おはようございます。アメリカの中間選挙を前にドルやポンドが強含んでいます。これは、何度もご説明するように、2016年にこれらのコンセンサスと真逆の結果になったことから、G7を筆頭とする国際金融監視団の存在は表には出ませんが間違いなくあるだろう、ということだと思います。
つまり2016年の二の舞はまっぴら、という思惑だと思います。本日はきのうトルコのCPIが上昇したにも関わらず、10年物国債金利は2パーセントの性ってしまったことについてお話しをしていきます。
各国の金利状況
上記の表は主要各国の金利になります。真ん中の数字は、10年物国債の金利、その右が前日比になります。おわかりになると思いますが、軒並み、先進国の金利は動いていないのですが、新興国の金利は大きく下がっています。
金利が上昇すると、景気が低迷するのは、どういうことか、との解説を先ずしておきたいと思います。たとえば、日本に失われた10年という時代がありました。これはどういう意味かといえば、バブル崩壊によって、日本の銀行は不良債権を抱え、その結果、銀行融資が活発に行われなかったのです。
なぜなら、銀行が不良債権を抱え、リスクのある融資が焦げ付いた場合、積極的になれないからです。つまり、銀行の貸し出しが積極的に行われなかったから、不景気になったのです。
今の不ドイツも国営のドイツ銀行がギリシャ向け債権が不良化していますので、融資が活発に行われないことが不景気の原因です。そして、今回の新興国危機は、ドルが上昇したこともありますが、金利も上昇したことがあるのです。
たとえば、あなたが借金をする場合、金利1パーセントと10パーセントでの借金、どちらでしますか? と聞けば、1パーセントの方、とお答えになるでしょう。新興国の金利は今まで、10パーセントの状態だったのですから、企業活動が活発になるわけがありません。それがここ数日、主に、トルコの金利を取り上げていますが、大きく下がっているのです。
では、金利が下がれば、借金をしやすいのですから、企業活動は資本不足だけども、金利が高いので借りるのには及び腰だったのです。このように金利の低下が鮮明になってくると、もっと大きな資金を借りようと思うのは普通でしょう。
その結果、企業活動が活発になり、株価が上昇、そして最後に通貨の上昇がくるのです。
参考 トルコ
金利
株価南ア
金利メキシコ
上記のグラフをみれば、トルコの金利が異常な高さなことがわかると思います。きのうのCPIは前月比で2パーセント近くも物価が上昇したのにも関わらず、その国債金利は2パーセント近くも下落をしてしまったのです。だから、トルコリラは上昇をしたのです。
ほかの南アやメキシコも同様で、金利が下がれば企業活動が活発になり、ひいては国家のGDPが引きあがるということになります。全体の景気が上向けば、庶民のお給料も上がるから国家全体が繁栄をする、と小学生でもわかる理屈です。
反対にアメリカ株のFANGなど、今迄のように儲からないよ、と書いたのは金利が上昇をしているからです。日本も同様ですので、金利が上昇すれば、景気が冷え込むということはおわかりになると思います。
要するにFRBの利上げというのは何度もここで解説をしていますが、利上げ=景気が良い、と間違った刷り込みをされている方が非常に多いのですが、利上げは一時的に景気を冷やす効果があるのです。だから、利上げをしたら目先は売り、ということなのです。
反対の利下げは買いになるのです。今回の新興国の場合は、市場金利が下がったので目先、買いになっただけの話です。
マーケットの基本
マーケットというのは、去年のうちにほぼ値動きは決定している、というのは何度も触れている通りです。しかし、現実の動きは国債などの市場金利によって左右されている、ということです。
だいたいの動きは私がつかめるのはそのためであり、曲がるの市場金利の動向を間違えているからです。さて、今後は市場金利の動向をどう読むかが私の課題です。
みなさんの課題はなんでしょうか?マーケットは中間選挙の投開票が終わるまで、お休み、かな、と思います。なんか最後のダメ出しの下げ、上げがありそうで怖いですね。
(この記事を書いた人:角野 實)