経常収支というと、なんだかよくわかんない、と思う方は非常に多いと思います。なぜなら、言葉をみて何を意味するかわからないからだと思います。
経常収支というのは主に「貿易収支と財政収支を合わせた数字だと考えればいい」のです。トランプさんは、今、この数字をみてギャーギャー騒いでいるのです。
経常収支の意味するところ
結局、トランプさんは何かとギャーギャー騒ぐことが予測できない、という方が非常に多いのですが、私からみれば、彼が何をみて、騒いでいるかわからないから、何を言うか予測できないと言っているだけです。
要するに彼のことを嫌いな人間は彼の行動を注視しないで、観察もせずに嫌い、嫌いと言っているから何も理解できないのです。彼の言っていることは、実は、ものすごく単純なのです。
頭は、私の数十倍頭はいいと思いますが、考えていることは常にシンプルです。そして、感じたことをそのままツイッターに投稿しているので、今、何を考えているかがすぐにわかる、ということです。
トランプさんは貿易収支と財政収支を合わせた経常収支をみているのです。その構成要因の財政収支は、自分で減税をして自分で赤字を増やしたのですから文句を言うはずがないのです。
貿易は日本や中国は、アメリカの利益にタダ乗りして奪っているというと、恫喝やすいだけの話なのです。だから、今、貿易問題なのです。つまり、トランプさんは単に経常収支を良化させるためにはどうしたらいいのかを考えているだけで、それに沿って動いているだけなのです。
財政赤字は自分で悪化させたのだから、貿易に向かうのは誰が考えても当たり前だのクラッカーですよね。ずいぶんと古い表現を使いましたが。
その経常収支
昨日発表された経常収支は、さらに悪化です。おそらく、トランプさんはこの数字を知っていたから、騒がないだけだと思いますし、注目すべきは議会もトランプの援護射撃かどうかはわかりませんが、中国を非難し始めています。
ただ、両者に共通しているのは、このまま経常赤字を垂れ流していてはいけない、という認識なのだろうと思います。
■経常収支長期
■貿易収支長期
■財政赤字長期
これをみた多くのアメリカ人は、これどうするの?と思うのは必然であり、トランプさんや議会が貿易赤字を減らそうと躍起になるのは当然です。それをわがままだの、自分勝手だの垂れ流すメディアはバカ、と思うのは私だけではないと思います。
そういってはいないのですが、そういう風に思うように印象付けの操作を行っている点が悪質だと思います。そもそも、日本人は財政赤字の数字をみて、恐怖を感じるどころかそれに慣れっこになっているほうが、感覚がおかしいと思います。
巨額の財政赤字があって、いまだに補助金の分捕り合いと、与党批判しかできない国会議員のレベルは末期症状です。アホじゃないの、としか思いません。
じゃ、これからどうするの?
ともかく財政の赤字は10年間は増えることを議会で決めてしまったので、トランプさんが就任している間は、ずっと貿易赤字が解消するまでやり続けることでしょう。
つまりこの貿易の問題は今年で終わりじゃないよ、ということです。中間選挙対策のためにやる?アホとしかいいようがありません。今年で終わるテーマではありません。
そもそも、日本の首相や内閣、アメリカの大統領や側近は、選挙にも勝ちたいでしょうが、そんな下衆な目的でそんなことをやっていると思うほうがおかしいのです。本気で自分の国をよくしたい、と思うからやるのであって、その報酬を考えると、なんで民間企業のトップより安いのか、と思うのが普通です。
安倍さんなんかは奥さんを国会に証人喚問せよ、なんて言われていますが、そう言っている連中は自分の奥さんがそんな場に立たされて、責められることに耐えられると考えるほうがおかしいのです。
まともな人は、そんなことされたら「辞める」というのが普通でしょう。ともかく批判をするのにしても相手の立場をもう少し考えて批判しなさいよ、と思います。
ドル円は?
きのう書いていないので、きょうはかいておきます。方針は円安であって、貿易摩擦なんて関係ありません。オペック総会などあまり関係ないと思いますし、トルコの大統領選挙は、珍しく、トルコ円のテクニカルはいい方向にいくほうの傾向が強いのです。
こういうイベントがあるときはどっちつかずのテクニカルなのですけどね。トルコの状況は報道されているより悪くはないと思います。報道で弱気ばかり言っているアホどもは自分で調べないで、他人が調べたことを自分の意見のように言う天才なのです。
そういうのを泥棒、というのです。データを丹念にみれば、トルコ経済はそれほど悪くありません。それほど悪くなっていない経済をみて、独裁者が選挙に勝利をして、わざわざ、悪化させる方向にもっていくと、私には思えません。バカバカしいと思います。
(この記事を書いた人:角野 實)