おはようございます。NECクドロー委員長がアメリカの税制改革は第二弾、第三段、第四弾があるかもしれないとコメントをしました。ここの読者のみなさんは、この意味がさらなるドル高になるということはなんとなくイメージすることができるでしょう。
税制改革はすなわち減税であり、その帰結のマイナスの面は、財政赤字の増加になります。
その財政赤字増加は国債発行増加を意味し、借金の多い人に追い貸しなどは誰もしたくはないのですが、ドルの価値が上昇し、ほかに投資先がなければ、高いリスクを負いたくなければ、米国債を買うという行動に投資家は出てくることでしょう。
そうすれば、ドル高祭りの完成であり、テクニカルもクソもないのです。米国債の販売を確保するためには、財務の内容よりも、ドル高が優先されるのですから、当然の帰結になります。
テクニカルの欠点
最近、どこでも言っているのですが、テクニカルほど根拠がないものはなく、その勝率などは、普通の「優秀」な人が組んでも50パーセントを超えるか、超えないくらいのシステムを組むことができれば優秀な方です。
通常は、がんばっても30パーセント程度の勝率であって、この30パーセントの勝率であれば、勝てない、と思う人は、いくらやっても儲からないと思います。要は、誰でもいうことですが、「損小利大を行えば、トータルではプラスの成績になる」ということがテクニカル分析です。
つまりテクニカル分析で100パーセントの勝率などはあり得ないことであって、そもそも間違えて当たり前なのですが、自分が間違えると、それを「だまし」とか言っている奴はアホじゃないか、としか思いません。
そもそもテクニカル分析というのは、勝率100パーセントなどありえなく、間違えて当然なのです。しかし、間違えると「自分が悪い」のに、だましということはマーケットやチャートに責任があるような言い回しをすることにかなりの違和感を覚えます。
間違えたのは、あなたのテクニカル分析が未熟なだけ、ないしはテクニカル分析を全く理解していないだけの話であって、それ以上もそれ以下もありません。
そもそもテクニカル分析を過度に信用しすぎているあなたが悪いのです。だって、3割しか勝率がないのに、なんでテクニカルは当たると思うのでしょうかね。
不思議でたまりません。要は、テクニカルを理解していない方が、だまし、ということばを使い、自分は悪くないということを弁護しているだけの話であって、自分が悪いということを認めなければ、いつになっても相場なんかうまくなんないよ、ということです。
やはり、もうそろそろ円高と・・・
今朝のテレビをみていると、みなが尤もらしい理由をつけて「円高になる」とか騒いでいました。
その筆頭理由はファンダメンタルズ的には、アメリカの金利がパウエル議長証言によって上昇したからきのうは円安になり、きょうは金利上昇が続かないので下押しをした、という論調です。
しかし、10年国債のチャートを眺めているとずっと横ばいであって、金利が上がった、下がった、もないのです。たしかに日銀関係者の著作を読むと金利の上下動によって、ドル円相場を読むことはできると書いている人が多数になりますが、長期的にみればアメリカの金利が上昇すれば円高になるという分析が当然の帰結になります。
私はアメリカの金利は下がると思っているから円安になると言っているのですけどね。その辺のロジカルな構成ができないようです。さて、私のテクニカルによると、この形は「まだまだ大幅な円安が進行する」と出ています。こんなもので円安が終了はしないと思いますがね。
しかし、テクニカルには根拠がない、と言っているように、証拠がないので自信はありません。ただ言えることは、円高に行ったとしてもしょぼい円高でしょうが、円安になったら、ほとんどの人が目先は円高といっているのですから、強烈な円安になるでしょうね、ということは内部要因からわかります。
そもそも5月からの108~111円のレンジを抜けて、2円程度の上抜けですぐに円高になるはずないじゃない、とだれもがわかることなのに、円高、円高とうるさい、としか思いません。
本当に人間ができている人は、もっと円高と騒いでください、とお願いしているのでしょうが、私は、人間ができていないので、うるさい、というのでしょうね。このパターンはレンジブレイクなので、どこかで円高に転換したと思わせる形が示現するパターンですが、まだ早いでしょうね。
(この記事を書いた人:角野 實)