おはようございます。日本銀行はきのう金融政策決定会合を終え、現状の金融政策を変更しないことを発表しました。この書き方に違和感を覚える方は多いと思いますが、詳細に解説をしていきます。
日本銀行の政策に変更なし
報道機関によって、いろいろな発表の仕方があると思いますが、政策の方針には全く変更がないと、個人的には判断をしています。まだ、黒田さんの会見内容を見ていないので、詳細についてはあまり書けませんが、この発表でなぜ、金融政策が変更されたと騒ぐのかよく意味がわかりません。
まず、長期金利の誘導目標が変更されたと騒いでいますが、これは長引く金融緩和によって金融機関、つまり銀行の財務が非常に弱っていることから、長期金利の上昇を認めたということだけで、この長期金利の上昇を認めたのは特段、政策の変更ではありません。
つまり、長引く金融緩和によって、銀行の今までの主な収益源である「国債保有」からの金利収入が激減をしていることが挙げられると思います。
つまり、どこの銀行も確実に担保できる収入が大幅に減っている、その結果、銀行の財務が極端に弱っているだけです。要するに、銀行がまた債務危機に陥る可能性がありますので、日銀の当座預金のマイナス金利適用を少なくし、その上、金融機関の収益を担保するために長期金利を高めに誘導すると言っているのにすぎないのです。ですから、根本的には「政策に変更はない」ということです。
地方銀行の危機
しかし、先々週あたりから日本銀行の買い指値オペがおそらく、金融機関救済のためのオペであったのであろうと思います。
はっきりいえば、今の地方銀行を筆頭とした経営状況はひどい、しかもそれは経営手腕によってひどい状況によって追い込まれていることが挙げられます。
金融庁が顧客優先の経営を指導していますが、いまだに、そもそも地元にその金融機関が存在する意義のない経営が続いているような状態です。その地元金融機関がなくなっても、都市銀行があればその地元が成り立つような状態です。
つまり1990年代に発生した銀行の債務危機が、都市銀で主に発生したもの、今度は地方に波及している、ということだけなのです。これは単に表面化しないだけで、前々から言うように地方の銀行の経営状況はヤバいということです。
1990年代に銀行の債務危機が起こったときに日本の経済が落ち込むことがあったように今後、そのような事態になることを頭の片隅に置いておかなければいけません。
つまり一方的な円安ということを背景にマーケットに挑むと痛い目に合う可能性が高いということです。
消費税増税を確実にやりたい、そのためには・・
ここで、きのうお話しをしたこと移ります。要は、今の日本政府、日本銀行の最大の関心事は改元や選挙ではなく、「来年の消費税をどうやって確実に行うか」ということです。
すなわち、来年の10月に消費税増税を確実に行うためには、まず、来年の4月に政策決定をするので来年の1-3月の経済指標は良くしなければいけない、ということです。
景気が悪くなれば、消費税増税の反対の声が大きくなり、その結果、政権へのダメージが大きくなるということであり、その結果、政権が倒閣される可能性がでます。
ですから、今年の1-3月が大幅な円高であったこと、海外経済も落ち込んだことによって来年の1-3月の数字は良くなる可能性が高くなり、消費税増税はほぼ決定事項ということを騒ぐのです。
この場合、3月の数字は4月には出そろいませんので、おそらく、年末の数字などを大きく参考にするのでしょう。つまり年末は逆に日本経済は良い、という心象を与えなければいけない、ということです。
しかし、今年の10月は数字を落とさないと、来年の数字の大幅な減速は確実なのですから、「10月の数字は良くしたくない」という思惑があります。
相場の転換期は10月~11月になる
つまり今年のドル円は、10月から11月を境に大幅に方向性が変わる可能性が高いのです。11月にはアメリカの中間選挙ですから「シンゾードナルドライン」で何かをやってくるでしょう。
つまりトランプが何をやってくるかによって、ドルの方向性が決まるということです。でも、それは貿易戦争を吹っかけることによって経済指標は悪化する、ということは今後予想されますので、それによってドル安にしようという思惑でしょう。
そして選挙直前にドル高に戻すのでしょう。そもそもアメリカの大幅赤字で、ドル高になっている現在の状態がおかしいのですから、ドル安にするほうが簡単でしょう。
『ドナルドシンゾーライン」がこれだけ固いのは、結局、安倍はこういうことを政権に就いたときからやっており、その手法を安倍がトランプに伝授しただけでしょう。こう考えていくと、すべてが符合するだけの話です。
日銀の政策決定は茶番でしかない
日本銀行の政策決定なども茶番であって、変更なんかできないのに、変更にしたように見せかけるのは、増税を決定事項にしようとする単なる茶番だと私は思っています。
この話は難しいですけど、理解できれば何を見ておけば、今後のドルの方向性がわかるかはみなさんおわかりになると思います。