こんにちは。本日は所用により更新が遅くなり申し訳ありませんでした。相も変わらず「ドル円の戻りが戻りになっていない」と考えていたら、考えてみればGDP発表やECB、FOMC、日銀と控えているのを忘れていました。
この予定をこなしてからの円安であれば話はわかりやすいと思います。
この見通しに関しては、ECB、FOMC、BOJも大した発表はないと思います。政策の変更はないと思いますが、フォワードガイダンスによって今後の政策変更をアナウンスする可能性はありますが、今回から変更ということはないと思います。
それよりも先日、トランプさんがツイッターでもらしたGDPの「4.8」という数字が本当であれば、彼の言う通り素晴らしい数字となります。
アメリカGDP
上記は過去10年のアメリカGDP、前期比になります。まず「4.8」という数字が過去10年ではどのような数字であるかを認識してほしいと思います。2014年の第三四半期以来の数字になるということです。
5パーセント近い数字を出したのがほとんど直近にはない、というような状態になりますので、この数字がいかにすごいことになるか、おわかりになるかと思います。また、この数字は私がいつも採用する前年同期比の数字ではなく、前期比で4.8パーセントというのがすごい数字なのです。
たとえば2011年の第四四半期に大きな数字を見せていますが、この前期の伸び率が非常に低いので、伸びただけの話になります。つまり前期の数字があまりにも悪いので、2011年の第四四半期は相対的によくなっただけの話だということです。
ですから、今回の第二四半期の数字が本当に、4.8であれば、前期が2.0と比較的良い数字なのに、今期はさらに伸びて4.8となるとアメリカの経済は本当に良いということになります。
つまり、いつもお話ししているように、最近はこういう相対値と絶対値の違いの話をしていませんが、相対値で数字を比較するのはナンセンスなことであって、きちんと前期何パーセントの伸びに対して、今期は何パーセントの成長というように把握をしなければいけないという話です。
参考までに、2014年の第二、第三四半期というのは、4年前です。4年前もオバマ施政下になりますが中間選挙になります。まったくそんな記憶はないのですが、オバマさんがこれほど経済に介入したのかわかりませんけど、同じようなことをやっているのですね。
2015年に何が起こった?
その結果、2015年に何が起こったかといえば「チャイナショック」です。要するに無理くりに経済を上昇させた側面があるから、こういった危機が起こったのでしょう。その因果関係はまた時間があれば調べていきます。
ともかく、通常は、あなたが頑張りすぎて、疲れ切ってしまった場合には、その咎めが必ず来るものですが、2014年は中間選挙のために誰が何を頑張ったのかわかりませんが、中国経済が危機に瀕してしまったことは事実です。
今回の場合は、トランプさんのショーマンシップが過ぎる帰来がありますが、個人的にはアメリカ企業や政府ががんばりすぎているという印象はありません。
もちろん、世界の政治は、このアメリカの4年前の中間選挙後に中国がおかしくなったということを念頭に運営をしていますのでしょうから、一般的に巷で言われる新興国危機というのは、対処済みだと考えることが妥当です。
その対策は、普段から私が申し上げているように、人民元とドルの二大基軸通貨体制を築こうとしていると私はにらんでいます。つまり新興国の基軸通貨を元に、そして先進国の基軸通貨をドルにしようとしているのではないか、と推察をしています。
本来なら金はこれだけのドル高になったのに、ほとんど下がらず、そして原油は逆に上昇をしてしまっていることを押さえることが大事です。
平均で10パーセント弱、ドルが上昇しているのに金も原油もほとんど下がっていない状態をみると、何かシステムの変更があったと考えるのが妥当なことなのですが、その辺のことを、指摘する学者、専門家はいまだに皆無です。
俄か知識で最近は原油のことを語る輩が増えていますが、商品相場の世界は、株や通貨の世界の何十倍も難しいことを承知することになると思います。
株は1つのことを調べればいいですが、為替は2つのことを調べなければいけません。商品は日本円建ての場合は3つのことを調べなければいけませんので、段違いに難しいのです。
世界の警察をやめる
つまり、今回のテーマで何が一番言いたいかといえば。ドルの基軸体制というのは揺らいでいる可能性、ないしは変化している可能性がある、ということです。
そしてオバマ、トランプ政権ではっきりとアメリカが主張をしていることは世界の警察をやめる、ということ。警察を止めるということは、政治のシステム設計をすべてアメリカが担う時代ではない、と宣言をしているのと一緒です。その役割を中国にも負担をしてほしいということだろうとは思います。
ただし、政治のシステム設計は譲るけど、経済のナンバー1は許さないから貿易戦争なのだと思います。今回のGDPは本当に近年まれにみる良い数字だと、トランプさん同様思います。
株はS&P、ダウともに上抜けの形です。そうなると、為替があとから追随する可能性があります。ドル高方向に。やはりムニューシンさんの言う通り、秋から年末にかけてものすごい好景気を示現することになると思います。
(この記事を書いた人:角野 實)