今週は大外れで、私の運用も久しぶりにマイナス。これだけ外したのだから仕方のない側面もありますが、みなさまにはご迷惑をおかけしました。
やはり選挙相場は本当に、心から下手くそだと思います。苦手な分野があれば努力して克服するほかないのですが、なかなか上達しない自分に腹が立ちます。
今度の選挙の主なものは、ブレグジットの議会承認と、来年4月の日本の統一地方選挙。買っとけばいいんだけど、なんだか、できない。選挙は買いと毎朝、起きたときに叫ぶようにでもするか、とか思ってしまいます。
たぶん、根本的に売りたいだけだと思うのだけど(笑)。ともかく、みなさまにはご迷惑をおかけしました。本日はイギリスの経済指標とマーケットの話です。
イギリス経済指標
ポンドドルと工業生産を比較してみれば一目瞭然なのですが、やはりイギリスは産業革命の聖地であることです。要は、工業生産が伸びれば、ポンドも上昇をしているということになります。
2017/10月に5パーセント近い上昇を見せていますが、これだけ強い数字が出ると、その後、半年間、ポンドは高いままであったのです。要は、ポンドは工業生産と密接な関係がある、ということはおわかりになったと思います。
では、今後はどうなるのか?といえば、最近の工業生産は低調なのですから、今後のポンドは下がる可能性のほうが高いということがおわかりになると思います。
ただし、為替の方向性の決定付けというのはドルとの関係があり、その次にはユーロとの関係が非常に大事になるということです。たとえば2018/4月から景気は堅調なのに、ポンドは大幅下落をしているのですが、これはドル高のためですよね。ユーロも一緒に下がっています。
現状のポンドは、ユーロポンドの支配下にあるのではなく、ポンドドルに重点をおいて値動きがある、ということですね。
工業生産が低調で、さらにドルが続伸すれば、ポンドドルはもっと下がることになるでしょう。その次、くらいにポンドの場合は、工業生産を見ておけばよい、というのが私の意見になります。
ユーロもついでにみておきましょう
下記の通り、ユーロの主要な工業国フランス、ドイツとユーロドルの関係をみると見事に相関をしています。
みなさんは工業生産や鉱工業生産というとなんのこっちゃという感想をお持ちになる方がほとんどだと思います。
今回はイギリスの売りの説明をしようと思ったわけですが、ほかの国も工業生産や鉱工業生産というのは、通貨の価値と密接に関係するわけです。
これでみると中国よりも日本のほうがヤバイ訳ですよ。日本は豪雨や地震があったとはいえ、相当ひどい状況ですね。
で、アメリカだけは別格な訳ですよ。となると、G7、つまり先進国で買えるのはアメリカだけで、ほかは全部売りになるわけですよね。だから、今のドル高状態で、アメリカ株だけは別格なのです。
貿易戦争なんか関係ない、というのはアメリカだけの話であって、ほかの国は全部、影響を受けているのです。日本は、9月以降の数字も、分析をしていくと悪いと思います。これは貿易戦争の影響ではなく中国経済の影響や構造的な問題な訳です。
今回申し上げたいこと
今回はイギリスの説明を書くつもりでしたが、結局、世界の経済の話になってしまいました。この状態であれば、先進国にあるリスクマネーは自国から出ていき、アメリカに行くか、新興国に行くほかありませんよね。それだけの話です。
今回の話で、わかることは、工業生産、鉱工業生産というのはFXにとって重要な指標なのです。この数字によって相場が決定されていると言っても過言ではないですよね。
ただし、この掲載したグラフはみな、前年同月比です。ですから最新のものは8月までの数字しか掲載されていません。では、最新のものは、どうやってみるのか、といえば、前月比の数字がヨーロッパでは出始めています。
これはイギリスの工業生産、前月比のものです。7-9月まで前月比0ですので、グラフには書かれていないように感じるかもしれませんが、0だから表示しようがないだけです。
これよりも早いのはいつも言うPMI指数なのです。景況感指数です。
イギリス工業PMI
10月も続落中なのです。ここから想像するとポンドは売りの可能性のほうが高い、ということになります。じゃ、なんで先週、あんなにあがったの? そんなものがわかっていたら、売って損していません(笑)。
(この記事を書いた人:角野 實)