FOMCの結果が発表されました。朝、日経ニュース、テレビ東京ニュースをさも、年4回に利上げが変更されたようなことを言っていたので驚きを感じたものですが、それは、間違いというわけでもなく、また解釈を間違えているだけです。
なんで、天下の日本経済新聞はこうやって誤報を流し続けるのか意味がわかりません。
FOMCの中央値
wsjより
これがFOMCで一番、注目される今後のFRBによるアメリカ経済見通しになります。2018年のメジアン(median、中央値)のFedの金利目標値は、3月が2.1だったものが2.4に変更をされています。
今回の金利が、1.75-2.0に利上げを行ったのですから、残り二回利上げをすると0.5パーセントの利上げで2.4近辺になり、残り一回だと2.1になるので、FRBは年内二回の利上げをするだろう、と報道はある意味正解になります。
そのほかの指標で注目をしているのはPCE価格、要するに物価見通しは2.1になっています。現在は2.0となっており、0.1パーセント程度物価が上昇をするだろうと言っています。
GDPは去年2.7だったものは今年2.8です。言うほどの期待はない、というように感じます。これは物価が伸びないのですから、こんなものかな、という感じです。
もちろんドル高の影響を組んでいるのでしょう。失業率が現在3.8パーセントになりますが、年末には3.6パーセントの予想になります。失業率の0.2パーセント向上というのはかなり強い数字であり、これは現状の雇用環境をみれば妥当な予想になると思います。
なぜ、4回と断定といえないのか?
年4回利上げとメディアと騒いでいますが、厳密には違うという見解になります。これは声明文から、中央銀行の世界的な傾向で、フォワードガイダンス、つまり、政策の事前告知をしますよ、という文章が声明文から削除をされており、つまり、これからはサプライズの利上げや政策変更を行いますよ、という意味合いになります。
要するに利上げをする場合は、声明文やFOMC議長が事前にマーケットに告知をするよ、と言っていたのですが、今回からその文言がなくなったのです。
要は、メジアンでは4回と言っているのに等しいのですが、今後はこのメジアン通りには動きませんよ、と言っているのに、ほぼ4回に決定などというメディアは頭がおかしいとしか言いようがありません。
もっとも「ほぼ」4回と、大変、微妙な言い回しに終始しているのは、自分たちが意図的にみなさんに勘違いさせるように報道をしようとしている確信犯とも言えますけどね。
要するに事実を正確に伝える義務があるとメディアはいつも騒いでいますが、自分たちで事実を誤認させる方向にもっていこうとするのです。
もう一度、書いておきますが、年4回は確定ではなく、今後はFRB議長もいっているように記者会見の回数を増やして、FRBの会見をよくみないと、政策変更が見えてこないよ、と言っているのです。
上記のメジアン通りに利上げなんか起きるかわかんないよ、と言っているのに何を報道しているのか、とあきれ果てる次第です。
ドル円の状況
今、いろいろと考えているのですが、何が起こっているのかよくわかりません。ただ、ファンドがポジション変更をしているように見えましたので、ドル円をパッチ、両建てにしました。
若干の売り越しになります。この判断は、きのうから下手したら、円高にいくかな、と思っていたので、寝る前に売り指しを入れ、その上、朝から売り越しにしました。
現時点で110円割れ程度を見込んでいますが、おそらく長期方向は円安で変わりないと思います。つまり、大した円高なんかにはならないと思っています(笑)。
債券、株、新興国の動きに関しては、今、何が起こっているのかの推察がさっぱりわかりません。ただ政策金利の上昇を確認して今はそれに素直に反応をしているだけです。利上げはあと年二回行われるのが確定したわけではないので、数字によるその変更証明ができない状態です。
ですから、ファンドはポジション変更などできるわけないのです。今夜のECBがどう動くかによって、決まってくるのであろうと思います。
(この記事を書いた人:角野 實)