読み込み中...またもやトランプが想定外のことを始めました。先週まではシリアから撤退と言っていたのですが、8日にはお得意のツイッターでシリアをけん制し、そして本日はシリアに対して24-48時間以内に重要な決断をすると発表しました。
正直言って、トランプの思考過程がよくわからない、というのが本音ですが、ビジネスの世界では朝礼暮改は当たり前と考えると、それも「あり」なのかな、と思います。しかし、突き合わされる人、つまり投資家にとっては面倒くさい事ほかなりません。
シリアを攻撃した場合
いまのところさっぱりわかりません。しかし、2018年の為替予想のグラフでもわかるように今月は非常に円高にいきやすい月になります。つまり、世界的に景気が後退している現状、シリア攻撃を敢行した場合、ロシアの反発具合から混乱しそうです。
あの性格から考えれば、いったん言い出したことは引っ込めないと思います。たとえば、アマゾンに関して側近がアマゾンに対しての批判は的外れとレクチャーを開いているらしいのですが、その批判を一向にやめようとしません。
シリアに関しても同じでしょう。問題は攻撃の規模と期間で、去年のように1日で終われば大したことはないと思います。個人的には、今、トランプは北朝鮮に注視をしていて、シリアはそのあとと考えている節があったのですが、北朝鮮がきのう、本格的に核廃棄に対して議題に挙げるとアメリカに対して提案していることが、判明をしましたので、シリア優先になったのかもしれません。
トランプの思考というのは、景気後退の局面においては「戦争」です。この考え方はレーガンに倣ったものであり、レーガンはグレナダ侵攻と東西冷戦の終了で自身の政権支持率を浮揚させたことを模倣しているのです。
その上、今年が中間選挙で、景気の浮揚の見込みもないとすれば、戦争に走るのは無理からぬ話です。北朝鮮が核放棄に関して本当に前向きなのであれば、シリアに行くのは当然といえば当然ですが、どうも不可解です。
シリア攻撃の場合のマーケット
wsjより
上記は3か月のアメリカ国債の推移です。過去の最高は2018/1-3月で、4月は減っています。この3か月の債券というのは短期国債であり、とりあえず、目先の減税分の税収不足からの債券発行は終了したことになります。
つまり債券の需給がタイト化して、債券価格は上昇します。つまり金利は低下になります。このことも私がいつも書いている通りです。10年物で3パーセントに行くなんてほざいていた専門家がいかに多いか、ということです。彼らは金利のピークの時にまだ金利は上昇すると騒いでいたのです。
もっと、かんたんにいえば、そんなの誰でも言えることなのです。投資家が一番知りたいことは、この金利がピークなのか、それとも打ち止めなのかをプロに聞きたいのです。そのプロが外すリスクが少ない、金利はまだ上がるなんて言っているということは要するに何もわかっていない、ということです。
債券価格というのはイコールの関係として、ドル高を意味します。要するにドル円レートと債券相場は相関関係にありますので、円安に今後なっていくでしょう、ということです。
ただし、相場の転換というのは、債券価格とドル円相場、一時的に急激に逆相関の関係になる、ということを覚えておかなければいけません。
たとえば、シリア攻撃を仮に行った場合、投資家は株を手仕舞いし、債券を買いにいきます。株価が下がれば、ドル安に急激になります。つまり円高です。このことをリスク回避というのですが、みなさん理解していましたでしょうか？
しかし、長期的にみれば債券価格とドル円相場は相関関係にありますから、円安になるだろう、ということです。参考までに日本はマイナス、ゼロ金利だから、国債価格は高騰するのです。
つまり円高になるのです。黒田日銀が続く限り、それほど円安にはならないと思います。あのじいさん、金融緩和の次の一手に関して何も語りません。どういう展望があるのか、さっぱりわかりません。彼こそ、老害の極みでしょう。
（この記事を書いた人：角野 實）
