということです。
トルコは、現在、政治の問題ではなく、高すぎる金利という経済の問題で推移をしているのです。現在は政治の問題ではないが、将来は再び、米国との関係が悪化する可能性があると私は見ています。
メキシコの分析
メキシコもトルコと同様、最新の鉱工業生産に日付を合わせて2016/1~2018/9/11までを掲載しています。なお、ドルペソもドル円と同様になります。
このグラフをみていると鉱工業生産、金利と為替の関係に全く相関性は見られません。言えることは、鉱工業生産が上昇するとペソ高になり、輸出が止まれば、ペソ安になるということです。
メキシコは、トランプさんと新合意に達しましたが、やはり工業製品と原油が主な輸出商品になります。このような工業生産と為替の関係の国は、私もあまり見たことがなく不思議な関係だな、と感じます。
金利面においても、金利がこんなにも上昇してしまえば、経済失速が懸念されます。ただ、冬の季節は、アメリカの北や中国の輸出攻勢が止まりますので、冬の間はメキシコ経済が好調になるのです。
これは南アも南半球で季節が反対になりますので、冬の間が好調というのはおわかりになると思います。
南アフリカの分析
南アフリカも最新の鉱工業生産の発表が9/11になりますので、日付は2016/1~2018/9/11にしてあります。南アの場合はトルコとメキシコを合わせたような感じになります。
鉱工業生産が強くなるとランド高がある程度進みますが、今年の夏以降は、金利高に反応をしているのはおわかりになると思います。南アは9パーセントの金利で経済失速が起こっていますので、メキシコの現在の金利水準になってくると非常に注意が必要になると思います。
もちろん、経済事情は国々によって違いますので同じ土俵で比べるのは危険になります。ともかくランドが上昇するのには、トルコと同様、金利の低下がまず必要だということになります。
まとめ
新興国の経済は主に、金利によって現在は左右されているというのはおわかりになると思います。つまり、この夏から始まった金利の急騰は新興国経済を苦しめているのです。
しかし、ドル金利の上昇、下降によって新興国経済が左右されるのは、新興国の首脳にとっては本意ではありません。その代表格がロシアになるのですが、ロシアはドル上昇と原油急落によってデフォルトが何度も懸念され、実際に過去、デフォルトをしています。
これらのロシア、中国、インド、メキシコ、トルコなどの国は何をやっているか、といえば、外貨準備の中の金を増やしているのです。南アは財政難ですので増やせません。
トルコの財政難とか言っている人はトルコの金準備をみなさいよ、ということです。つまりドル基軸を離れようと試みているのです。つまりトルコもこの中の一員であることを考え、ドル基軸を脅かそうとするならトランプさんは腹の虫がおさまるわけもなく、再び文句をつけることでしょう。
トルコは壊滅的に売られ過ぎてしまい、これ以上やると本当にデフォルトになってしまうから攻撃をやめているだけの話です。ある程度、経済が復活をすれば、また喧嘩するだろうな、と思っています。
要するに、私が新興国でトルコしかほとんど語らないのは、これを現在の値段で推奨をしても大きく負けることなんかないでしょうから、推奨するのです。ほかの南アやメキシコに至っては何を基準に動いているのかさっぱりわからない。
トルコは現在、明確に金利を基準に動いているのはわかります。訳がわからないものは話をしたくない、というのは本音であり、南アやメキシコなど、安ければ買うけど、現在の水準には全く、魅力がない、ということです。本音はこんなものをもっていても動かないと思っています。
(この記事を書いた人:今市太郎)