まだ暴落は続くよと書いていて、きのう案の定、暴落しています。そもそもこの暴落読めたのでしょうか? 今回は、その検証を行いたいと思います。
テクニカルについて
ほとんどのみなさんはテクニカルが大好きでしょう。私から言わせれば、なんで火曜日に底を打ったなんてへーきで言えるのか不思議です。ネットでここから買いとか言っている連中にしても、テクニカルが本当にわかっているのだろうか? と思います。
アメリカ株も日本株も、底打ちの気配さえ、現在でも感じられない状態で、もう、底だ、底だと付和雷同で言っています。
もちろん、火曜日より、本日のほうが少し、底の形を形成しつつあるな、とは思いますが、最後のダメ出しというのは一番ひどいものがあるという経験則からいえば、もう、買ってもよいよ、とはとても言えるような状態ではないと思います。
私が常日頃言うように、テクニカルには全く根拠がない、だから、あまり声高には叫ばないのですが、そもそもこのテクニカルで目先の底を打った、と平気で言える人のほうが、頭がおかしいと思っています。
その方に言いたい。本当にお前、儲かっているの? と。テクニカルほど根拠がないものはなく、しかもその勝率は50パーセント以下。それを信じるほうがおかしい、と思うのが普通です。
勝率50パーセント以下ということは、サイコロを転がしたほうが早い、ということです。これ、学問ですか? 実証実験に役立つものですか? よく冷静に考えればテクニカルなんて根拠など何もないのです。それに派生するAIも同じことです。
ファンダメンタルズについて
株価が急落したときは、とりあえず、ヘッジの手段としては債券が挙げられます。どこの経済学の教科書にも掲載されているのですが、リスクの高い金融商品はヘッジが必要である、と書かれているはずです。で、実際のマーケットではファンドは株を買い越しにしていれば、必ず債券を売っている訳です。
このバイ&セル戦略をとっていないファンドはほとんどないと言っても過言ではありません。AIによるHFTでもアービなのですから、きちんとヘッジを利かせているのです。こういうヘッジを行っていないのは個人投資家だけなのです。
だったら、株価が急落して、その下げ止まりを見るためには、債券価格や金利をみればいいだけの話です。それさえも、みていなくて、株が下げ止まっただの、円安だのよくもまぁ、叫べるよね、と思います。
アメリカ金利
日本金利
日本の金利は、きのうからようやく、株を売却して債券買いが本格化をしたのです。債券を買うということは金利の低下ですからね。これだけ、日本の金利が急落すれば、日本の株価に関しては、売却は一巡したと考えることができます。
しかし、きのうの株価急落はアメリカ発なのですから、アメリカの金利はほとんど下がっていません。つまり、アメリカ株に投資家というのはいまだに押し目買いを行っているから債券の金利は下がらないと想像することができます。ここから、株価が更に下がれば、急騰するでしょう。
そもそもおかしいアメリカ金利
まず、金利の上下動に関しての基本は先日、基本を記したと思います。詳細はそちらをご覧ください。あちこちで書いていますので、どこで何を書いたのかは覚えていません。金利が上下動するのは
①物価の上下動
②政府の財政赤字
この2つで上下動をするのですが、先ず、①に関して9月から物価は徐々に下がり始めています。これは、私は、4月に言いましたが、ドル高になっているのですから半年後の秋には物価が下がり始めるよ、と言っています。7月も更にドル高になるのですからPPIも秋から下がるよ、と言っているのです。
物価が下落しているのに、債券金利は上昇というアホな現象が起こっているのです。
そして②の財政赤字は今年前半のメインテーマだったのですが、年初に法人税減税を行っているのです。ゆえに財政赤字が膨らみ、その結果、ドル安に年初からなった、というだけのことです。
この秋からの金利急騰というのは、財政の赤字でもなく、物価の上昇でもなかったわけです。もちろん、9月のアメリカは新年度のスタートですから財政支出はいつものように増えていますが、1月の赤字額増大ほどではないのです。
じゃ、なんで、上昇したの? ということだけなのです。債券需給からだろうね、としか言いようがないのです。つまりアメリカの金利はFRBが利上げをしたのですから、多少は上がるのかもしれませんが、根本的には下がらなければいけないのに、実際は上がっている。おかしいですよね。
参考までにFRBは金利をあげて、債券をマーケットから回収していますので需給はだぶつくはずがないのに、価格が下落する、じゃ、誰が売ったのか、ということになります。
これが、今回の株価の急落の背景だよね、としか言いようがないのです。あと一部で言うファンド解約の45日ルールなど、大昔から言われる定番もありますけどね。
では今後は?
まず、株価が適正か適正じゃないか、という議論がありますが、私は今の水準は適正だと思います。では、債券金利は?どうなのか、といえば、高すぎるというのは上記で読めばわかりますよね。
時間のある方はドイツの金利も見てみるといいと思います。ユーロ危機って、まだ続くんだ、というのがよくわかると思います。どちらにしろ、債券の水準が適正に戻るまで底は打たないと思いますけどね。
金利が安くて、アメリカ経済好調になれば、株価はどうなるか、ということです。物価はこれ以上高くなる見込みもありませんし、ドル安になればその可能性はもちろんありますが、現状、ユーロのゴタゴタやブレグジット、中間選挙が終わるまでは、ドル高維持でしょう。
でも、ドル円ではドル安ということをお忘れなく。もちろん、アメリカは来年も減税するつもり満々でしょうが、選挙結果次第でしょう。選挙結果はこの間書いたように、言われているほど民主党有利ではありません。上院は共和党が勝利、下院は民主党勝利でしょう。
あくまでも予測の範囲です。金利が
安ければ、年末の株価は、日本もアメリカもどうなるかおわかりだと思います。
本日のドル円
きのうの予測は111.99円で0.14円のづれとツイッターに書きました。すなわち111.85近辺が安値になるよ、と書いたのですが、理解できた人はほとんどいないでしょう。
その後、私は112.3円で0.3円づれを根拠に売ったのですが、担がれました。まだもっています。本日は112.61円の引け値予定。ただし、きのうの111.99から0.38ずれの引け。です。
円高はぴったり当たるのが0.38円です。毎日、きちんと検証をしていない人には、本日は難しいでしょう。ともかく今までと場付きが変わったということです。言えることは週末の買い戻しをきのうやってしまったんでしょうね。それだけです。