おはようございます。連日の猛暑になりますがご自愛くださいませ。本日は出張先からの執筆になりますので、少し、情報が不足している感は否めませんがお願いします。
日本銀行が2月以来の「買いオペを実施」したことがマーケットで話題になっています。私からみれば、あーそう、という感じで特段、騒ぐほどでもないと思います。単に「現状の金融政策を維持する」という市場へのメッセージであって、それ以上でもそれ以下でもないと思います。
また、現在の貿易摩擦によって、新たな設備投資をする企業群にとっては資金調達アップは設備投資の衰退を招く結果となりますので、低金利政策を改めて確認をしたことはよいことだと思います。
反対に日本銀行が、株式市場への介入をやめていることと何らかの関連があるのかを推測するほうが大事なことだと思います。ただ、この結果については、おそらく株価が上昇軌道に入ったということを確認したからやめただけの話になると思います。
買いオペに関して、2月は円高過程の中にあり、今回も、円高に急激になったこととは相関があると思います。要は、日本銀行が「強烈な円安メッセージ」を出しているのに、このまま円高に行くという議論は、ナンセンスそのものです。
問題はアメリカ債
きのうのアメリカ債は全般的に、金利上昇、価格低下という傾向にあります。このことに関して、報道は日本政府がアメリカ債の購入が減るのではないか、と懸念したことから価格下落の金利上昇になったといっています。
この関連に関しては、アービの問題があり、アメリカ債買い、日本国債買いでヘッジになっていない側面があります。この場合、通貨はドルも円も売りになっているはずであって、そこでの調整が入っているのかな、とは思います。アメリカ債の動きもトリッキーであり、なんだかよくわかりません。
おそらくきのうの円高局面においての単なるポジション調整としか判断のしようがありません。
この仮説は今後のアメリカ債の動きと、ドル円の相関をみていかないとわかりませんので、なんとも言えませんが、現段階では、単なるポジション調整という判断になります。つまり、ドル円も双方の債券市場も単なるポジション調整という判断になります。
中国人民元について
人民元は再び、ドルに対して大幅な人民元安になっていますので、このあたりは私の仮説通りであると思います。今回の人民元安のスタートが6.3くらいになりますので、その20パーセント増しは7.6くらいになります。その辺まで人民元安になるのではないのかな、と考えています。
現在は6.8くらいになりますので、10パーセントまでいきませんが順調に元安になっているのだな、と思います。以前に記した、元安になれば円高になるといわれているようですが、円高になるのは、中国から「キャピタルフライト」がある場合で、現在、そのような資本逃避は起こっていませんので円高にはならいと考えています。
そもそも人民元安になると、円高になると考えている人が多いようで、その場合は中国でネガティブな事件が発生していなければそうならないのに、なんだかプロと称して、イカサマまがいなことを言う人が多いな、と思います。
世界の中心はドルと考えれば、人民元安は、ドル高になり、ドル高になれば、円安ということがわかっていない人が多いと思います。反対にクロス円は人民元安になれば当然、元高になることを専門家のくせに理解していない人が多いのでしょう。
そして、中国の報道官も中国は為替操作などしていない、と記者会見で言っています。おそらく、出来レース、茶番だと思います。おそらくアメリカと合意をしたことをそのまま中国通貨当局はやっているだけの話で、それを為替操作と言われる筋合いはない、と反論しているだけでしょう。
おそらく、以前も書きましたが、あの会見は中国国内向けの会見であって、元安によって被害が出る人たちに説明しただけの話でしょう。
何度もいいますが、この政治家のコメントは、自国の通貨安で損をする有権者に向けたメッセージだと考えられるケースが非常に多く、それを全部、一緒くたに報道する報道も問題になりますが、我々もこのコメントに対して、これはだれに向けたメッセージなのか考える必要があると思います。
どちらにしても、日本銀行は通貨安政策に対して強烈なメッセージを私たち投資家に残しているのに円高に行くと考えるのはあほらしいとしか思いません。
(この記事を書いた人:角野 實)