きのうのモーサテで、日経平均は17年連続、外国人が買い越しているので「買い」である、とシャウトしていた評論家には非常に疑問を持ちました。彼は、ここ最近、強気で通していましたのでそう言わざるを得ませんが、あまりにお粗末な分析の結果、ああいうことを言うのはどうか、と思います。
現在のFXを含めたマーケットというのはハイテクを中心に相場動向が左右されていることは、みなさん感じることだと思いますそのハイテク関連のニュースには現在、悪材料がいっぱいです。
①アマゾンへのトランプの批判。
そもそもG20の議題ではアマゾンは制裁企業の対象です。トランプはいきなり言い出したわけではない。
②テスラモーターズが自動運転の失敗。
そもそもテスラは資金ショートが懸念されるくらいの赤字企業。日本では人気の高い株だが、赤字会社の株を買うというのは頭がおかしいと思う。黒字化の見込みがない。
③アップルの新商品、アイフォンの高額スマートフォンが本気で売れると思っている人も頭がおかしい実際に売れていない。今後の需要は、先進国での需要は一巡しているのですから、低価格のものを発売するのが当然なのです。経営陣はジョブズが亡くなってトチ狂っているとしか思えない
④グーグルのネットでの広告収入は他社を寄せ付けませんが、今回の問題で広告離れは確実に進む
⑤アップルの半導体内製化によって、インテルの株価に懸念が持たれる
これだけの悪材料が出ているのに、ハイテクはまだ買い、買いと騒いでいる人たちはどうか、と思いませんか?ドル円にしてもそうですが、年初、113円だったものがきのう、106円です。テクニカル的にもまだ、底を確認したとはできない状態で、円安の大合唱です。
少なくても6割が円安といい、残りが円高というのが正常な状態です。要するに、買い相場が長く続くと、その雰囲気、センチメントに飲み込まれてしまう人がほとんどだ、ということを如実に示しています。
今後の展開はどうなるの?
モーサテによると、今の株価の下落は、一時的なものということを強調していました。上記の①~⑤からの材料など短期的に解決する問題なのか?を考えてください。どう考えても無理でしょう。
テスラは論外、アップルは経営戦略の間違いです。アマゾンは今までの商売が間違っている。アマゾンが日本で消費税、所得税を納めないということは日本から搾取しているのと一緒のこと、そしてその負担は私たちがしているのです。
アマゾン賛歌などキチガイじみている、と感じるのは私だけではないと思います。あの偉そうな三木谷は、アマゾンの真似をしようとして、日本政府から止められ、結果として何等かの恩恵をうけているはずです。
やっていることにモラルの欠片もない。こういうモラルの問題というのは、投資家自身がいつも、モラルに反する行動をしていないか、自問をしていないと見抜けるものではありません。
悪材料が出ているのに、買い、買いと言っていることに何の疑問も感じなくなるのも一緒のことです。つまり自分自身という基準がしっかりもっていなければ、こういうことは見抜けないものだと個人的にはおもいます。
要するに投資というのは自分の考え方次第のものであって、他人を基準とすると見抜けないものです。つまり人の意見に従って売買をする、ということは愚かな行為としか私には見えません。
たとえば、きのう日経平均、17年連続で4月から外国人が買い越しをしている、ときいて即物的に日経を買うというのは絶対にやってはいけない、行為なのです。自分で調べてみれば、納得いかない点が多々出てくるのです。
即物的に買った人は、大きな損をするでしょうし、十分な下調べをした人は買うのは控えたと思います。あなたが小さいころから、親から何事も「準備」ほど大切なものはない、と教育されたのに、なぜ、株やFXを買うのに時間を5分もかけないのか不思議に思います。
私がいろいろ説明しても、何も調べもせずに買い、売りし、そして自分がその結果、損をするのは当然の話であって、自分の頭で考えるのが面倒な人は一生懸命、お給料で生活をしたほうがましです。
話がそれましたが、今週の重要な経済統計は、雇用統計になります。まず、この経済指標というのは遅行指標ということを忘れてはなりません。つまり、すでに先行である株式価格などが下がっていても、景気に遅れて反応をするのですから、この数字はいい可能性が高いのです。
おそらく、メディアはこの数字、ADPや雇用統計をみて株式の押し目完了と言い始めますが、何度もいいますが、雇用というのは景気に遅れて反応する経済指標です。つまり、先行であるISM、日銀短観など景況感指数や株価が下がり始めていても、雇用は改善するものなのです。
このことは、アメリカは企業サイドが不調で消費者サイドが好調という、好景気循環の最終局面にきているという説明を何度もしていると話したはずです。
このときに先行指数である景況感指数や株価、設備投資の数字が下がるようであれば景気が転換する可能性がある、ということをきちんと確認しなければいけません。
具体的にはきのうから景況感指数は微減で株価が下がっている状態では買えません。つまり、まだ悪材料が出尽くしていない状態で、今後は消費関連ではなく、景況感、設備投資の数字をよく分析する必要があるのです。
もちろん、こういう楽観の勘違いしている人がたくさんいますので、戻る場面もたくさんあるでしょう。でも、マーケットには二番底という便利な制度があることを肝に銘じることです。
そこで買えばいいじゃない、と割りきることが大事です。個人的な方針はまだ、楽観のセンチメントが強いので売ると思います。これが悲観になったら買うとは思います。
(この記事を書いた人:角野 實)