おはようございます。相変わらず、トランプさんが、あちこちに口出しをして混乱させていますが、アメリカ経済は好調になります。トランプさんが訳のわからないことを言い始めれば、最近は、ムニューシンさんやペンスさんが言っていることをみればいい、という癖がついてきました。
ムニューシンさんは「アメリカ経済が4-5年は好調が続くだろう」と言明していることから、たぶん、好調なのだろうな、と思います。非常に発言に気をつけるムニューシンさんがこのようなことを言うからには、まず、好調ととらえればいいのであろう、と思います。
ここで世界を俯瞰的に眺めどうなっていくのか考えていきたいと思います。
日本のデフォルト懸念
日本は本日から「日本銀行金融政策決定会合」になります。度重なる、日本銀行による10年物国債の買い指値オペによって、金融政策の変更が世界から注目をされていますが「この買い指値オペは変更しませんよ」というメッセージなのに、なぜか、変更期待が上昇をしています。
日本経済の課題は景気ではなく、来年10月に消費税増税を確実に実行していくことが最大の課題です。なぜなら、来年度も無茶苦茶な予算編成を行うでしょうし、今年度も無茶苦茶です。それもこれも、来年10月に消費税をアップすることを前提に予算編成を行っているからです。
つまり予算の伸びが経済成長を上回っていれば財政赤字は解消するはずもないのに、経済成長以上の予算拡大を行っているのですから、来年、拡大できなければ「デフォルトの懸念」が海外投資家から出てくることになるでしょう。
実際、しないとは思いますが、それだけ綱渡り的な財政だということです。その増税を万全にするために、景気拡大、つまり円安、株高になるでしょう。
>ユーロ、ポンドについて
ユーロの景気はドイツを筆頭にまた、景気が減速をしています。これは、今年3月くらいまで続いたユーロ高の影響で、その後、ユーロ安に転じていますので、しばらくすればまた景気がよくなってくることでしょう。
ECBは秋以降に金利上昇や、緩和の縮小を言明していますが、それをにらんでのことになるのでしょう。そして、ユーロとアメリカの貿易戦争が長続きをしないのは、やはりポンドのユーロ離脱が来年4月に控えているからでしょう。
いうまでもなくブリグジットによって、世界の市場が大混乱になったことが、政府の首脳の頭にあり、その間に、日本と同様、ユーロとイギリスの景気はマックスに景気を上昇させておかなければ、ブリグジットの二の舞になる可能性があります。
その可能性を避けるために、来年4月までは、ユーロ、ポンド安を放置することでしょう。相対的にドル高になり、円安、人民元安ということになるということです。
つまり、日本同様、来年までは「通貨安政策」になることが規定路線になると思います。もちろんこの道中は、上下動を繰り返すと思いますが、流れは下向きになることでしょう。
人民元の国際化とアメリカの対応
最近、何度も触れていますが、IMFのSDRに採用されたのが2016年になります。このSDRに採用をされるということは、国際決済通貨として認定されたことです。
そして、各国の外貨準備に中国人民元を加えることが認められるということです。つまり、「人民元の国際化を一歩ずつ確実に歩んでいる」ことになります。
このドル高の状況であれば、相対的に人民元安になり、その人民元安は今後も安くなると予想されます。これまで債務を抱えている国はドルで借金をしていましたが、通貨安になると思われる人民元で新興国は借りるようになります。
ドルで借りれば、通貨高と金利上昇によって、借金の総額は増えますが、人民元で借りれば、元本は減っていきますので、新興国は人民元への借り換えを促進させます。
それによって、アメリカは中国に対して「人権」「金融」「貿易カード」という鉄板の制裁を加えようとしています。さきほど、人民元でお金を借りたトルコに対してアメリカは人権、貿易カードを切り、そしてアメリカ議会はトルコに対して「国際金融機関ローン禁止」という金融カードも切っています。
ただいくらアメリカが人民元に対して借り換え制裁を行ったとしても、現実的に借金が減るのですから、この流れは止まるわけがないのです。要は「アメリカは中国が金融大国になることも嫌っている」のです。この貿易摩擦や、そのほかの摩擦は当分収まらないと思います。
新興国にとって中国は大きな存在
このテーマは今まで何度も触れていますが、要はドル一辺倒の借金から、新興国は逃れる道ができたことを認識してきています。中国の国際金融におけるその存在はこれからものすごく大きくなってくることが予想されます。
そして新興国はドル高になるたびに経済危機になっていたことが解消してきます。具体的にはドル安時には、ドル建てで借金、人民元安のときは人民元建てで借金になってくる流れになります。
ただ、現時点での考えは、アメリカが中国から借金をしようとする新興国に制裁を加えるのかがよくわからない、というだけです。新興国はアメリカ、中国と仲良く付き合えば、経済が安定することになります。
オセアニアには期待できない
ともかく住宅バブルの崩壊によって、債務が異常に膨らみ、その解消には何年もかかるということです。ここのところの世界景気の回復によって、これが先送りされているだけの話であって、世界景気が沈んだときには真っ先に売られる候補になるということを念頭に買えばいいだけの話です。
金利が最低水準ということもあり、人気の高い通貨になりますが、あまり過剰な期待は個人的にはしていません。
まとめると
全体的な流れをみると、だいたいこんな感じで来年まで流れると思います。
つまりトランプさんが訳のわからないことを言ったり、世界の政策が変更されない限りはこんなものだろうと思っています。あとはどこで仕込むかの問題になると思います。
(この記事を書いた人:角野 實)